非破壊検査

磁粉探傷装置更新

 本日職場の磁粉探傷装置5台が新しいものに入れ替えられました。JSNDI(日本非破壊検査協会)が試験用の装置として新品を設置したのです。

Cimg2278  設置と点検と検収が行われました。皆さん旧知の仲です。Tさんは、渦電流探傷試験の講師・指導員をされている方でよく亀有の教育試験センターでご一緒します。

 亀有の教育試験センターが移転することになっているので、こんど7月の講習会が亀有での最後になると聞きました。私も7月に行ったら、葛飾柴又の帝釈天に行って「近くでお世話になりました」と挨拶をしてこなければならないでしょう。なんて話をしていました。

 渦電流探傷も超音波探傷も装置がアナログ式からデジタル式に変っているだけでなく、このところ色々な進歩がありますが、磁粉探傷装置は50年たってもそう大きくは変っていないでしょう。

 私が四半世紀前に磁粉探傷の試験を受けたときの装置とこんどの新しい装置、原理はもちろんですが見た目もほとんど変りません。紫外線照射灯(ブラックライト)も、今はメタルハライドランプや紫外線LEDのものも出ているのですが、価格・耐久性などから今回も水銀灯にしたようです。

 来週からの技量認定試験2次試験から使うようですが、一つだけ従来の装置と違うところがあります。

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米国の資格

AIR MAILと赤いスタンプが押してある葉書が届きました。いまどき、外国とのやり取りはメールが便利で郵便物で送ったことも来たこともトンとありませんでした。中学生のころは「ペンパル」なんてのが流行って、私もニュージーランドとフィリピンの女の子とAIR MAILのやり取りをしたことがあります。英作文大変だった・・・なぁ。

Cimg2257 どこからだろうと見ると、米国の非破壊検査協会(ASNT the American Society for Nondestructive Testing)からでした。ASNTからは、一月に一度ぐらいのペースでメールでお知らせが届くのですがね。

内容は私が持っているASNTの資格(ACCP UT・PT Level3)の有効期限が11月に切れるので更新手続きをするように、との案内でした。ASNTが日本のJSNDIの資格との相互認証の試みをしたことがありまして、そのときに申請して取得しておいたものです。

今回は、クレジットシステムを使えば試験を受けなくても良いようです。クレジットシステムというのは、論文を書いたり研究会やシンポジウムで発表したり、委員会活動をしているとポイントとしてカウントされて、それを申請すると更新試験の代わりにできるというシステムです。私の場合は十分ポイントはありそうです。

申請書類等はWEBSITEにあるからというので、のぞいてみたら、12ページもあるものが出てきました。新規登録のときよりボリュームが増えています。

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超音波探傷技術の源流

4月23日にドイツからお客様がみえました。その中に以前から超音波探傷をめぐる交流をさせてもらっている友人とも言えるPeter Renzelさんもいました。Renzelさんに会うたびに色々なことを教えてもらっています。今回の話題のひとつは「超音波探傷の源流は」でした。

Cimg2236 Peter Renzelさん。太っ腹でしょう。

Renzelさんによれば、見方によって源流はいくつもある、とのことです。私流に解釈すれば、大河にいたる山の湧き水はいくつもあるということでしょう。それでもあえてといえば、固体中に超音波を伝搬させてきずを最初に見つけたのはロシア(当時ソ連)のSokolovといえるだろう、とのことです。Sokolovが行ったのは、連続波を使う透過法です。これは、レントゲン写真の考え方(X線の透過量の違いで内部の様子を知る)と同じ発想と考えてよいでしょう。現在の超音波探傷法は、山彦の原理を使うパルス反射法(pulse-echo method)です。

Renzelさんにいただいた「Ultrasonic Testing Material」で確認すると、1940年代で探傷に連続波を使う考えは消えてパルス反射法に置き換わりました。「Ultrasonic Testing Material」の中の記述では、パルス反射法を最初に使ったのはおそらくコウモリであろうとしています。以下、「Ultrasonic Testing Material」4th edition pp163-164からの引用・・・

 This, by far the most impotant method of  non-destructive testing of materials by ultrasonics, the pulse-echo method, was certainly first uesd by bats.

(中略)

 The first proposal to use pulse-echo techiques for material testing came in 1940 from Firestone in the USA.

 In an independent development in England, Sproule used the method in about 1942. In Germany a pulse-echo system was also developed by Kruse.

戦争という緊迫した状況下ですからね。技術交流などというのんびりした話はなしで、それぞれ別個にということでしょう。

第2次世界大戦後、ドイツで超音波探傷法を確立してゆくのはJ&H.Krautkramer博士兄弟でした。Peterによれば、Krautkramer博士兄弟が超音波探傷を研究しようとしたきっかけは、敗戦後の復興にとって鉄道レールが大丈夫かの確認が差し迫っての課題であったので、その確認に超音波が使おうと試みたこと、とのことです。

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安直な解釈

昨日磁粉探傷の原理について書き、その誤った解釈について書きました

Bluebacks 誤った解釈は、講談社のBLUE BACKSの一冊伊藤泰郎著「見えないものを見る技術」に載っていたものです。

「表面探傷の中で最も代表的なのが磁粉探傷である。試験体を電磁石によって磁化し、その表面に鉄粉を散布する。傷があると鉄粉は付着しないので、鉄粉の付着した模様によって欠陥の存在する分布がわかる。試験体でなく、鉄粉を磁化して散布しても同様である。」(P92)

非破壊検査技術者にとっては、何言ってんだ、というトンデモ文章です。下線を引いたところが核心ですが、“表面探傷の中で最も代表的なのが磁粉探傷”というのも何を根拠にしているかわかりません。

これだけでしたらこうして取り上げることはしませんが、実はこの本、私がわかる範囲でもこのほかにこうした筆者の誤った憶測でしかない記述が、いくつかあるのです。私も本を出しているので、人の本のあら捜しのようなことはしたくないのですが、正直この本はダメです。誤植や勘違いのレベルではないのです。(誤植は私の本にもたくさんあります・・・汗dash

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磁粉探傷試験の原理

磁粉探傷探傷試験は、強磁性体材料の表面に発生するきずを検出するのに優れた試験方法です。

強磁性体材料というのは、簡単に言うと磁石に付く材料のことで、ほとんどの鉄鋼材料が強磁性体です。

磁粉探傷探傷試験の原理は、磁石に砂鉄がつくのと同じです。磁石に砂鉄がつくといっても、磁石のどこにでも砂鉄がつくわけではありません。磁極周辺に砂鉄がつきます。磁極にNとSがあるのは小学校で教わるでしょう。

鉄鋼材料に砂鉄を撒いても、普通はつきません。磁化という操作をして鉄鋼材料が持っている磁石の性質を引き出してやると、砂鉄がつくようになります。

Mtp 鉄鋼材料を磁化しても磁極ができたところにしか砂鉄は付きません。棒磁石を半分に切ると切ったそれぞれに磁極が出来ます。鉄鋼材料にきずがあると、そこに小さな磁極が出来るのです。小さな磁極の近くに、細かく砕いた砂鉄の粉を近づけてやると、きずの部分だけにこの粉が付きます。

Mtj この粉にあらかじめ蛍光物質をつけておくと、紫外線照射灯で照射することできずの部分が明るく輝いて、きずのありかがわかるようになります。

これが磁粉探傷探傷試験の原理です。

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ひずみ測定レベル3

今週末、資格試験を受験します。ひずみ測定レベル3の移行試験と再認証試験です。

平成15年にスタートしたJIS Z 2305(ISO9712準拠)のライセンサーへの移行試験を受けて、その後再認証試験を受けることになります。これに受かると5年間有効の資格登録が出来ます。

非破壊検査の資格は、日本では6部門あります。そのひとつがひずみ測定です。きずを見つける他の5部門(超音波・磁粉・浸透・電磁誘導・放射線透過)とは違って、力が加わることによる変形(率)を測定する技術で、この部門があるのは世界中で日本だけです。ただ、ひずみ測定を行うことに何の法的な縛りもありませんから、この資格がなくてもひずみ測定自体は大学や企業の研究室で日常的に行われています。

レベル1からレベル3まであります。レベル1とレベル2は、主に電気抵抗ひずみゲージによるひずみ測定を扱いますが、レベル3では応力塗料や光弾性あるいはモアレなども出てきます。材料力学的な知識もより深く問われます。

昨年9月も受験可能だったのですが、超音波本の締め切りと重なっていたので受験申請はしませんでした。

この歳になって資格試験を受験するのは正直つらいものがあります。

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出会いと別れ

人の世の常とはいえ、出会いがあればそれとちょうど同じ数だけ別れなければなりません。

北海道の非破壊検査技術をリードしてきた矢崎憲治さんが亡くなられて、昨日お通夜に留萌まで行って来ました。雪が降り明かりの消えた留萌の街に降り立ったときは、物悲しい風景だなと思いました。でも、こじんまりとした葬儀でしたが、とても心にしみる会でした。

矢崎さんは、室蘭工業大学を卒業後溶接棒などの溶材を製造販売する会社に入られて、そこに検査部門を立ち上げ、会社での業務以外にも全構連の超音波部門の指導者として全国レベルで活躍された方です。

北海道機械工業会では、検査技術研究会を立ち上げてその裏方を一手に引き受けて、鉄骨部会との共催というかたちで、百数十名が集まる全国的に見ても活気ある研究会に育て上げた方です。

若いころは、各種技術講習会の講師・指導員を務められて後進の育成に努力されました。

わたしも、会社務めの時代に矢崎さんの講習を受けたことがあります。ここぞとばかりに質問を浴びせるわたしに、ひとつひとつ丁寧に答えてくれたことを思い出します。

検査部門を独立させて矢崎さんが社長をした会社が、うまくいかなくなって、留萌の鉄工所にお世話になっていたようです。留萌の地で、若い人を育て、自分の持っているノウハウと精神を伝えることに日々心を砕いていたようです。鈴木鉄工所の社長さんが葬儀委員長として挨拶をされていましたが、ひとつひとつの言葉をかみ締めるような矢崎さんの生き様の紹介でした。

野武士のような実直さで生き抜いた一技術者の一生でした。心からご冥福をお祈り申し上げます。

車で行くのは危ないかなと思って、JRで行きました。そこで・・・。

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エキスポランド事故の原因は????

今年5月に起きたエキスポランド事故について、当時の施設管理担当者の書類送検のニュースが流れています。この少し前に、エキスポランドの休園のニュースが流れていました。

おそらくこれで幕引きなのでしょう。大阪府警は、破断した車軸を専門家に鑑定に出した、とされながら、その鑑定結果については公表されていないようです。不思議です。鑑定結果がピンぼけたものであったらしい、間接的ですが、そのような話が聞こえてきています。

産経のニュースの中にこのようなくだりがありました。

「事故から5カ月以上も前の昨年11月末の時点で、車軸の亀裂は直径の約6割、外周の約6割に達していた。鑑定によると、亀裂は走行中にカーブなどで受けた負荷が原因の金属疲労で一定速度で拡大。破断時には断面のほぼ全領域に及んでいたという。『これだけ大きな亀裂であれば、探傷試験で見落とす可能性はきわめて少なく、車体から車軸を抜き取れば、目視でも十分に発見できた』。鑑定書はこう結論づけた。」

「鑑定は、車軸と同じ材質の試験片を作り「風神雷神II」のコースと同じ負荷をかける「疲労寿命試験」を実施。車軸は、約1トンの車両と乗客24人分の体重の10~20倍の重量に耐えうる強度があったが、運行開始から事故までに受けたのと同じ約530万回の負荷をかけたところ、折れる可能性があることが判明した。」

「金属疲労が一定速度で拡大」というのは理解に苦しむ表現ですが、それは置くとして、亀裂の始まりがいつからなのかが、解ったのか解らなかったのかがこの事故原因を考える際に重要なことであるはずです。

後ろの表現からすると、運行開始直後から亀裂の進展が始まった、と想定しているように読めそうです。本当にそうなのですか?

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アルキメデスと非破壊検査

アルキメデスが命じられた「王冠を壊さずに混ぜ物がしてあるかどうか調べる」というのは、非破壊検査ですね。

非破壊検査は、壊さずにということが大前提ですから、何らかの間接的な情報から判断します。既知のものとの比較が多くの場合判断基準です。たとえば、位置大きさ形状がわかっているきずからの信号と試験体から得られる信号との比較。

水をあふれさせるにしても、天秤で吊り合わせたまま水に沈めるにしても本物の金と比較する、という手法はまさに非破壊検査そのものです。

目的とする現象(この場合あふれる水の量とか天秤の傾き)が別の要因で左右されることが大きいと、非破壊検査方法としては成立しないことになります。S/N比(シグナルとノイズの比)が小さいということになるからです。そこから見て、あふれる水の量をシグナルとするという方法は前の記事で触れましたが、難しいだろうと思います。

仕事として考えた場合にいちいち同じ重さの金を用意しなければならないのはいかにも面倒です。(貧乏人の発想かな?)

このページにあるようなさおばかりを使えば、純金かどうかの非破壊検査は可能だと思います。

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コロージョン

配管内側のコロージョンです。

Erocor 外観は何の異変もなくても、内側はぼろぼろになっていることがあるのです。美浜原子力発電所の事故が記憶に新しいところです。

こういうものの検査は超音波が得意とするところです。肉厚測定といいます。板の厚さのことを肉厚というのです。だから、「減肉を測定する超音波肉厚測定器」ということになります。別に牛肉の厚さを測るわけでも、ダイエットのための器具でもありません。

最初に現場で聞いたときは違和感がありましたけれど、慣れてしまうと普通に言葉になって出てきます。こんな言い方を、一般向けの書き物に注釈抜きで書くわけにはいきません。大丈夫かなぁ、わたしの「ことば」

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透明な標準試験片

超音波探傷に使う標準試験片にSTB-A1というのがあります。装置の較正、探触子の入射点や屈折角の測定に使います。基準となるもので、探傷技術者にとっては、いわば武士の刀とでも言うべきものです。

超音波は聞こえませんし、もちろん見えません。五感では確認できないものを使って見えないきずを見つけるわけです。これを勉強したり教えたりしていると、試験片や素材の鋼が透明で中が見えたらなぁ、などという妄想は何度も浮かびました。(鋼が透明で中が見えたら、超音波探傷も放射線透過試験も必要なくなる訳で、そのそも自己矛盾ですが・・・)見えないものをみえるようにするのは「可視化」技術でしょうが、そこまでの話ではありません。 そんなことを、学生と雑談していると、透明なSTB-A1を作ってみましょう、などという変わり者の学生がたまに現れます。

Stba1もう8~9年前に卒業したK君(現在K重工航空宇宙に勤務)が作った、アクリル製の「STB-A1」です。後方にあるのが本物のSTB-A1です。

R100(左側 半径100mmの1/4円)の部分などは、ケガキ線の外側にドリル穴を開けて後はペーパーで手仕上げです。

出来上がって、正直その精度仕上げの綺麗さに驚きました。

Stb_a1_s こちらは、私が作った「超音波探傷入門」ソフトウエアの中で、STB-A1を透明化した画面です。

単位や試験とは関係のないところで、ほとんど何の役にも立たないだろうやり取りを若者としながら笑いあえる・・・教員という職業の特権だと思っています。

ところで、STB-A1を実際に製作しているのは、

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エキスポランド事故の原因は解明されたのか?

エキスポランドが営業を再開するそうです。それ自体はどうということもないのですが、ニュースを見ていると、検査担当者数人の「業務上過失致死」での送検とあわせて、この事件はこれで終わりという雰囲気です。

この事故の原因は「金属疲労」ということで片付けられています。でも・・・。

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水晶振動子の超音波探触子

ドイツにある某超音波探傷の研究所に勤めている友人(知人かな?)から、水晶を振動子として使っている超音波探触子が送られてきました。

Quartz_transduce 水晶は、キューリー兄弟が発見した圧電材料で、超音波の利用技術の始まりとなったランジュバンも水晶を使ってランジュバン型振動子を作りました。

でも現在では、超音波探傷に使う振動子材料はほとんど100%といっていいくらいPZT(ジルコンチタン酸鉛)です。

もう、かれこれ四半世紀この技術に携わっていますが、水晶振動子の探触子を見たことはありますが、仕事で使ったことはありません。

水晶を使った探触子には、試験体の金属を電極として使うためのスプリングが出ています。おそらく試験体上でこすることに耐える電極を貼り付けることが難しかったのでしょう。

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ペンタブレットで超音波探傷シミュレーション

もう9年前ですかね。WACOMのペンタブレットを使って、超音波探傷の訓練用シミュレータの開発を試みました。

Penut WACOMのペンタブレットは原理として電磁誘導を使っています。ペンの位置情報だけでなく筆圧・ペンの傾きの情報も取っています。電磁誘導ですが、巧みにやってますね。金属や磁石やコイルを近づけてみましたが、反応しません。

電磁誘導なのでボードとペンとが多少離れていても、情報が取れます。たとえば鋼の溶接部の絵もしくは写真をはさんでも大丈夫なのです。

超音波探傷入門プログラムで、パソコン上に仮想超音波探傷器を作ることには成功していましたから、ペンを改造して探触子を作りました。

にほんブログ村 科学ブログへ←1日1回クリックしていただけると応援1票になります。ブログをはじめて1年半ですが、記事の合計数が300を超えました。この間コメント数は761になっています。

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検査資格証明証の偽造

非破壊検査技術者が足りないようです。

日本非破壊検査協会のホームページに、非破壊検査技術者資格証明証の偽造についての注意が掲載されていました。協会関係者によりますと、複数件あるようです。

Ndi2たいていは検査報告書の最後に資格証明証のコピーを添付するのが慣わしですが、今のパソコンの画像処理技術を持ってすれば朝飯前です。

J IS Z 2305の資格証明証はパウチです。簡単ないたずらをしてみました。(丁寧にやれば見分けが付かないようにすることも出来ます。まして白黒のコピーならパソコンを使わなくても糊とはさみで出来てしまいます。)

日本非破壊検査協会が発行しているライセンス数(JIS Z 2305 及び移行前のNDIS 0601を含む。注:現在はJIS Z 2305に移行する過渡期間にある)は、6部門×3レベルすべてあわせて、総数で64720(2005年12月30日現在:日本非破壊検査協会「非破壊検査」Vol.55による)。そのうち試験検査方法を検討して決めることの出来るレベル3は、6部門すべて合計して6171。6万といっても、複数のライセンスを保持している人も多いですから、資格者数としては3万人程度です。ちなみに私は、全6部門のレベル3と総合管理技術者を持っています。かつては、保険として全6部門のレベル2も保持していたことがありますから、日本の非破壊検査資格だけで13資格のホルダーでした。さすがに維持費が馬鹿にならないので下位資格は流しました。

景気が少し良くなってくると、こうした悪さをする人が出てきます。発注者側も「検査報告書だけ出してくれ」などと言うことを公然と言うやからも出てきます。

私のところにも非破壊検査技術者が逼迫しているという電話が、このところかかってきます。当面足りないということだけでなく、4~5年先を見越して足りないという話です。新卒だけでなく、中途採用をしたいという話です。航空関係も鉄も山ほど仕事を抱えているそうです。

そうなってくると、検査技術者を冷遇していたところ(検査の重要性を意識していないところ)からは人は逃げていきます。そういうところの管理者は、次に何を考えるでしょう。ミートホープの田中社長バリの「知恵」を働かせる、となるのは容易に想像できます。

日本非破壊検査協会では、資格者情報の問い合わせには応じているようですから、不審に思われる方はぜひ確認をしてください。(TEL 03-5821-5101)

米国(The American Society for Nondestructive Testing (ASNT))では・・・・、

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秋田大学付属鉱業博物館(その2)

秋田大学付属鉱業博物館には、超音波に関係する展示がありました。鉱物と超音波・・・?まぁご覧ください。

Synthetic_quartz_crystal2_1 まずは人工水晶です。水晶は圧電材料の代表です。水晶の圧電性を発見したのは、J.キューリーとP.キューリーの兄弟です(1880年)。現在も水晶振動子として通信機器などに広く使われています。ソナーも医療用も金属探傷用も当初は超音波を発信するのに水晶の振動子を使っていました。

人工水晶は室蘭市にある日本製鋼所の関連会社であるファインクリスタル株式会社製造しています。

Trun 水晶の圧電効果を超音波の発信と受信に使い、実用の道を開いたのはフランスのランジュバンです。ランジュバン型振動子が展示されていました。2枚の厚い鉄片ではさむことにより、共振周波数を下げてエネルギーの高い超音波を発信することが可能になりました。第1次世界大戦でドイツの潜水艦に苦しめられていた米英仏が、その勝利を決定的にするきっかけとなったといわれています。

Langevin 現在、強力超音波を発信させているのは、ランジュバン型の改良型といえるボルト締めランジュバン振動子です。これも展示されていました。

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エキスポランド事故 ほかに亀裂が

ペアで運行されていた「雷神号」の軸に亀裂が見つかったと報道されています。

私は、以前にも書きましたが、調べればほかの軸にも疲労亀裂があるだろうと予想していました。1本だけというのは意外に少ないなという印象です。(詳細に調べたのかなぁ?)

今回見つかった亀裂のある軸と、亀裂のない軸の違いを周辺の状況を含めて現場を調べると、本当の原因が見つかるだろうと思います。

報道では杜撰な検査と叩いていますが、果たしてそうでしょうか。私は、3日間の講習で資格が与えられる「検査員」に見つけられる亀裂ではなかったのではないかと見ています。

今回見つかった亀裂は、事故の箇所と同じということです。だとすると、ナットをはずして、ねじの谷のところです。10mmを超えていて、そこが怪しいとわかっていればおそらく目視でも見つけられるかもしれません。鋼の割れはコントラストが低くて漫然と見ていたのでは大きなわれでもわからないことが多いです。

では、どのくらいの時期に、どの程度の割れがあったと予想できるでしょう。

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夜汽車の旅

秋田のホテルからです。

最近旅行の移動手段は飛行機が常識になっています。今回は都合の良い便が無かったので、夜汽車に乗りました。椅子席で寝ていけばよいや、と考えていました。10代後半から20代にかけて、汽車を宿代わりにして、鈍行夜汽車で旅行をしたものです。

かつては、夜の帳が降りてから赤い網袋に入ったみかんをおすそ分けするところから、見知らぬ人と会話が始まったものでした。時には人生を語り、時にはほのかな恋心すら生まれることもありました。夜汽車の旅の楽しさでした。今は、そんな情緒を期待することはできません。黙して移動手段に自分の体を積み込むだけです。

Hamanasu 駅でチケットを購入しようとすると、駅員さんが「横になれる席がありますけど・・・・。」おっ!気が利くじゃん。急行ハマナスのカーペット席です。

料金を聞くと、指定席料金(150円)の追加で良いとのこと、もちろん購入しました。カーペット席ということで、乗ってみると、そう昔の青函連絡船の二等客席(知っている人少ないだろうな?)のような雰囲気。青函連絡船では雑魚寝でしたが、ここでは頭の部分にカーテンがあり隣の人の寝顔を見ずにすむようになっていました。

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超音波探傷事始 航空機 航空機用エンジン

本日職場に、日本製鋼所の関連会社である日鋼検査サービス(株)の社長さんと開発担当の技術者の方が来られました。

お二人とも旧知の仲です。仕事上の話とは別に、情報交換をしたり、教えたもらったりしました。この日本製鋼所は、日本で戦後超音波探傷をフィールドで実際に適用し始めたところです。高沖さんという優れた技術者がおられたのです。高沖さんは、日鋼検査サービス(株)の初代の社長さんでもあります。日本製鋼所は特殊鋼の分野で世界に知られた企業です。

この日本製鋼所は、日本初の航空機用エンジン「室〇号」が作られたところである、ということはあまり知られていません。

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パリス則がわかるソフトウエア

パリス則(Paris Law)は、疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係がほぼ直線とみなせる領域が現れることから、式da/dN=C(ΔK)^mであらわされます。C,mは材料定数。

疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係をプロットしたグラフは、パリス則が成り立っていることを確認するのには良いのですが、疲労き裂進展の実体と重ね合わせて理解することは困難です。

そこで、パリス則を、繰り返し数とき裂長さの関係にして、両対数グラフにプロットするソフトウエアを作りました。公開します。

Paris 一昨日の記事へのコメントで述べた、き裂深さ2mmと10mmから20mmまで成長するサイクルをプロットした実行画面です。20mmまでを寿命とすると、2mmの時点と10mmの時点では残寿命はおよそ10倍1/10の関係にあることがわかります。

エキスポランドの事故では直径30mm強のねじ部で、2/3ほど疲労き裂が進展して、その後塑性崩壊をしているように見えます。

パリス則についてとソフトウエアのダウンロードは続きで・・・。

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ボルトの超音波探傷

エキスポランドでの事故を受けて、全国の同様の施設について、点検が実施されたとされています。探傷検査を実施して「安全を確認できた」として運転が開始されているようです。

きちんとした検査が実施されたと信じたいものです。「磁粉探傷、浸透探傷、超音波探傷」のどれをやるのか、それぞれの方法についても何を基準にしてどのような方法で行うのか検討をされて、徹底されているのでしょうか。

漫然と探傷をしていても、危険の芽を事前につむことは出来ない、という例を。

Ut1 全長250mm、直径20mmのクロムモリブデン鋼のボルトを、5MHz・振動子直径10mmの探触子で軸方向に超音波を伝搬させて探傷した例です。

ねじを切ってある部分は25mmあり、探触子から5mmの位置にコッターピンを入れる穴が開いています。

今回の事故で疲労破壊したねじの谷の部分に疲労割れがあったとしたら検出できるでしょうか。

コッターピンがなくても、ねじ山が反射源となり割れからのエコーを受信していてもSN比(信号と雑音の比)が小さくなり、探傷は難しくなります。それでも数mmの割れであれば、健全なボルトとの比較をすることで、検出が可能になるでしょう。

このケースではコッターピンの穴があります。5mmからの反射波(エコー)は5の倍数の距離に多重反射の信号が表れます。この穴からの多重反射がノイズレベルを上げてSN比は極端の小さくなっているのがわかるでしょうか。割れを見つけるのはさらに困難です。

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エキスポランド事故 破面のCG

破面写真を、画像処理して公開をすると、著作権法に触れることになる、ということです。ちょっとしっくりしないところもありますが、法律がそうなっているのであれば仕方ありません。破面は事故原因解明のための重要な情報です。私は、この事故の原因、そしてこのような事故を防ぐためのState of the art がどの辺にあるのか、見届けたいと思っています。

Expo2imagec5_1 破面の写真をスケッチして、それを元にCGを作って見ました。これなら、私の作品と言ってよいでしょう。

当然ですが、私の手が入っていますので正確ではありません。ミスもあるかもしれません。原本では見えにくかったビーチマークを強調しています。

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公開された破面の意味するもの

大阪府吹田市で起きたジェットコースター事故、1ヶ月経ってやっと破面が公開されました。

Crosssectional_shape

この写真はYOMIURIONLINEに掲載されているものです。

大阪府警が公開したようです。こういう写真に著作権があるのでしょうか。私は事故の再発防止という「公」に資するために公的機関が公開した(どこまでもパブリックな)映像に民間会社が著作権を主張することに疑問を抱いています。

さて、この破面についてですが、ライフワークとして鉄道車軸の疲労破壊を研究されていて、海外での公的な鑑定を行っているHirakawa氏がその見解を、このブログに寄せてくれています

片振り曲げ疲労で、疲労限近い低い応力でゆっくりと穏やかに進行した疲労破壊であることが、この破面から読める、これでよいとのことです。(Hirakawa氏は片振りとはいっていません。お詫びして訂正します。6/7)

後は、電子顕微鏡のレベルでストライエーションが観察できるのか、観察できれば亀裂伸展の時間経過が推定できる、という作業が残されているだけでしょう。

以前にも指摘しましたが、この破断箇所がなぜ破断するような繰り返しの曲げ応力が発生したのか、ここが問題ではないかといい続けえてきました。

この軸(ボギー軸というようです)は本体に圧入されています。圧入で本体にしっかり固定されていれば、破断箇所には曲げ応力の発生は考えにくい箇所なのです。

この件で、毎日新聞の記事に以下のようなものがありました。

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エキスポ事故 破断箇所の写真公開だが・・・

エキスポランド事故の破断した車軸の写真が、やっと公開されました。

Exshaft この写真は6月4日に北海道新聞のニュースサイトに掲載されていたものです(6月7日現在削除されています)。でもどうして、破面そのものの写真ではないのだろう。取材した記者も、90度回してといってほしい。その破面の様子から、多くのことがわかるのです。記者も、そのくらい勉強をして取材してほしいものです。情報の価値は半減どころではないのです。

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エキスポランド事故 壊れたのは車軸だったのか?

報道では、車軸が疲労破壊したとされています。このブログでも車軸と表現してきました。

こちらの記事で、車軸とはいえないのではないかと指摘しています。車輪ユニットとバギー車を接合するボルトではないか、年に1回の探傷検査するとされるJISの規定では、この事故で破損した箇所は対象外と読めないか、ということです。

Jet なるほど、言われてみるとそうかもしれません。私も、当初は車軸といわれているのだから軸に車輪がついていると思っていました。5月12日に軸のCGを作ったあたりから、へんだと思い、取り付け部の様子を知りたいとブログに書いてきました。この軸の取り付けの様子と機能を確信したのは、5月20日ある方からの個人メールによる情報ででした。その後、CGで「車軸」の取り付けを作り、このブログに公開してきました。その後も「車軸」という表現を使ってきました。軸は回転はしませんが、車輪ユニットにはベアリングがつけられていて、わずかに回転してアップダウンやカーブの変化を吸収しています。(画像をクリックしてください。簡単なアニメになっています)

リンク先の記事の筆者が指摘しているように、確かにJISが亀裂点検をすべき箇所である「車軸」から今回の「ボルト」は外れていると読む解釈は成立しそうです。

でも・・・・

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図面から起こした車軸のかたち

Shaftg1 エキスポランドの破断した車軸について、一部報道で写真が掲載されていましたが、図面からCGで再現すると、少し形が違うようです。

車軸が15年間で形状の変更があったのでしょうか。

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磁粉探傷での指示模様

エキスポランド事故で疲労破壊した車軸の非破壊検査では、最優先で行うべきは磁粉探傷です。

磁粉探傷は、強磁性体(磁石につく材料)に適用できます。試験体を磁化すると、割れのある場所から漏洩磁束が発生します。漏洩磁束が発生した場所にはNSの磁極ができていますので、鉄粉をひきつけます。この鉄粉(磁粉といいます)を人間の目に見やすくしておくと、割れのある場所がわかります。

Mt 暗い場所でブラックライト(紫外線照射灯)で照らしながら行うのが蛍光磁粉探傷です。この方法は、周囲を20ルックス以下の暗さにして行うことが必要です。このことから日中や屋外ではできないとの誤解が、時々あります。周りを暗くすれば良いのですから、暗幕をかぶればどこでもできるのです。実際、私が現場の検査屋だったころはそうやりました。

それは、蛍光磁粉と着色磁粉では、見え方(コントラスト)がぜんぜん違うからです。写真では、伝わりにくいところがありますが、実物では黒色磁粉など使う気が起きないほどの差です。

なぜ、こんなに差があるのかといいますと、

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