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黒曜石を割る

 戦前の著名な物理学者寺田寅彦の随筆「柿の種」の中に、ガラスを割って破面を調べる話があります。その一節

「僕はこのごろ、ガラス板を、鋼鉄の球で衝撃して、割れ目をこしらえて、その割れ方を調べている。はなはだばかげたことのようであるが、やってみるとなかなかおもしろいものである。ごく軽くたたいて、肉眼でやっと見えるくらいの郎をつけて、それを顕微鏡でのぞいて見ると、球の当たった点のまわりに、円形の割れ目が、ガラスの表面にでさて、そこから内部へ末拡がりに、円錐形のひびが入っているが、そのひび破れに、無数の線条が現われ、実にきれいなものである。」

 この随筆を書いた時点で寺田は、二~三百枚のガラスをひたすら壊して破面を観察していたようです。破壊という物理現象の探求より以上に、ガラスの破面の持つ不思議さと面白さに魅せられていたことが伺えます。
 私も、昨年から寺田ほどではありませんが、たくさんガラスを壊してきました。その中には意図せざるものの含まれますが・・・。
 今日は、天然のガラスである黒曜石を割ってみました。

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 石で叩くと割れるという情報の元に、やってみました。イヤー~、たいへんでした。なかなか割れません。でも・・・

Img_0365

 割れました。

Img_0364

 破面はこんな感じ。

 

Img_0355

 ガラスのフラクトグラフィーを少し勉強しましたので、見えてくるものがあります。

Img_0355a

 打撃点の直下に、力の方向にほぼ平行に半楕円上の部分が見えます(赤い線で囲った部分)。そしてどこから先の破面は複雑にくねっており、ハックルと呼ばれるき裂進展方向を示す筋模様が観察できます。
 どうです、この摩訶不思議な美しさ・・・。

Img_0354

 病みつきになりそう。

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科学技術」カテゴリの記事

コメント

こんばんは

破断面や亀裂からいろいろ推察できるのですね。
私はガラスの破断面はわかりませんが、
ウータンとワンワンは知っています。

鉄の破断面について、私は割れの起点部分が
よくわかりません。
「破壊工学」には鉄の破断面について
解説されているのでしょうか?

投稿: アクア | 2012年4月10日 (火) 21時58分

アクア さん こんばんは

フラクトグラフィーなら吉田亨さんの「金属破断面の見方」あたりを読むのが良いでしょう。

投稿: SUBAL | 2012年4月10日 (火) 23時39分

ありがとうございます、本を予約しました。
勉強してみます。

投稿: アクア | 2012年4月11日 (水) 22時50分

アクアさん こんばんは

吉田亨さんの「金属破断面の見方」を出している同じ出版社から本を出せていることは、私のひそかな誇りです。フラクトグラフィーではありませんが、「破壊工学」本もよろしく(笑)。

投稿: SUBAL | 2012年4月11日 (水) 23時21分

金属破断面の見方を読んでいます。
初版は私が生まれる前のものでした。
昔の本でも今と変わらない所が多いと思いました。

ひずみ測定2種を十数年前に取りましたが、、
未だに平面応力ととモール円にの部分は
全く理解できません。
この本には同じ計算式が出ているので、私には難しいです。

理解できる部分を読んでいこうと思います。

投稿: アクア | 2012年4月22日 (日) 23時54分

あの本は、第2章から読むという読み方もありだと思います。

投稿: SUBAL | 2012年4月23日 (月) 08時09分

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