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鋼管柱の地際腐食の非破壊検査

 先日、自転車で市役所に行きました。花や木々に茂るの青葉を見ながら初夏の北海道の風を受けながらのサイクリングは気持ちが良いものです。こんな時仕事のことは普通考えませんが、ついつい目がいってしまいました。

 苫小牧市を東西に横断する国道36号線にかかる横断橋の下に鉄柵がしてありました。

Img_4349

何だろうと見ると、階段の裏側の塗装が剥げて腐食しています。

Img_4352a

 腐食が進行すると、板の厚さ(我々の業界では肉厚と言います)が薄くなると、強度が低くなって、足を踏み抜く、上から破片が落ちてくる可能性が出てきます。多分そのことを心配しての鉄柵だと推測できます。

 それはそれで良いのですが、こうして見えるところはまだ気をつけようがあるからいいんですよね。私の眼にはこちらの方が危ないように見えるのです。

Img_4351b

 歩道橋全体を支えている鉄鋼製の柱です。一見綺麗に見えますよね。

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 近づいてよく見ても、ちょっと錆は見えますが、階段下の腐食に比べるとずっとましに見えます。

Img_4351a

 でも、こここそ注意しなければならないところです。いわゆる地際腐食というやつです。金属の腐食は、金属イオンが酸素と結びついて酸化物になっていく現象です。詳しい説明は避けますが電気化学反応のひとつです。

 このように地中やコンクリートに埋め込まれた鉄柱の場合、地面から数百ミリのところが(地際:じぎわ)が最も腐食しやすいのです。ここが腐食でぼろぼろになると、少し強い風が吹いた時とか、弱い地震が来たとか、歩道橋に少しいつもより多い人が乗ったとかというときに、小さな揺れで突然倒れることがあります。実際に事故も起きています。

 これまで、この地際腐食の程度を有効に検査できる非破壊検査方法はありませんでした。こちらのYahoo知恵袋(『組立鋼管柱(パンザーマスト柱)の地際腐食診断手法を教えてください!』)にあるように、掘ってみるしかなかったのです。

 ニチゾウテックと中国電力の長年の研究開発の結果この地際腐食を超音波で検査するシステムが開発されて、公開されています。このHPでは照明柱を例にしていますが、照明柱に限らず埋設された鉄柱鉄管の地際腐食の検査に適応できます。

 ニチゾウテックに問い合わせていただいてもよろしいですが、NDI JAPANはこのシステムの北海道における窓口にもなっています。

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コメント

経済成長期の大型構造物の経年劣化が問題視されているこのごろですが、公園遊具に多用されている鋼管柱や道路脇の照明柱、商業施設のデザインポールを含め、町で見かけるような鋼製品もいよいよ経年劣化が露見してきた感がありますね。かつて僕もブログでとりあげましたが、柱モノは内部腐食の心配もあって、ニッチな非破壊検査ターゲットだと思います。

投稿: niwatadumi | 2014年7月 7日 (月) 23時41分

niwatadumi さん

地際の腐食検出と評価はこれまでの非破壊検査技術では有効な手段がありませんでした。SH波を使うと地際腐食からのエコーが現れることは知られていましたが、評価に結び付けるのはいくつかの問題点がありました。地道な研究によってようやく実用に耐えるところまで来ています。改めて身の回りを見ても、地際腐食が疑われる鋼管柱はたくさんあります。ちゃんと点検しておかないと危ないなと思います。

投稿: SUBAL | 2014年7月 8日 (火) 00時30分

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