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タイタニック沈没100周年と「ほこ×たて」対決

 昨日の金属とドリルの「ほこ×たて」対決は、「割れないように」が対決の底流に流れていたと思われます。前回が、割れることによって引き分けになっていたからです。
 硬く強くすることと、割れにくくすること・・これこそ「矛盾」なのであって、この対決がこの領域に入ったことで、それまでとは対決の様相が変わったと私は考えています。OSG側は「割らないように穴を開ける」、他方ニッタン側は「割れないようにしながら削りこんでくるドリルの攻撃に耐える」。
 ドリルの側の情報は、ある程度流れているけれど、金属の側の情報は少ないように思います。ただ、加工される部分の材料は四角形から円形(円柱)になっており、周りをやわらかいけれど靱性の高い材料で囲む、というものになっているのは目で見て解ります。日本刀がそうであるように、あわせガラスがそうであるように、性質の違う材料を組み合わせる手法が使われたのは間違いないでしょう。このあたりが興味深い。

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 ところで昨日4月15日は、タイタニック号が氷山に衝突して沈没してからちょうど100年なんですね(1912年4月15日未明)。当時9年に前にライト兄弟がフライヤーの初飛行を成功させて、飛行機の開発が各国で急ピッチで進められていたとはいえ、まだまだ普通の乗り物の域には遠いものでした。海外に行くには船だったんですね。当時の技術の粋を集めて建造されたタイタニック号の弱点は、鋼の低温脆性でした。簡単に言うと、低温になると鋼は急に脆くなり割れやすくなるポイントがあるのです。タイタニックに使われた材料は、このポイント(延性脆性遷移温度)が高い、氷点下の海ではとても割れやすい材料だったことが、後の調査でわかっています。
 20世紀は、強度だけではなく割れにくいという靱性が、材料分野では大きな問題でした。これは、どこまで行っても限りのないテーマなのかもしれません。
 タイタニックが沈没して100周年の2012年4月15日の日曜日、多くの人がOSGと日本タングステンの勝負を見つめた。偶然とはいえ面白いと思いました。
 偶然といえば、このイラスト。

Hs3

 「破壊の科学」の表紙イラストです。32項目あるうちの、「ほこ×たて」と「タイタニック」をイラストレーターの竹田壮一郎さんと小島早恵さんは選びました。この選択に、筆者である私は何も口出しをしていません。「最後は本の宣伝かよ」という声が聞こえてきそうですが、ハイそのとおりです。やはり売れてほしいですから・・・(=゚ω゚)ノ o(_ _)oペコッ。

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