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Grating LobeとElement Pitch

 超音波探傷でフェーズドアレイ(Phased Array)探触子を使う機会が増えているようです。何と言っても探傷結果が素人目にもわかりやすいですからね。

Phased_array

谷村康行『絵とき 超音波探傷 基礎のきそ』日刊工業新聞社より

 フェーズドアレイを使う際に気を付けなければならないポイントがいくつかありますが、そのうちのひとつに、グレーチングローブがあります。PZTなどの通常の振動子では出ないものです。

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 波長とエレメントピッチ(Element Pitch)の関係で出現します。

Element_pitch谷村康行『絵とき 超音波探傷 基礎のきそ』日刊工業新聞社より

 私がこのブログでフリーソフトとして公開している『Ultrasonic Beam』と『Sound Field by Phased Array』では、エレメント数を20に固定して、振動子寸法(開口幅)に合わせて均等配分して、波の重ね合わせの原理を使って超音波ビームを描いています。

 このため、波長が短くなり(周波数が高くなるか媒質の音速が遅くなる)振動子サイズが大きくなると、グレーチングローブが出現します。エレメント数を増やせば出なくなることはわかっていましたが、そうすると描画速度が落ちますので、あえてやらずにいました。

 最近あるところで議論をして計算速度を落とさずにエレメント数を増やす方法を教えてもらいました。

 やってみました。

Grating_lobe_1

 従来の方法では、この設定ではグレーチングローブがたくさん出現します(上の図)。エレメント数を5倍にすると、グレーチングローブは消えます(下の図)。描画時間は、エレメント数を5倍にしても、以前の約半分(約6秒)です。

 水中10MHzでElement Pitchを0.5mmにしたら、グレーチングローブは出ないのかというと、そうではありません。 

Grating_lobe

 集束度が効いてきます。さすがにElement Pitch 0.127mmは現実的ではないでしょう。Phased Arrayで集束設定をするときには注意しなければ、グレーチングローブによる虚像に悩まされることになりかねません。

 ソフトウエアにエレメント数を任意に設定する機能を付けて、直感的にグレーチングローブの有無を確認できるようにしました。面白い。勉強になる(゚▽゚*)。

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