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非破壊検査での合否判定基準は手順書を作成するレベル3が設定するものなのか?

 少々驚いた情報が入ってきました。日本非破壊検査協会(JSNDI)が実施する非破壊検査技術者技量認定試験の中で、レベル3技術者の2次試験ではF問題といわれる手順書に関する問題が課せられます。ここが難関だといわれています。

 私のもとに質問が来ました。『浸透探傷試験(PT)レベル3の2次試験のF問題で、ここ数年立て続けに「合否判定基準を各自設定せよ」問われ方をしているので、どのように答えたらよいのか?』という質問です。私は耳を疑いました。出題側の仕様書に「合否判定基準」が示されていないのかと問い返しましたが、無いようです。受験者(手順書を作るレベル3という想定)が自分の判断で合否判定基準を作れということのようです。ものは毎回違うようで、2019年春ではφ30×H40㎜のTi-Al製自動車用ターボチャージャーのタービンだったとのことです。

 例えば「長さ2㎜を超える線状指示模様は不合格」と書いたとしたら、これは正解なのでしょうか?「長さ0.2㎜未満の割れは合格」としたらどうでしょう?

 何をもって正解不正解を判断するのか、私の常識では全くわかりません。私が受験者であれば、「示された情報の範囲では合否判定基準を定めるには十分ではないが、それ以上にまた手順書を作成するPTレベル3には合否判定基準を決める技量は求められません」と書くでしょう。私は不合格になるんですかね?

 PTレベル3のテキストを見たら、

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 こんなのがありました。驚きました。PTレベル3のテキストの筆者は『手順書』を「社内文書」としています。もしかしたら、PTレベル3の試験問題を作っている人も同じ認識を持っているのかもしれません。おそらく『手順書』と『NDT指示書』の区別がついていないのでしょう。だとすると「手順書」というものを知らない人が手順書に関する出題や採点を行っているのではないのか?とんでもないことです。

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Mt3t

 これは、MTレベル3のテキストに掲載されている図です。この図では技術文書がそれを書く人と渡され受け取る人との関係で位置づけらています。手順書は仕様書と同様に契約文書として位置づいています。合否判定基準を設定するのは、発注側の責任です。発注側がやらないから受注側が忖度して設定するべき性質のものではないのです。

 PT3のテキスト「手順書=社内文書論」も、合否判定基準の設定をF問題で問うことも間違いです。

 資格試験の内容を一部の人で作って、内容を事後にも非公開にしているひずみが出ていると思います。資格試験の事後の公開と、非破壊検査の実情を知っている第3者による監査を要求します。

 9日には2019年秋のレベル3二次試験が実施されるようです。改善されていればよいのですが…。

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コメント

製品に関するあらゆる情報のみならず発注側の損益分岐点まで知らないと、僕には合否基準を決められないなァ…レベル3返上かなぁ…(-ω-;)

投稿: niwatadumi | 2019年11月 6日 (水) 22時14分

この試験問題を見ていると、非破壊検査の合否判定基準はだれがどのように決めるものなのかをご存じない方が、出題しているという感じがしています。
私はとんでもないと思います。
9日には2019年度秋季PTレベル3Ⅱ次試験が実施されるます。情報提供歓迎します。

投稿: SUBAL | 2019年11月 7日 (木) 08時40分

11/9にPT-3を受けてきました。パートFですが、L=250mm、重さ7kgのタービンブレードでした。
微細なきずの検出が必要等だったので「後乳化性蛍光探傷試験-乾式現像方法」で書きました。
問題としては、「どの探傷法を選択するか、またその理由」、「検査従事者の資格と複数で行う場合はその役割分担」、「使用機材」、「探傷剤の選定(具体的にメーカー名など」、「手順(浸透処理~観察まで)」、「判定の基準」、「不合格品の措置」、「検査報告書」だったと思います。(メモしていなかったので不確かですが。。)
判定の問いでは「各部分ごとの判定基準を書け」みたいな感じです。とりあえず「タービン部分は割れ、線状きず指示模様・円形きず指示模様は許容しない、加工部は割れ、線状傷指示模様は許容しない」みたいなことを書きました。
今回で3回目の挑戦ですが、毎回、回答者に判定基準を考え、答えさせられています。
PTの勉強、講習会では「PTの判定基準は、その部材・部品がどのような使われ方をし、どのような重要性を持ち、どのくらいの頻度で交換・修理等が行われるかは、発注者しかわからないので判定基準は客先仕様書に必ず明記されている」と理解していました。判定基準の決定がPT-3技術者の責務とすれば、例えば「円形きず指示模様は、1.5mmまではOK」として合格とした場合、そのきずが原因で重大事故が起こった場合はPT-3技術者の責任になりますよね?私も含め、多くの受験者が疑問に思っていると思います。また、ネットや、周囲で聞かれ、また私自身が体感している、パートFの試験の採点基準の不明確さも大いに問題ありだと思います。

投稿: | 2019年11月11日 (月) 15時16分

 PTレベル3のF問題の情報ありがとうございました。判定基準を検査員の側に設定させる出題だったのですね。
 こんな出題をしているのは、PTだけだと思います。残念ながらレベル3技術者として、手順書を書く実務に携わったことのない人が出題しているのだと考えられます。この間違いに長年にわたって気づかない、是正されないところに大きな問題がありそうです。もう少し情報を集めて、しかるべきところに問題提起をしたいと考えています。
 さらに情報提供を求めます。

投稿: SUBAL | 2019年11月11日 (月) 23時10分

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