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「磁粉探傷に用いられる装置の周囲温度は25±5℃」??

 JSNDIの機関誌『非破壊検査』(Vol.62)が届きました。

 表紙の写真は、車のホイールのレーザーによる3次元測定ですかね。

Img_1850

 この号の特集解説のタイトルは「非破壊検査・試験の規格の動向(標準化委員会からの報告)」です。

 JISが発行されたり改正されたりする前に、どのような方向で考えられているのかが私のような末端に知らされることはこれまでほとんどありませんでした。規格は、当然いろいろな意味で現場を縛りますから、気になるんですね。

 早速一番気になっていた磁粉探傷(MT)の項を読みました。

 ウム・・・・田舎のじじいの杞憂であれば良いのですが・・・・。

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 MTは6年前にJIS G 0565が廃止されてISO 9934-1に準拠したJIS Z 2301-1~3が制定されました。

  このJISは、2つの規格(JIS G 0565とISO 9934)を文字通りはさみとのりを使って「切って貼った」だけ。私にはやっつけ仕事にしか見えませんでした。JSNDIがその後発刊したMTレベル3のテキストには、2つの規格の技術的な背景や関連を説明する記述はゼロ。おまけに筆者が規格を読み間違っているといった、「静かな混乱」が見られたのでした。

 今回機関誌に掲載された解説記事を読むと、2つの規格の間にある溝を埋めようとする努力がなされているのかなという印象を受けます。この間のMT関係者が行った実験や検討の一端を全く知らないわけでもありませんので、その御努力には敬意を表したいと思います。ただ、やはりいくつかの懸念はある。

今回の解説でもっとも気になったのが次の一文です。

「磁粉探傷に用いられる装置の周囲温度は、日本国内でなじむように、JIS Z 8703(試験場所の標準状態)での温度25±5℃とした。」

 エエエ!!北海道では、夏場だって朝夕は20℃を切ることがあります。工場内で行われているMT、屋外かそれと同等の環境で行われている溶接部のMT、多分半年以上は20℃を切ると思いますよ。夏場だったら逆に30℃を超えることもある。

 非破壊試験は、冷暖房が整った試験場や研究室で行われるものではありませんからね。多分「特殊な状況で実施することも排除するものではない」といった文言が入るのでしょうが(入っていないとしたら『トンデモ』ですが)、そもそも温度25±5℃に決めること自体がおかしいと思います。

「標準状態」と「用いられる装置の周囲温度」という用語の間に微妙なずれがあるようにも思います。

 実験データを示せと言われてすぐに出せるものはもっていませんが、経験的な勘から言って20℃を下回る環境で検出精度が急に落ちるということはありません。そんな装置と方法は使えないんですよ。

 JISに妙な文言が入ると、それが独り歩きすることがあります。現場の実態と技術的な検討に踏まえて慎重に検討をしてほしいと思います。

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