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資格試験に挑戦する無資格者の『経験』

 日本非破壊検査協会(JSNDI)の認証事業本部は、この業界を目指して専門的な勉強をしている学生に資格は与えないという理不尽な決定をしました(こちら)。この決定に対しては、戸惑いや失望・憤りが起きています。抗議と見直しを求める声が、JSNDIに届けられているとの情報もあります。

 非破壊検査資格には、レベル1・レベル2・レベル3の3段階があります。最初の資格であるレベル1資格に挑戦する人は当然無資格です。レベル1を持たずにレベル2に挑戦することもできますから、この人も無資格者です。

 これらの人たちの「NDI経験」の証明方法として、JSNDIは「JIS Z 2305:2013 による新規認証申請実施案内」という名の文章の中で、「技法・機器・材料」のリストを提示して、使用したものすべてにチェックを入れることを求めています。いくつチェックがあればよいのかは提示していません。掲載されている例は、放射線透過試験です。

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 探傷試験に使う技法・機器・材料ですね。

 レベル1資格の挑戦者が、これらを検査行為として使ったとしたら、無資格者の検査ということになります。日本非破壊検査協会は、「無資格者の検査業務」を認め奨励するだけではなく、積極的にその記録を出せというのでしょうか。

 無資格者である資格試験挑戦者たちは、たとえ検査会社に所属していたとしても検査業務は通常できません。無資格者ができるのは検査補助業務だけです。

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 検査補助業務とは、具体的にどのようなことか以前に書きました

 これをもし「経験」と認めるのであれば、このような内容の「経験」は専門学校の学生も経験しています。

 もちろん、専門学校というのは実務に即した教育をしていますから、このチェックリストにチェックはできます。かつて放射線透過試験を専門学校で教えていた記憶をたどって、チェックしてみました。

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 11個チェックできました。常識的に考えて、検査会社の従業員がこのチェックで申請したとしたら、不可になるとは思えません。超音波探傷でも同様なことになると考えられます。専門学校の学生が、このチェックをして、認証申請をしたら、認証事業本部はどのような判断をするのでしょうか。

 「学生」であるという理由で「不可」という判断をするのでしょうか。それは経験の有無やその内容による判定ではなく、、学生という身分による差別的な扱いです。職業の選択を妨げることにもなるジャッジにこのような身分差別が許されるのでしょうか。このようなことは日本国憲法に抵触するのかしないのか、司法関係者の見解を聞いてみたくなりました。

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JIS Z 2305 「非破壊試験技術者の資格及び認証」が2001年版から2013年版に変更されるにあたり、受験者の金銭的負担が大きくなるのはどうなの?と不満を吐いてはみた(→ http://niwatadumi.at.webry.info/201312/article_1.html )ものの世間の波に流されて、あっという間にあれから2年…。... [続きを読む]

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