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学歴詐称と富士宮のタクシーの運転手さん

 14日にホテルの窓から快晴の青空を見て「富士山を見に行こう」と思いついて、富士宮市に向いました。富士山を見る場所は他にもたくさんありますが、富士宮市に行ったのは、25年前に富士宮市で見た富士山が脳裏に焼きついていたからです。

 「管理者養成学校」「13日間地獄の訓練」というのがあって、当時勤めていた会社から業務命令で、行かされたのです。

 13日間泊りがけで外部との連絡を遮断されて、「訓練」を受けるのです。40km夜間行進、素読、共感論争・・・等々の訓練項目をクリヤーすることが課せられます。精神的肉体的に追い詰めて、追い詰められたところで出てくる人間の弱さを衝いて「強い管理者」を作っていくという短期集中型訓練です。

 その中に「街頭歌唱」というのがあって、富士宮駅前の歩道橋の上で、たくさんの人通りがある中で「セールスガラス」という歌を大声で歌わされる訓練がありました。羞恥心を捨てることが求められているようです。幸か不幸か羞恥心は薄いほうでしたので、他の人よりは楽でしたね(笑)。

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ここですよ、見覚えがあります。右手がJR富士宮駅。ここで歌いました。

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 あてにならない地図を持たされて、夜間40kmを歩く40キロ夜間行進は、夕刻出発するのですが、そのとき目の前の大きな富士山が真っ赤に染まっていたのです。

 40歳50歳の大人の男がそのつらさに耐え切れずボロボロ泣き出す人が何人も出てきます。中には「脱走」する人もいました。

 富士宮駅前から乗ったタクシーの運転手さんに「管理者養成学校は今でもやっていますか」とたずねました。

「24時間働けますか」のリゲインのコマーシャルが流れていたころです。あんなのもう流行らないでしょうから、なくなっているのかと思ったのです。最近CMも見ませんしね。

すると「今でもやっていますよ」との返事。

ネットで調べると、ありましたね。こちら

そこで、「脱走」の件を聞いてみました。そこから出てきた話は、とても面白い。様々な人間模様がありました。「東京まで」「名古屋まで」なんて人もざらにいて、タクシーの運転手さんにとっては「良い客」だったようです。

 「でも最近は少なくなったねぇ・・・」と運転手さん。「なぜ?}と聞くと、「だって脱走したら会社を首になるか辞めなければならないでしょう」。「それはそうだけれど、そんなことは私らのころも同じでしたよ」というと、「そうだけれでど、今は再就職だってできなくなりますからねぇ・・・・」

まぁ、会社の命に反してでも脱走して自分の道を切り開こうという気概があれば、たかだかあの程度の訓練に耐えられないはずがないという意味で、納得しました。それだけ世の中の方が厳しいわけですよね。

15分程度でしたが運転手さんの話は面白かったです。

今でも覚えているのは、修了式のとき校長だったと思いますが、『あなたたちの最終学歴は「管理者養成学校」です。誇りをもってこれからの人生を歩んでください』という主旨の訓示がありました。

私はそのとき、「冗談じゃぁない。自分で望んできたわけではない。業務だから来たんだよ。特に自慢できるほどの学歴はないけれど、ここを最終学歴にするなど真っ平だ」と思ったものです。

以来私は「学歴詐称」の罪を犯し続けています(笑)。この罪を逃れるには、「老人大学」にでも入学するしかないかもしれません。

四半世紀の月日が流れると、そんなことも懐かしく思い起こされるから不思議です。富士宮市の駅前は、当時と比べてずいぶん人通りが少なくなっていました。雑踏ということばは使えない雰囲気です。

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コメント

おはようございます。
僕も某白アリ消毒屋でその研修を受けました。ちょうど今頃の季節。そのあと同じ研修所で最低3カ月の営業実習があり(日曜は休み)、売り上げ目標額を達成するまで研修所を出られないのでした。
当時はバカな研修と思っていましたが、それをクリアしたからこそ今があるのかもしれないと思う部分もあります。
そうして、それは忘れられない思い出です。

投稿: niwatadumi | 2012年11月18日 (日) 06時19分

niwatadumiさんと「同窓」でしたか。

色々な人がいましたね。群馬県のホテルの支配人、置き薬の営業マン、某研究所の研究員。プロ野球に入団が決まっていた投手という人もいました。
私もクダランと思っていました。
でもこれだけは・・・。
20キロ夜間行進のときに、これは2人で歩くのですが、私たちは道に迷ってしまい、結局その倍の40キロぐらいを歩きました。
最初は口には出さないけれど、「お前のあの判断が違っていたからこんなことになっただろう・・・」と思っていました。多分お互い様だったでしょう。
日付が変わるころ、もうへとへとになっていましたが、「出発点に戻ってやり直しましょう」というと、相方も「僕もそう思っていました」と笑顔になりました。あの瞬間は今でも忘れられないですね。

投稿: SUBAL | 2012年11月18日 (日) 07時51分

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