« 単行本出版の経緯 その1 プロローグ | トップページ | 単行本出版の経緯 その3 教える立場になって »

単行本出版の経緯 その2 働きながらの勉強と高校での物理の授業

 話は30年ほど前にさかのぼります。30歳になったころ、食い詰めて切羽詰っていました。第二次オイルショックのころで、有効求人倍率が0.24(この数字は忘れられません)でした。少ない選択肢の中から見習い可で年齢制限で引っかからない非破壊検査の仕事を選びました。

 超音波や磁気やX線を使うこの仕事の勉強は、経歴からすると「文系」の私にとってはしんどいものでした。渡された教科書を読んでもさっぱり分からない、とまでは言えないものの躓きの石や岩があちこちにゴロゴロ転がっていました。理系の勉強は、積木細工のようなところがあるので、ひとつでも理解が抜けたまま上を積み上げようとすると、とても不安定になります。昼間汗まみれで働いて、夜寝るまでの数時間の勉強はそれでなくても回らない頭が混乱でぐちゃぐちゃになります。思わず本とノートと鉛筆と放り投げて天井を見上げてしまい、気が付いたら朝だったなんてこともしばしばでした。

 教科書を読んで気づいたことは、どうやら筆者が想定している読者の知識レベルは大学の1年か2年、つまり高校の物理と数学の知識を前提にしてしているらしいということでした。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ
ポチッとクリックで応援

 今と違って私たちの時代は、理科4科目(物理・化学・生物・地学)は選択制ではなく必修でした。私も一応高校を出ていますから、授業は受けています。でも・・・・。後悔先に立たず、天井のシミを見つめるうち、高校時代の思い出が苦みを伴ってよみがえってきます。

 中学までは理科大好き少年でした。わかりもしなかったけれど「ガモフ全集」や「物理の散歩道」などを抱えて時々読んでいました。高校は自宅から一番近い地元の「進学校」でした。物理の授業で実験をやった記憶は全く残っていません。ひたすら計算問題を解いていたような気がします。先生が計算問題を黒板に板書をしながら解いていき、生徒はそれをノートに写して、最後に解説を聞くというパターンでした。

 最初のころですかね、先生が板書を始めてすぐのところで、単位変換か何かだったか計算の前提を間違えましい、そのまま計算を進めていました。最後で合わなくなるのは明らかでした。最後まで行って先生は、頭を抱えている。その時点では生徒の大半は、間違いを訂正したノートが出来上がっていて、気まずい空気が流れていました。誰かが見かねて指摘をして修正を始めるのですが、先生はあわてているので混乱しながらようやく板書を修正。できたころにはチャイムが鳴って授業は終わり。

 それが1度や2度ではないのです。「何年やってんだ、予習をして来いよ、馬鹿野郎」。この先生の生徒に対する態度が高圧的だったこともあって、私は完全にその先生を授業は聞かないことにして、隙を見て授業を抜け出すか、別の本を読んでいました。先生を無視しても、自分でちゃんと勉強すればよいのですが、そんな品の良い生徒ではありませんでした( ̄Д ̄;;。

 そんなわけで、私の物理知識は中学卒業レベル。ある意味、躓きの石がゴロゴロあるのは当たり前、自業自得のところもあります。やむなく高校の物理の参考書(「Σベスト」(笑))を買ってきてそこから勉強したものです。

 とりあえず教科書で言っていることを理解し、問題が解けるようにして、資格試験にパスしなければなりません。必死で勉強しました。高校時代、時間がたっぷりあった時代に勉強していればなぁ・・・無駄な後悔を何度したことか。

 勉強をして少しずつ分かってくると「テキストの筆者はどうしてこんなに分かりづらく書くんだ」という思いを強くしました。漠然と「俺なら、わかりやすく書いてみせる」と思ったものです。ある意味、ツッパリです。くじけそうになる気持ちをこのツッパリで支えていたのです。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ
応援のクリックを。現在2位です

今でもあるのですねΣBest

|

« 単行本出版の経緯 その1 プロローグ | トップページ | 単行本出版の経緯 その3 教える立場になって »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222291/55267530

この記事へのトラックバック一覧です: 単行本出版の経緯 その2 働きながらの勉強と高校での物理の授業:

« 単行本出版の経緯 その1 プロローグ | トップページ | 単行本出版の経緯 その3 教える立場になって »