科学技術

非破壊検査での合否判定基準は手順書を作成するレベル3が設定するものなのか?

 少々驚いた情報が入ってきました。日本非破壊検査協会(JSNDI)が実施する非破壊検査技術者技量認定試験の中で、レベル3技術者の2次試験ではF問題といわれる手順書に関する問題が課せられます。ここが難関だといわれています。

 私のもとに質問が来ました。『浸透探傷試験(PT)レベル3の2次試験のF問題で、ここ数年立て続けに「合否判定基準を各自設定せよ」問われ方をしているので、どのように答えたらよいのか?』という質問です。私は耳を疑いました。出題側の仕様書に「合否判定基準」が示されていないのかと問い返しましたが、無いようです。受験者(手順書を作るレベル3という想定)が自分の判断で合否判定基準を作れということのようです。ものは毎回違うようで、2019年春ではφ30×H40㎜のTi-Al製自動車用ターボチャージャーのタービンだったとのことです。

 例えば「長さ2㎜を超える線状指示模様は不合格」と書いたとしたら、これは正解なのでしょうか?「長さ0.2㎜未満の割れは合格」としたらどうでしょう?

 何をもって正解不正解を判断するのか、私の常識では全くわかりません。私が受験者であれば、「示された情報の範囲では合否判定基準を定めるには十分ではないが、それ以上にまた手順書を作成するPTレベル3には合否判定基準を決める技量は求められません」と書くでしょう。私は不合格になるんですかね?

 PTレベル3のテキストを見たら、

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 こんなのがありました。驚きました。PTレベル3のテキストの筆者は『手順書』を「社内文書」としています。もしかしたら、PTレベル3の試験問題を作っている人も同じ認識を持っているのかもしれません。おそらく『手順書』と『NDT指示書』の区別がついていないのでしょう。だとすると「手順書」というものを知らない人が手順書に関する出題や採点を行っているのではないのか?とんでもないことです。

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X線CTで見えた日本刀のき裂補修跡

 日本非破壊検査協会(JSNDI)の機関誌10月号が届きました。ティータイムコーナーに私の投稿が掲載されています。

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 9月号では、通常のX線CTでは日本刀の内部のきずを検出することは不可能だといわれていましたが、工夫次第で可能でしたという話でした。10月号では、X線CTで面白いものが見えました、という話です。それがき裂の補修跡です。

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室町時代の日本刀にも酸研ぎ?

 公然の秘密として日本刀の研ぎの過程で硝酸を使うことが行われており、「現代の差し込み研ぎ」とい名前で呼ばれているそうです(FBでの議論を参照ください)。硝酸を使うとハイコントラストな刃文を浮かび上がらすことができます。

 砥石を使う研ぎでは、光線の当て方を工夫してようやく見える淡いコントラストの刃文になります。しかし現在日本刀を展示してある博物館に行くと、光の当て方を工夫しなくてもくっきりとしたハイコントラストな刃文の刀に出会うことがあります。これらは、硝酸を使う「現代の差し込み研ぎ」の可能性が高いようです。私が、先日このブログで紹介した両国にある刀剣博物館で撮影した刀について、硝酸を使うこともあるプロの研ぎ師の方が「酸を用いた研ぎだと思います。」と看破しています。この写真です。

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 次の写真は、別の機会にやはり刀剣博物館で撮影した別の刀の写真です。

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 展示の仕方が異なりますので、刃が上か下かの違いはありますが、刃、刃文(匂口)、地金の濃淡、そのコントラストはほとんど変わりないと思いませんか?この写真はいずれも私のiPadで撮影したもので、特別の照明は使っていません。また撮影後トリミングはしましたが、そのほかの画像処理は一切していません。下の写真は現代刀ではありません。

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小学校同級生と蒲田で語らい

東京で仕事をしています。夏ですね。
昨日仕事を終えた後、蒲田で小学校の同級生と会いました。

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2013年1月に、ある技術的課題をめぐり、56年ぶりに再会した彼です

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今回は私の方が尋ねたいことがあり、昼に電話したら、夕食を食べようということになりました。

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日本刀の非破壊検査その1 X線CTによる断面撮影

 日本非破壊検査協会(JSNDI)の機関誌9月号が届きました。

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 Tea timeというコーナーに『日本刀の非破壊検査その1 X線CTによる断面撮影ときず』と題して投稿しました。すべてをここにアップするわけにはいきませんので、さわりだけ。

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追悼 浦靖則さん

 30日の新聞を見ていて、おくややみ欄に1980年代に出光エンジニアリングの共備事務所所長であった浦靖則さんの訃報を知り、お通夜へ行ってきました。50人弱の人が集まっていました。その中には、1980年代に、苫小牧の石油備蓄基地や出光の製油所あたりで一緒に仕事をした懐かしい顔もありました。

 第2次オイルショックの時に失業をして、職を求めて苫小牧市にやってきてからの約10年間は、主に石油の製油所・油槽所・備蓄基地で働いていました。出光エンジは仕事を発注してくれるお得意さんのひとつでした。まぁいろいろな人がいて元請け下請けの関係で、人知れず舌を噛み握りこぶしを握ったこともありました。浦さんは違いましたね。一人の人間としてエンジニアとしていろいろなことを教えてもらいながら一緒に問題解決に奮闘した記憶がよみがえります。苫小牧市で出会った忘れられない人の一人です。

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 特に、当時国策で出来たばかりの石油備蓄基地、5年に一度の法定点検のためのタンク開放工事の実務を当時40歳そこそこであった浦さんが担い、私が勤めていた会社も協力会社(下請け)のひとつとして参加していました。民間備蓄(共備)のT8を在来工法で実施しましたが、これが大失敗。そのリカバリーを文字通り死に物狂いで行いました。その真っ最中にTVでJALジャンボ機御巣鷹山墜落事故が報じられていました。そしてそのあとのCOW(Crude Oil Washing 共油洗浄)工法の採用。生涯の中でも忘れられない体験です。当時の同僚と同じように、浦さんも共にに奮闘した”仲間”という感じがします。

 直径82m、高さ10m、11万4千kLの原油を備蓄するタンクが、88基。GooglMapで見下ろすと点のようですが、ひとつひとつが巨大です。中でもT8・T3・T14は忘れられません。

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週刊日本刀の迷走と刃文をめぐるネット上の議論

 猛暑の中の東京大阪への出張から7日(水)に帰ってきました。そのダメージからなかなか抜け出せないでいましたが、どうやら良いようです。やはり歳のせいですか、回復が遅くなっています。

 この間に出ていた週刊日本刀の9号と10号を購入していました。

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 100号まで刊行されるそうですが、この10号までの迷走は目を覆うばかりです。創刊号が発売されるときにプロモーションビデオまで作って宣伝されていた『化粧研ぎによって隠されていた刃文をはっきりと浮かび上がらせる』とされた『特殊撮影』は4号で終わってしまいました。4号までの撮影をした池田長正氏は「もうやらない」といっています。公益財団法人 日本刀文化振興協会の特別研究員という肩書の女性が説明するプロモーションビデオは、私の目から見てもでたらめでした。徳川美術館所蔵の村正の刃文を「化粧研ぎのイメージ」と紹介し、特殊撮影によるハイコントラストの刃文像を「作られた当時の」「本来の刃文」と紹介し「これを見るとタイムスリップできる」とまで言っていました。プロモーションビデオはすでに削除されています。

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 出版社の側からの説明は、10号までの時点で全くありません。これで定期購読を勧誘していたわけですから、説明責任はあるでしょう。不誠実です。他の記事もどこまで責任もって書いているのか疑わしいです。

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日本刀の研ぎの過程で硝酸を使うことは公然の秘密として広く行われている

 お笑いの専門集団である吉本興業に、世間常識では考えられないような慣習がまかり通ってきたことが最近明らかになってきています。

 刀剣界の専門集団である日刀保や刀文協にも何それといった慣習がまかり通っているようです。刀の研ぎの過程で硝酸を使ってエッチングをするということが広く行われているようです。しかしそのことは公然の秘密として外部には言わない。それが当然であるという空気があるようです。

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週刊日本刀 刃文の特殊撮影は4号で打ち切り⁉

 定期購読を申し込まなくてよかったのかな?大々的に宣伝していた刃文の特殊撮影は、どうやら4号で打ち切りのようです。

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 こちらのFace Bookで撮影者自らが表明しています。

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 あの『特殊撮影』は池田氏の特許とのことですから、ここまで書いている以上再登場は無いのでしょう。同じFaseBookのコメント欄に池田氏と同じ公益財団法人日本刀文化振興協会役員であり友人という泉 公士朗氏が 池田氏の言として「4号まででやめる」を紹介しています。

Izumi

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週刊日本刀 7号友成も化粧研ぎなのに特殊撮影無!

 週刊日本刀第7号を購入してきました。等身大の刀身写真は友成です。

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ただこの写真、「刃文もはっきりと浮かび上がらせる!」をうたいにした『特殊撮影』ではありません。特殊撮影は創刊号から4号までで、5~7号までは普通の写真です。4号で打ち切りですか?

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