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西原理恵子「この世でいちばん大事な『カネ』の話」を読みました

 西原理恵子「この世でいちばん大事な『カネ』の話」が、昨日Amazonから届いて、一気に読みました。この手の本はあまり読まないのですが、今回はある方に勧められて読んでみました。

 面白かったですね。

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 西原理恵子氏の幼少時代から今日までのことが、自伝風エピソードとして書かれていてます。『カネ』が人の生き方や人間関係にどのように絡んでくるのかが、話の筋というかテーマです。

 地方都市のどうしようもない貧乏と、貧乏ゆえに苛立ちひずんでいく人間関係。しかも、時代を経て再生産される貧乏のスパイラル。これらが「それってあるよな」と思わせる筆致で次々と出てきます。

 第1章のはじまりは「カネはいつも魚の匂いがした」で、釧路の漁師町に育った私には、さんまとイカの匂いがよみがえるほどにリアルでした。

 読みながら「これ俺にもある」とか「隣の家はまさにこれだったな」とか「いやいや、まだまだ甘い。もっとすごいの知ってるぞ」とか・・・要するに、自分の記憶を呼び覚まされ、筆者といつの間にか対話しているのです。

 私は、中学から高校のころ、家の中や周りで起きていたいさかいやゴタゴタ、そんな中での自分の立ち位置などで、気持ちは大きく揺れてた時代があります。正直具体的には書きたくないようなことがいろいろありました。根幹は貧乏だから経済学を学ぼう(経済学は貧乏をなくす学問だと思い込んでいた)と思っていたこともあり、また赤貧の中から名作を残したゴッホにあこがれて画家になろうと考えたこともあります。結局どちらも貫くことなく、今日に至るわけです。

 私が本当に「カネ」で追い詰められたのは、30代前半。そのとき偶然出会ったのが非破壊検査技術でした。

 どん底から西原氏は這い上がっていくのですが、そこがこの本のハイライトでしょう。美大予備校でデッサン力のなさ(上には上がいる)を思い知らされる、イラストの仕事をもらうために出版社をまわる…このあたりの体験も膝を打つものがあります。そうだろうなぁ・・・。

 この本もそうなんだけれど、悲惨な状況を書きながらそれを常に笑いのネタにする、それが視点を逆転するポイントなんでしょう。笑いって泣くことよりずっと知的な行為で、どんなに状況が悲惨でも、笑う隙間をほんの少し残していれば、自分と周りを客観視することができる。この本は、こ難しいことを言わずにそのことを実例で示していると思います。

 どん底というのは、借金がいくらあるとか、ものが食えない日が何日あったとか、人としゃべらない日が何日あったとか、客観的な指標で表されるものではたぶんないでしょう。後戻りができないと思うこと、このままでいるのはあまりにもみじめと思うこと、そういう相対的主観的なものがどん底だと思います。

 どん底なんて体験しないほうがいいに決まっている。でも人生なんて、落とし穴がいっぱいあっていつどん底に落ちるかもしれない。そんな時、かたわらにこんな文庫本が1冊あれば、勇気がわくよな・・・・そんなことを思わせる1冊でした。

 なかなか面白い本で、お勧めの1冊です。

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ポイントはいつになく高いのですが、現在2位です

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