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アンカーボルトの腐食の点検

 昨日札幌で看板を止める金具が落ちて下を歩いていた女性に当たり、意識不明の重体になったという報道がありました。私も、時々通る場所です。他人事ではありません。

 重さ25kgの金具が落下して頭を直撃したら、それはたまりません。

 コンクリートに埋め込んだボルトに何かを取り付けるということは良く行われていることです。このようなボルトは当然経年劣化します。腐食によって断面積が減少すれば、外力に耐えられなくなって破断することは、当然予想されることです。

 都合の悪いことに腐食でやられやすいのは外側からの目視検査では見えにくいところなのです。外観目視では見えないところでボルトがやせ細ってしまうことは良くあることなのです。

 したがってちゃんと管理しているところでは、定期的にナットを緩めて点検しています。ただしこの点検には、足場やクレーンが必要だったりして、手間と費用が掛かります。そのことから見てみぬふりをしているところもあるはずです。

 超音波を使えば、比較的容易にチェックが可能です。

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 ここで紹介するのは、私もかかわっているニチゾウテックの技術です。

 露出しているボルトの端部に超音波を送受信する探触子を当てるだけで、ボルトの欠損部の有無程度を判定することが出来ます。

  超音波を少し斜めに入れることがミソです。真直ぐ超音波を入れる方法に比べて、腐食による損傷状況が良くわかります。

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 腐食されていない場合はこうなります。

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 ナットとコンクリートの隙間部分が腐食されやすいのですが、腐食され始めの場合です。

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 重症の状態です。

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 そのほか、腐食部からき裂が進行しているパターンとか局部的に腐食が進行しているパターンとか、外観では判断できないボルトの状況を超音波波形から読み取ることが出来ます。

 このシステムは株式会社ニチゾウテックと住友金属建材株式会社の特許です。

 私としては、痛ましい事故が起きる前に活用できる技術は活用してほしい。強く思います。

追記:

 この事故について、「札幌かに本家」が建築基準法に基づく点検報告をしていなかったことが報道されています。

 建築基準法に基づく点検の内容ですが、建築基準法第十二条第一項に規定する調査の項目で「外壁に緊結された広告板、空調室外機等」のところを見ると、「必要に応じて双眼鏡を使い目視により確認し又は手の届く範囲をテストハンマーによる打診等により確認」とあります。

 双眼鏡による確認でボルトとコンクリートの境で進行する腐食を見つけられるとは到底思いません。テストハンマーによる打診で通常検出できるのは、相当に劣化が進行してからです。

 「報告を怠った不心得者を罰する」といういつものパターンで終わらせることなく、この点検方法でこの事故は防げたのか、きちんと検証してほしいと思います。

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