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エコー高さ区分線作成で陥りやすいミス

 非破壊の資格試験で学科試験が受かった人たちの2次(実技)試験が全国で実施されています。

 超音波探傷では、レベル1でもレベル2でも垂直探傷と斜角探傷の課題が与えられます。どちらも、正しい手順で基本どうりの探触子走査が行えれば、特に難しい試験ではありません。

 斜角探傷の方が手順が多くて難しそうに見えます。長年の指導経験から言うと、斜角探傷では「距離振幅特性曲線によるエコー高さ区分線(通称DAC)」がほどほどに描けれるところまでの技量があれば受かります。

初心者が陥りやすいミスの例を示します。STB-A2を使ったDACであれば、おおよそ次のような右下がりの区分線が描ければよいのです。

A2dac1

 ところが1.0Sの点が「くびれない」次のようなDACを描いてしまう人がいます。

A2dac2

 このようなDACを書いてしまった人から「2点目の1.0Sの点を修正することはできますか?できるなら教えてください」と乞われることがあります。

 1ポイントだけ修正する方法は実はあるのですが、たいていの場合その方法は教えません。「すべてのポイントを削除して最初からやり直してください」と言います。

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 「姑息なことを考えずに、素直にやり直せ」といった精神論で言っているわけではありません。こういう場合、上手くとれていいないのは、1.0S点ではなく、最初の点である0.5S点である場合がほとんどなのです。

Dac

 この図は、超音波ビームの進行方向に直交方向での音圧の分布を示しています。要はビーム路程が短いところの方が音圧のピークが鋭い、ちょっとずれただけで最大エコー高さから大きく外れる可能性が高いのです。

 距離(ビーム路程)が長くなれば、超音波ビームは拡散していく、次第にぼやっとしていくわけですから当然なのです。

 0.5Sで最大エコー高さをとらえそこなっているからゲインが高くなって、1.0Sと1.5Sのエコー高さが高くなってしまうのです。

 0.5Sできちんと最大エコー高さをとらえることが肝心です。先のミスで、1.0S点の修正という方向に行くと時間の無駄であるだけではなく、迷路にはまって抜け出せなくなる可能性があるのです。

 DACの作成には、このほかに最初に探触子を置く位置、探触子の保持の仕方、包絡線がイメージできるように大きく素早く探触子を走査することなど、いくつかの注意すべき点があります。「実技参考書」や「超音波探傷入門」テキストに書いてありますので、今一度確認してみてください。

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