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American Airlines 383便事故 その2 タービンディスクの破壊

 American Airlines 383便の事故は、ボーイング767型機に搭載されていたターボファンエンジン(CF6-80C2:GE製)の高圧タービンディスクが疲労破壊した事故でした。

Cf680c2

 FAA NTSB事故報告書(DCA17FA021)より

 CF680C2はポピュラーなエンジンで、私が航空専門学校の教員時代に教材としてCGを作ったエンジンでした。

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Modulardesign

 中のローターが見えるようにカットモデルにしたCGです。ターボファンエンジンは前方から取り込んだエンジンをコンプレッサ(圧縮機)で高圧にして、そこに燃料を投入して燃焼させて後方に噴流(ジェット)を噴射させます。この噴流のエネルギの一部をタービンで回収して、圧縮機を回す動力とするとともに、再前方のファンと呼ばれる大きな羽根を回します。

 ローターと呼ばれる回転体は、ロープレッシャーモジュールと

Fanmodule

 ハイプレッシャーモジュールの

Hpmodule

 2塾になって回転しています。ロープレッシャーモジュールとハイプレッシャーモジュールでは回転数が異なり、ハイプレッシャーモジュールでは1分間に7~8000回転もします。

 圧縮機もタービンもブレードと呼ばれる羽根が回転の土台となる円盤状のディスクに取り付けられて回転しています。

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 今回は高速回転するハイプレッシャータービン第2段目のディスクが離陸途中に割れて飛び散ったのです。

Hpcut 

Hpmodule2

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 現代のエンジンは、羽根(ブレードが壊れて飛んでもエンジンのケースの中に納まるように設計されています。しかし、ディスクが割れて飛び散った際にはケースの強度を超えてしまい外に飛び出てしまいます。

Fig27

 FAA NTSB事故報告書(DCA17FA021)より

今回は大きな破片が機体を直撃しませんでした。このため重大事故にもかかわらず死者は出ていません。

 ディスクは絶対に割れてはいけない部品だったのです。

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