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COW (Crude Oil Washing 共油洗浄)

  国家石油備蓄基地の見学に行ってきた話の続きです。

 タンクは消防法の定めによって、定期的に開放検査をします。

  タンク内を検査するためには、貯蔵してある原油を別の場所に移送しなければなりません。そのための配管や移送ポンプはあらかじめ設置してありますが、問題は底から1~2m程度の高さに堆積しているスラッジと呼ばれる油泥の移送と、タンク内のクリーニングです。

 従来は、既設のポンプでできる限り移送して、あとはマンホールを開放して人が中に入ってトンボと呼ばれる木製の道具を使って掻きだすといった原始的ともいえる工法でした。文字通り人海戦術。

 私も一作業員としてやりました。耐油性の胴長を履いて活性炭入りの吸収缶が着いたガスマスクをつけて、水蒸気と石油ガスが立ち込めるタンクに入り、場合によってはひざ上にまでなる油泥の中で板に木の棒がついただけの「トンボ」をひたすら押し続ける。

 1時間もやれば疲労とガスにやられてフラフラになります。人間のやる仕事か、と思いましたね。

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 苫東の備蓄基地での最初にタンク開放工事は、1985年民間備蓄(共備)のT8でした。これは在来工法で行われましたが、大失敗でした。

 そこで、人がタンク内に入らずにタンクをきれいにする方法として、共油洗浄(COW:Crude Oil Washing )工法が検討されました。牛ではありませんが「カウ」と言っていました。

 貯蔵してある原油を使って原油タンクを洗浄しようという工法で、タンカーで考え出された工法です。これを地上のタンクに適用して、タンククリーニングの機械化をしようということです。「地上のタンクに適用」と北国というところにいくつものハードルがありました。今でも「ドバイ」と聞くと特定の油種をさしていて、ぞっとします。

 開発プロジェクトが組まれ、私もメンバーになりました。本当に文字通り寝食を忘れて取り組みました。

 紆余曲折はありましたが、14番タンクでマンホールを開放したときに底板のコーティングの青緑色が見えたときには、感動しました。

 見学に行ったときに、COW工事の機器のセッティングが行われていました。

Dscn1766

Dscn1767

 四半世紀前に、私はあのタンクヤードにいました。

 YOUYUBEにCOWの説明がありました。

イメージとしてはこんな感じ。

 こちらの方が詳しく説明しています。

 この経験は、ずいぶん自分をたくましくしたと思います。事故はありませんでしたが、あわや大事故という瞬間はありました。

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