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飛行機の翼に燃料を搭載する理由(わけ)

 『雑誌ニュートン』にこんなイラストが掲載されて、《飛行機の燃料が翼の中にためられる理由とは?》という説明がされているようです。

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 「ためられる理由」は翼の中が空洞で燃料タンクを作れるからなのですが、「ためる理由」ということなんでしょう。

 ニュートンでは2つの理由を上げていますが、その一つはこうです。

「飛行中,主翼には上向きに『揚力』がはたらきます。この力は,機体全体の重量に相当する巨大な力です。一方で主翼には『重力』という下向きの力もはたらきます。仮に,燃料を胴体に積んだとすると翼の重量が小さくなるので,その分だけ主翼のつけ根に作用する荷重は大きくなってしまいます。しかし,燃料を翼に積めばその燃料の重さの分だけ,主翼のつけ根に作用する荷重を小さくすることができるのです(イラスト参照)。」

曲げの力の説明がう~ん?というところなどがありますが、意外と知られていないことを分かりやすく説明しています。

 これに対して、こんな疑問が投げかけられました。

 「燃料が無くなれば、その分下向きの力もなくなってそのとき結局翼に大きな力がかかるのでは?」(実際の質問文を若干変えています)

 材料や構造にとってそこにかかる最大の力(応力)が壊れる壊れないにかかわるので、この疑問は当然と言えるでしょう。

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 この疑問に対するストレートな答えは、飛行機にとって突風とかの異常な条件を除けば、最も大きな揚力が生じるのは離陸の時だということです。

 このもっとも翼にとって過酷な条件の時に翼に搭載された燃料は、翼に生ずる曲げモーメントを緩和する役割を果たしているといえるのです。

  1.  上昇の時は巡航(平行飛行)より翼に直交する揚力成分は大きくなる
  2.  離陸の時は燃料が最大に搭載されている

 機体によっては機体重量の内40%が燃料という場合があります。燃料が少なくなっていくと、燃料分の下向きの力も小さくなりますが、総重量も小さくなってその分とバランスしている揚力も小さくて済むわけです。 

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 『トコトンやさしい 航空工学の本』(日刊工業新聞社)には、この辺の話題もやさしく取り上げています。「浮く力を得る工夫」というサブタイトルの「翼と揚力」、「エンジンに燃料を送ればよいというものではない」というサブタイトルがついた「燃料系統」の項目とあわせて読むと面白いと思います。

 はい、ちょっとばかり本の宣伝です(o^-^o)。

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