« 木を見て森を見ず 非破壊検査機関誌表紙のいたずら | トップページ | 『福島原発で何が起こったか』 事実の確認から »

飛行機翼の除氷と防氷

 先日新千歳空港で飛行機の乗ろうとしていた時のことです。翼に高所作業車が接近してきました。

Img_1337

 翼の除雪をするのかな、と思ってカメラを向けたら、どうも違うようです。どう見ても翼の上に雪はありません。氷を取り除く除氷剤の散布だな、と思いました。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ
ポチッとクリックで応援

 座席について、窓の外を見るとまだ作業中です。まだドアはあいていて、電子機器使用禁止のアナウンスはありませんでしたから、写真をパチリ。

Img_1339

 3つのノズルから液体を散布しています。

 離陸を開始してから、翼を観察していると、奇妙なことに気が付きます。飛行機がスピードを上げていくと、翼の上の液体が空気の流れで流されていきます。機体が離陸しても翼の上の液体はゆっくりと流れていきます。離陸速度は少なくとも時速200km以上300km/h程度あるはずですからね。秒速80メートルの風にさらされているのと同じです。水だったらアッという間に、吹っ飛んでいるはずです。

 離陸して上昇している間も、翼の上には液体の作る微妙な縞模様がゆっくりとしたスピードで動いています。

 液体が翼の上から目視で見えなくなり翼表面が見えたのは、シートベルト着用サインが消えたころでした。結構頑張っていた。その様子を写真に撮りたかったけれど、CAさんに怒られてもね・・・自粛しました(笑)。

 相当に粘性の高い液体です。この液体は「スノーバー」と呼ばれているものらしいです(こちらのブログ)。エチレングリコール(ethylene glycol:C2H6O2)水溶液、不凍液ですね。除氷剤ではなくて、防氷剤として使うときは、水で薄めることなく100%で使うようです。

 翼の先端部(リーディングエッジ)のところは、特に氷がついてほしくないところのので、小型機ではゴム製のチューブが張り付いていて、そこに空気を送り込んでふくらますデアイサ・ブーツを装着している機体もあります。大型機では、ジェットエンジンのコンプレッサー(圧縮機)からの暖かい空気をリーディングエッジの内側に送り込んで、温めることで除氷・防氷を行っています。

 このあたりは、「トコトンやさしい航空工学の本」で図解されています。

Img_1412

Img_1411

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ
現在1位です

|

« 木を見て森を見ず 非破壊検査機関誌表紙のいたずら | トップページ | 『福島原発で何が起こったか』 事実の確認から »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

航空宇宙」カテゴリの記事

コメント

今日、新千歳空港から離陸したとき、見ました!液体が翼の上をしばらく流れ続けていたので不思議で、検索してきました。ありがとうございました。

投稿: とく子 | 2014年1月 2日 (木) 20時09分

とく子 さん コメントありがとうございます。

この時期新千歳空港で見ることができますね。エチレングリコールが、翼上の空気の流れに呼応して作る模様はなかなかに興味深いものがありますよね。

投稿: SUBAL | 2014年1月 2日 (木) 20時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222291/56629940

この記事へのトラックバック一覧です: 飛行機翼の除氷と防氷:

« 木を見て森を見ず 非破壊検査機関誌表紙のいたずら | トップページ | 『福島原発で何が起こったか』 事実の確認から »