非破壊検査

ボルトの磁気特性と磁粉探傷

今日は、ブログ読者の方に教えていただきたい事があって記事にしています。というのは、世の中にボルトやねじは数え切れないほどの種類がありますが、ボルトやねじの磁気特性に関するデータについて実際に測定され活用されているケースはどの程度あるのか、ということです。

この間、ねじ・ボルトの探傷について考えています。いろいろな考え方があるのは了解できるのですが、以下に示す例について発想の前提条件が疑問になってきたのです。

日本非破壊検査協会(JSNDI)が発行しているテキストや資格試験を目指す人のための問題集にボルトの探傷について掲載されています。その中のひとつ、「磁粉探傷試験 問題集 2009」P204にレベル3の2次試験C3手順書の問題が示されています。同様の記述がレベル3のテキストにも記載されています。

Boltbh 仕様書(発注側が示す技術文書)に基づいて手順書(受注側が提出する技術文書)を作る問題です。保守検査で検査対象は、高張力ボルト 50本 直径20mm 長さ150mm。仕様書には高張力ボルトの磁気特性として左図のB-H曲線が仕様書として与えられています。

解答例として、長さ300mm、直径100mm、巻き数6回の固定型コイルを使う磁粉探傷・残留法を適用するとして、B-H曲線から飽和磁束密度と比透磁率を読み取って、そこから磁化電流値を1190Aと算出しています。

この解答例に、なんだか変だなという感覚を持っています。最大の疑問は、ボルトの磁気特性曲線そのものなのです。そこで、もしご存知の方がおられれば教えて欲しいのです。

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JISハンドブック

非破壊検査関連の日本工業規格(JIS)が次々と改定されています。グローバル化というのですかね、ISO規格に準拠した内容に改定されているのです。
Cimg3495 持っていないJISが必要で、日本規格協会からダウンロードしようかとも思いましたが、思い直してハンドブックを購入しました。
ハンドブックの欠点は、「解説」が載っていないことでした。制定もしくは改定の事情や背景に関する情報が規格理解には重要な情報にになるからです。
この2009年版は、割りに重要と思われるJISには「解説」も掲載されています。これはよい。
ハンドブックのもうひとつの弱点は、文字の小ささ。最近ちょっと眼が悪くなってきたのか、夜遅くにハンドブックのJISを読むのはつらいものがあります。

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ねじ部の磁粉探傷

ねじ部の磁粉探傷(MT)について、niwatadumiさんがプチ実験を行っています。
ここで注目したのは、ねじの切り始め「不完全ねじ部」と呼んでいるところで、磁粉探傷では検出不可になるきずがあり、水洗性の浸透探傷試験(PT)では検出できる場合があるという報告です。

ボルト(直径約30mm 長さ約180mm 鋼)の非破壊検査を仕事で行っているという卒業生から、昨晩このブログ記事を読んでいるというメールが届きました。現場の様子がわかってとても参考になりましたが、そのなかに、

『TPには、ボルトの頭部下と、ネジ部に深さ1~3㎜の人工欠陥を作り検証はしています。MTで検出不可もありました。』
という報告がありました。
私自身は実験をしていないので、確定的なことはいえないのですが、磁束の流れを考えるとありそうかなという勘がします。

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CIW見解について その3 ねじ部の探傷

非破壊検査できずを検出する場合、きずが存在する事によるシグナルを捕まえる事と同じぐらいきず以外の原因による錯乱要因(ノイズ)を少なくして見極める事が重要になってきます。

ねじ部の探傷は、磁粉探傷(MT)でも浸透探傷(PT)でもねじそのものがきずを検出する事にとってノイズとなる擬似指示模様を作り出す要因になります。

Rumps

CIWの実証実験のレポートに掲載された写真は電磁石の一方の極をほとんど点接触になるような不安定な状態でねじ部に接触させていました。これでねじ部の探傷というのはいかにも乱暴であるという事で、私は意見書にその旨を書きました。I氏も同様の意見でした。これに対するCIWの見解は、つぎのようなものでした。

「これらを含めて3氏のご意見は技術的にはそれぞれ正しいものであり、当委員会があれこれ申し上げる立場にはありませんが、『今回の実験の前提条件』(RUMPES Vol23 No2 Spring 2009)を見直していただくとなぜ極間法を採用したかごりかいいただけるとおもいます。」

意味不明な展開になっています。極間法を採用するとしてもその仕方がまずいのではないか、という意見に対して「技術的には正しいが」極間法を採用したのにはそれ相応の事情があるのだ、といいたいようです。これは論点をすり変えです。技術的には正しいが実際上は適用できないでしょう、といいたいのでしょうが、実際上適用できない技術的正しさなどないと私は理解しています。技術とはそういうものでしょう。技術上正しくないやり方でも諸般の事情があるから仕方がないのだ、という考え方だとしたらそれは間違っていると思います。

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CIW見解について その2 検出すべききずの位置

 非破壊検査方法を選択する際には、いくつかの条件を考慮して総合的に判断しなければなりません。その中で、試験体の形状と検出すべききずの位置・かたち・サイズは優先順位の高い条件です。

CiwaCIWが実施した実証実験では人工きずを加工した位置が、ねじ部近くの平行部(左図黄色矢印)でした。私を含め意見書を提出したI氏もK氏も検出すべききずの位置はこの位置で良いのかという疑問を投げかけています。
 当然実際に起きた事故を想定しているわけですから、破断した軸で疲労亀裂の起点はどこなのかの判断が問われます。今回公開されたCIW見解では、大阪府警が公開して新聞紙上に掲載された軸の写真を見て検討したことが記載されています。そのうえで、「どの部分がき裂の起点なのか明確には判別できません」としています。
Ciwb  CIW見解では本当は左図の黒矢印の位置にも人工きずを加工しようとしたのだけれど「加工業者の力量不足等」でどれも同じような平行部への加工になってしまった、と述べています。

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CIW見解について その1 超音波探傷の可否

2年半前に大阪府吹田市で起きたジェットコースター事故に関連して、事故を防ぐための非破壊検査方法はどうあるべきかをめぐって、CIW検査事業者協議会技術委員会が実証実験を行い、それをめぐって議論が始まっています前の記事で報告したようにCIW検査事業者協議会技術委員会がこのほど見解を発表しました。私としては疑問符を投げかけざるを得ませんので、何回かに分けて私の考えを述べてゆきます。

最初は、CIW検査事業者協議会技術委員会と意見が一致した点についてです。

それは、この軸に対して分解せずに超音波探傷を適用することは避けるべきだ、という点です。この点は、すでに現在稼動しているジェットコースターの車軸点検に超音波探傷を適用している事例もあるようで、その現実に対する警報として実際上も重要な点だと思います。

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CIW検査事業者協議会から回答

日本溶接協会から郵便が届きました。なんだろうと開けてみるとCIW通信「RUMPES」のVol23No4が入っていました。
Rumpes 今年5月「RUMPES」誌上に掲載された「コースター車軸検査法」について私が提出した意見書に対する見解(以下見解と略します)が掲載されていると添え書きがありました。
私(見解の中ではTとされています)以外にもI氏とK氏が文章で意見書が寄せられたということです。両氏とも存じ上げている方です。
私の意見書の内容は、こちらのページです。
同誌はWEB上でも読むことができます。こちらの7~8ページにあります。
みなさんは、この見解を読んでどう思われますか?

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渦流探傷レベル3復活

私のミスから一時は消滅したとあきらめていた「渦流探傷レベル3」の資格が復活しました。
JIS Z 2305による資格認証制度になって初めての5年目の切り替え時期が来ていて、締め切り時期をうっかり逃してしまったのです。
Etlevel3 渦流探傷は電磁誘導を使う探傷方法で、プラントでは熱交換器のチューブの探傷に使われますが、航空機の世界ではアルミ合金でできている機体やチタニウム合金でできているエンジン部品の探傷に使われています。
これで、「非破壊検査資格6部門すべてレベル3+総合管理技術者」を標榜できます。レベル3への挑戦は、40歳を過ぎてからでした。衰え始めていた脳に活を入れながら頑張りました。

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超音波探傷試験 実技テキスト デジタル編 発刊

Desital_ut 日本非破壊検査協会(JSNDI)から「超音波探傷試験 実技参考書 『デジタル超音波探傷器』編」が発刊になり、見本本が送られてきました。私も編集委員の一人として分担執筆をしています。
来年春の資格試験からJSNDIは超音波の2次試験はデジタル探傷器を使うとアナウンスされています。それに伴い、この秋の講習会から、デジタル探傷器が使われます。この本はそのための実習用テキストです。

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浸透液に洗浄剤をかけてみる

毛細管現象を使う非破壊試験方法に浸透探傷試験があります。サインペンのキャップをし忘れて胸ポケットにでも入れてしまうと、繊維の間にインクがしみこんで行きますが、これが毛細管現象です。原理的には隙間が狭いほど重力に逆らってでもしみこんでいきますから、幅の狭い亀裂の検出に利用するには都合がよいのです。ただ幅が狭くなれば、しみこんでいく際の抵抗が問題になってきます。粘度です。
Cimg3407 浸透液に洗浄剤がかかったら粘度がどうなるか、簡単な実験を行ってみました。
およそ6度傾けたステンレスの平板に水洗性染色浸透液と溶剤除去性浸透液を刷毛で塗りました。これに洗浄剤をかけてみました。

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ハンドマグナによるボルトの磁粉探傷

今年5月に2年前のエクスポランド・ジェットコースター事故に関連して、車軸の検査方法をCIW検査事業者協議会が独自に検討をした結果を公表しました。その内容をめぐってこのブログでも少し話題になりました。
CIW検査事業者協議会が検討結果を公表した意義は認めつつもその内容には疑問を呈さざるを得なくて、私は意見書を提出しました。直後に検討をするとのメールでの返事をいただきましたが、それ以降今日現在まで音沙汰はありません。私の疑問は意見書を公開していますのでそちらをご覧ください。
Rumps そのひとつは磁粉探傷の方法を示したこの写真でした。

私の考えはこれでは「磁極の接触が不安定で、磁極付近の不感帯と反磁界の影響が無視しえず、安定した探傷とは言いがたい」「専用冶具を工夫するかコイル法の適用を考えるべき」というものでした。

なぜハンドマグナを使ってこんな不安定な探傷方法を示しているのかと考えると、コイル法の装置は大きくなりがちで現地検査に向かないとか、コイル法の装置を持っている検査事業者は少ないのだろうということが浮かび上がってきました。だからこれでよいのだという考え方も納得いきません。

そこでなんとか広く普及している極間法(ハンドマグナと呼ばれる交流電磁石を使う)で探傷する方法はないのかということで考えました。

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手に持たなくても良いブラックライト

ブラックライトとは紫外線照射灯のことで、暗闇で蛍光物質に照射すると可視光線を発光させることができて、微細なきずを感度良く検出するツールとして、蛍光浸透探傷試験や磁粉探傷試験で使われます。
通常は高圧水銀灯からの光をフィルターで400nm以上の可視光線をカットすることで、紫外線照射灯としています。

Cimg3279 私が会社勤めで現場に出ていたころは、ハンドマグナ(積層珪素鋼板にコイルを巻いた電磁石)を左手に、右手には検査液が入ったオイラーとブラックライトをもって、溶接部の探傷を行ったものです。1日中やっていると右手の小指から腕にかけて筋肉が張ってきます。検査会社によっては、ハンドマグナを持つ人とブラックライトを持つ人の2人作業でやっているところもありましたが、私のところでははじめから一人作業でした。
先日、「新しいブラックライトを紹介させて欲しい」と検査機材メーカーの方がやってきました。
Cimg3289見せてもらったのがこれです。最初「何これ!」と思いましたが、すぐに合点が行きました。

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全部門レベル3復活?

今年3月に再認証期限が来ていた非破壊検査資格の渦流探傷レベル3の資格、更新手続きの期限(昨年12月)を勘違いしてしまって、期限以内に手続きをしなかったために流してしまいました。
現在、JIS Z 2305(ISO9712準拠)による非破壊検査資格は、超音波探傷(UT)、放射線(RT)、磁粉探傷(MT)、浸透探傷(PT)、渦流探傷(ET)、ひずみ測定(SM)の6部門があり、それぞれレベル1~レベル3(レベル3が最も難しい)があります。現在およそ7万の登録数があるそうです。
私は、6部門すべてのレベル3を持っていました。何年か前に聞いたところによると、全部門レベル3を持っているのは全国で20人程度とのことでした。働きながらほとんど独学で勉強しましたから、大変でした。その勉強をやりきったことが私のひそかな誇りでした。
私のうっかりに責任があるとはいえ、手続きミスでこの資格を流してしまうことは残念でなりませんでした。

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STB 屈折角の測定

超音波探傷で、試験体表面から斜めに超音波を伝搬させる方法を斜角探傷といいます。探触子によって異なる屈折角を探傷前にあらかじめ測定する必要があります。STB-A1といった標準試験片(Standard Test Block :STB)を使って測定された屈折角をSTB屈折角といいます。
Cimg3234a 公称屈折角70度の探触子のSTB屈折角をSTB-A1を使って測定する場合は、φ50の穴に超音波をぶつけるように探触子を配置して、前後に走査してφ50からのエコーが最大になる位置で、探触子の入射点の位置の下になる角度目盛をで読みます。
Cimg3235a 1度の目盛を目測で1/5目盛(0.2°)読むことができます。

Afrstbもう少し簡単にできないかと考えていました。φ50の穴を狙って、エコーが最大位置になるところでのビーム路程から、屈折角に換算することができます。

デジタル探傷器では、ビーム路程を読み取る機能がついていますので、むしろこの方が間違いが少なくなると思います。

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破壊・非破壊をめぐる出版情報

3泊4日の東京滞在から戻ってきました。北海道は涼しくて良いsign03

仕事の合間に、本の出版に関する情報交換もいくつかしてきました。

日刊工業新聞社から出している2冊の本をプロモートしていただいた編集者のI氏と会ってきました。今回この時点で打ち合わせすることはなかったのですが「上京しているのなら」ということで、都内某所で2時間ばかり特にこれというテーマのないお話をしてきました。雑談という混沌の中から何かが出てくるかも知れないし出てこないかもしれない、なんともいえない面白さがあります。いわば無駄の効用とでも言いますかね。日刊工業新聞社の人気シリーズを長く手がけてこられた方と聞いていますが、穏やかな話しぶりの中に先を読む眼の鋭さが感じられて、とてもためになりました。特に本の出版から離れた話がとても面白かったですね。私の将来もまだまだいろいろと可能性がありそうかなという気がしてきました。

破壊工学 基礎のきそ」がどのくらい売れているのか気になっていたので聞いて見ました。順調だそうで、同じシリーズの「絵とき 機械強度設計 基礎のきそ」とほぼ同じ勢いで売れているそうなのです。

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ボルトの疲労亀裂進展

丸棒・ボルトの応力拡大係数をAPIの解で求めて、パリス則と組み合わせて疲労亀裂の進展の概要を求めるソフトを公開しました。この活用例を・・。

Stintfbolt 左の図は、直径40mmの丸棒に200MPaの引張り応力がかかった場合の亀裂深さと応力拡大係数(K)の関係を示したものです。亀裂が進展するとともにKが加速度的に大きくなることが判ります。Kの大きさは、疲労亀裂の進展速度に関係してきます。鋼の場合は疲労亀裂の進展速度はKのおよそ4乗に比例してきます。

Boltgatigue 0.5mmの初期亀裂があり、200MPaの引張り繰返し応力がかかった場合にパリス則を使って疲労亀裂の進展を計算したのが左の図です。材質としてはS25Cとしてします。355900回で破断するとなっています。5mmあたりから急激に立ち上がっているのが判ります。実は、応力拡大係数を計算する際の適用範囲であるaが1.2R0(=24mm)を超えたところで計算を止めていますが、このあたりでは100回で10mm以上亀裂が進展する計算になっていて、この時点をほとんど破断と考えて差し支えないところにきています。

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2次試験終わる

3週間にわたった非破壊検査技術者資格試験の2次試験が特にトラブルもなく終わりました。超音波の機材も大阪に送りました。北海道が皮切りですから、これから全国各地で実施されます。

休みなしでしたから、ちょっとほっとしました。ここにはまだ書けませんが、興味深い情報も入ってきましたし、こちらからも発信しておきました。いろいろなことが動き出します。ぼけていられません(笑)。

Cimg2943 白樺林越しの夕焼けです。実際にはもう少し赤く染まっていてとても綺麗だったのですが、太陽を入れて夕焼けを写すのは難しいですね。

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ボルトの磁粉探傷

東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センターのサイトに、エキスポランドのジェットコースター事故に関連した車軸の検査に関する記事がありました。こちらICUS NEWSLETTER)の5ページ目。これによるとジェットコースター等の遊戯施設で、1997年から2006年の29年間で27名の人が亡くなり255人のけが人が出ているそうです。およそ1年に一人が亡くなっているということですね。

この記事では超音波探傷か磁粉探傷を行うことになっているとされています(なぜか浸透探傷について抜けてる)。この記事中に、ねじ(ボルト)をハンディーな電磁石を使う極間法で探傷する方法の写真が掲載されています。この前の記事で見たCIWの報告に掲載された方法がいかにも乱暴なのに対して、一応ちゃんとした写真が掲載されていました。

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CIWに意見書を提出

ジェットコースター車軸の非破壊検査方法に関するCIW検査事業者協議会技術委員会の検討結果が公表され、このブログでも記事にして議論になりました。

私も考えるところがあり、5月18日に技術委員会宛にメールを出しました。本日意見を受け取ったという趣旨の返信が来て、委員会の当事者の方に伝えていただけるとともに、今後RUMPESの編集員会でも検討してゆくとのことです。私以外にも意見を寄せている方がいるようです。検査技術者の枠にとらわれない議論になってゆくと良いなぁ、と思います。

私も、適切な検査方法についての具体的な検討を進めてみようと思います。

私が提出した意見は、続きで・・・。

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ジェットコースター車軸の検査方法

エキスポランドでの事故から丸2年経ちました。当時、JISに規定された検査を実施していなかったと管理会社の責任を問う報道がなされました。

しかし、該当の日本工業規格(JIS A 1701)には年に1回以上「超音波探傷、磁粉探傷、浸透探傷」のいずれかを実施するようにという規定でしかなく、どの方法が有効なのか、具体的な手順はどうするのかは規定されていないものでした。

産報出版が発行する専門業界紙「検査機器ニュース」の最新号に、CIW検査事業者協議会技術委員会がジェットコースターの車軸(実際にはボルトといったほうが適切ですが)に関して効果的な検査方法を検証した結果を公表した、と報道しています。

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JSNDI仕様デジタル超音波探傷器

日本非破壊検査協会(JSNDI)は来年春の資格試験から、これまでのアナログ超音波探傷器に変わってデジタル探傷器を使うことになっています。

これまでのアナログ超音波探傷器は既存のメーカーの探傷器を購入して使っていました。新たに導入されるデジタル超音波探傷器は、JSNDIが独自の仕様を提示してメーカーが製作したものをJSNDIが購入するという経過をたどっています。

JSNDIのHPを覗いたら、その基本操作仕様が公開されていました。こちらです。

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第29回検査技術研究会

昨日北海道機械工業会「第29回検査技術研究会」に出席してきました。

Cimg2853 この写真は、寺田博之氏による特別講演(『航空機の安全と非破壊検査』)のひとこまです。航空機の複合材でできた尾翼への水の混入をサーモグラフィーを使って検出する事例を紹介しています。この方法は、原理的にはきわめてシンプルです。日本の航空会社からの提案で、FAA(連邦航空局)にも認可されたそうです。

航空機材料として複合材の割合はドンドン増えています。金属とは違った複合材の損傷とその検出の問題点はすでにいくつか指摘されています。非破壊検査方法も発想を転換して考えなければならないでしょう。

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非破壊検査総合管理技術者

総合管理技術者の「再認証結果通知書」が届きました。

Ndis0602 JSNDIが認定する非破壊検査資格には、JIS Z 2305に基づくものともうひとつNDIS(JSNDI規格)0602に基づくものがあります。

JIS Z 2305はISO9712に準拠した資格です。超音波(UT)・放射線(RT)・電磁誘導(ET)・磁粉(MT)・浸透(PT)・ひずみ測定(SM)の6部門があり、それぞれレベル1・2・3と3段階あります。レベル3が最上位の資格になります。

NDIS 0602は「非破壊検査総合管理技術者」と呼ばれ、新規に受験するにはJISの資格全6部門でレベル2以上、そのうち4部門はレベル3、レベル3にはUTかRTを含むこと。この条件を満たした後2年以上の実務経験を有すること、という厳しい申請条件があります。

個別の部門のスペシャリストを越えて、トータルで非破壊検査を管理できる知識と技術が求められる資格です。

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JSNDI瑞江センター

日本非破壊検査協会(JSNDI)瑞江センターで超音波探傷レベル2技術講習会の講師・指導員をやっています。

Cimg2765 超音波(UT)・浸透(PT)・渦電流(ET)3つの講習が同時に走っています。以前の亀有教育センターではとても無理でした。朝の受付を事務局ベテランのO氏がやっていましたが、てんてこ舞いという感じです。

この不況で、受講者が増えているということです。

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レール溶接部の浸透探傷検査

鉄道レールの現場溶接では、テルミット(ゴールドサミット)溶接が採用されます。以前にも紹介しましたが、YouTubeの動画を見るとその様子がよくわかります。通常よく見る溶接とはずいぶん様子が違い、ほとんど鋳造の鋳込みです。

ネット上を検索していて、レールの溶接と検査の手順を示した写真を掲載したページを見つけました。工事会社のホームページのようです。こちら。現場の様子がよくわかり、勉強になります。

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浸透探傷試験(PT2)2次試験試験体

今期から、JIS Z 2305に基づいてJSNDIが行っている非破壊検査技術者技量認証試験のうち浸透探傷試験技術者レベル2(PT2)の試験体形状が一部変更になりました。

先日、その対策用に28cmのスケールを用意しておくとよいという情報を流しました。

今回は、試験体中のきず指示模様の出方のサンプル写真です。

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浸透探傷2次試験受験者へのアドバイス

今回から非破壊検査技術者資格試験・浸透探傷試験(PT2)の2次試験・溶剤除去性染色浸透探傷試験の試験体形状が変更になりました。試験体の形状が変更になるということは、試験方法も当然変わるわけで、その情報が公開されないのは不公平だと思っています。

私は、会社員時代にこうした情報の過疎地にいまして、その悲哀をつど味わっていました。情報がない中で受けるほうが実力があるのだ、と突っ張りつつも、やはり不合格になるのはつらい。

試験方法は従来と変わりありません。しかし、溶接線が直交2方向になることから寸法の採り方が違ってきます。そこで、ちょっとしたアドバイス。

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JSNDI2次試験終了

本日で、2週間にわたったJSNDIの資格試験(実技)が終わりました。卒業生や、知り合いも受けに来ていました。二十数年前戸惑いながらも、ひとつひとつ資格を取っていた時代を思い起こすような若者の姿がありました。

科学の祭典の準備からぶっ続けで4週間休みなし。今回は、当初から手の痺れ腰の痛み等の症状を抱えてそのまま引きずりながらでしたから、正直しんどかったです。

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超音波探傷資格試験2次試験間近

今週の金曜日から、JSNDIの秋の2次試験第2弾、超音波探傷試験が始まります。今回は、およそ40人近くがレベル1とレベル2の実技試験を受けます。

超音波探傷を教育に取り入れて13年。試行錯誤の連続でしたが、ノウハウの蓄積も実績もできて、忙しいけれど仕事としては安定してきたかなと思います。私があまり口や手を出さなくても、H先生の指導の下で順調にことは進んでゆきます。

今日は33個の荷物が東京のJSNDIから届き、実習場を試験モードに模様替えをしました。

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JSNDI2次試験開始

勤務先で、JSNDIの秋期2次試験が始まりました。北海道地区の2次試験会場になっているのですが、たぶん全国で実施される2次試験の皮切りになるはずです。

本日と明日は磁粉探傷、金・土・日は浸透探傷試験、来週は超音波です。毎度の事ながら休みの取れないハードスケジュールになっています。(体は休めという信号を出し続けているのですが・・・)

今回から浸透探傷試験は、2次試験の試験体が変更になりました。

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応力場の表現 カラースケールとグレイスケール

材料にきずがあると、そこに応力集中が生じます。きずの中でもき裂(割れ・クラック)は、応力集中がもっとも厳しくなり、理論上応力集中係数は無限大になります。

Stress_intensity_factor破壊力学では、き裂のある部材の強度を問題にするときに、応力集中係数ではなくてき裂近傍の応力場の激しさを現す応力拡大係数を使います。き裂近傍の応力場の激しさを、ビジュアルに示そうと、こちらのソフトではカラースケールで、あたかも線香花火が燃える炎の激しさのように見せていました。

Stress_intensityわけあって、これをグレイスケールに変換させています。このソフトを作ったときは、プログラミングでカラースケールを使う方法をやっとのおもいで身につけて、そのうれしさの勢いで作ったという面があります。

左の絵は、き裂近傍の応力場の様子をカラースケールとグレイスケールで描いたものです。

グレイスケールにしてみると、意外にシンプルでよいですね。これは、超音波ビームを表示するソフトをグレイスケールにしたときにも感じたことです。

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超音波探傷 実技参考書 デジタル篇

日本非破壊検査協会(JSNDI)が発行するテキストに「超音波探傷試験 実技参考書」というのがあります。実習用のテキストです。

この改訂作業に携わっています。9月30日が一次原稿の締め切りでしたので、昨日最後の原稿を送りました。分担執筆ですから、単行本の執筆に比べると気が楽です。

今回の改訂は、超音波探傷器のデジタル化に伴うものですので、大幅な改定になります。

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札幌でJSNDIの講習会

札幌で、日本非破壊検査協会(JSNDI)が行う「移行再認証講習会」の講師をしてきました。ちょっとむし暑かったですね。

非破壊検査技術者の資格試験がJIS(日本工業規格)Z 2305に変わってから5年がたちますが、それまでのNDIS有資格者に対してスムーズにJISの有資格者へ移行してもらうためにJSNDIが全国各地で開いているものです。ISO9712に準拠した翻案規格としてJIS Z 2305が制定されて実施されてゆく過程に、中心からは外れたところからですが、かかわらしてもらいました。いくつかの問題点は残しているものの、資格制度としては、一応成立したといえるでしょう。

講習が終わって、受講生の一人が話しかけてきました。講習をしているときから、どこかであった人だなと思っていました。

6年前に、北海道機会工業会の講習を受講した方でした。そのとき有資格者になって、今回移行再認証試験を受けるとのことです。こちらの会社の方です。ここの品証部には私の講義を受けた人が多くいるとのことです。こうして声をかけてもらうのは、とてもうれしいことです。元気になります。

せっかく札幌へ行ったので、本屋に立ち寄ってきました。

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8月の終わり

今日は、この夏一番の暑さでした。

Cimg27113日間の超音波探傷講習会が無事終わりました。

14年前支笏湖丸駒温泉で開かれた超音波分科会に乗り込んで、「超音波探傷教育を開始したい。ご協力をお願いします」とほとんど知っている人のいない中で挨拶したことから始まりました。

超音波探傷をはじめとした非破壊検査教育は、多くの方々の協力で、ある水準まで達することができました。

Cimg2717 すでに、卒業生で超音波探傷を仕事としているのも相当な数になります。最新航空機からジェットエンジン・・・対象物はいろいろですが、皆地道な分野でがんばっているようです。

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低温下で超音波振動子の剥離

518 本州では、まだ残暑が厳しいのでしょうか。

今日取り上げるは、氷点下の環境における超音波探傷を実施する場合に、気をつけてほしい情報です。

氷点下の環境で、斜角探触子を使うと振動子が剥離するケースがあるという情報を実験データつきでいただきました。

斜角探触子はアクリル製の楔に接着されて厚み振動をして、アクリル楔内には縦波を振動させる、という仕組みについては昨日の記事に書きました。

Utprob低温下で斜角探触子を使うと、程なく感度が30dBも低下してしまう事例があったようです。30dBというのは、探傷技術者にとってはとてつもなく大きな値です(音圧で言うと1/30以下になります)。この感度低下に気がつかずに探傷すると、きずを過小評価するというレベルではなく、すべて見逃してしまうというレベルです。

低温下で脆化する質のよくない接着剤が使われていることが原因として考えられます。

詳細なデータは続きで・・・

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超音波探傷用斜角探触子

試験体に対して超音波を斜めに伝搬させるための探触子を斜角探触子といいます。超音波を発生させ、試験体を伝わって戻ってきた超音波を受信する、送受信両方の役割をします。

金属の超音波探傷では、通常MHz(10^6Hz:一秒間に100万回振動する)オーダーの超音波を使います。

518 この超音波を発生させる振動子は、焼き物ファインセラミックス(ジルコンチタン酸鉛:PZT)を分極処理した圧電素子を使います。この振動子に電圧を加えることで振動させて、その振動を試験体に伝えるわけです。

超音波を斜めに試験体に入れるために、通常アクリル製の楔を使います。アクリルに貼る振動子は厚み振動をして、アクリルの楔内は超音波を縦波で伝搬させます。

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材料試験法開発の歴史

 調べものをしていて、面白いのを見つけました。

 「HISTORICAL BACKGROUND AND DEVELOPMENT OF THE CHARPY TEST」というタイトルの論文です。シャルピー衝撃試験に関する論文ですが、紹介したいのはその内容(私の目的はここでしたが)ではなく、材料試験法開発の歴史をまとめた Appendixです。

 そのまま材料力学・破壊力学の歴史を概観できる年表だと思います。

 どこかで調べればこういうものはあるのだろうと思っていましたが、私の手許には在りませんでした。大筋の流れは頭に入っていますが、実際に何年だっけ、どちらが先だっけ、と疑問に思い調べ始めると、結構な時間を費やしていました。また、こういうものを時系列に並べてみると、いろいろなものが頭の中に沸いてきて、なんとなく愉快です(私だけかな?)。

Milestone_in_ut  超音波探傷の項目もいくつか載っています。

 材料試験の歴史年表が、1495年のレオナルドダビンチによるワイヤーの引張試験に始まり、1994年にデジタル超音波探傷器にDGS線図が組み込まれたことで終わっているのも面白いですね。

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JSNDI教育センター移転

超音波レベル2技術講習会のために上京しています。やはり暑いですね。

明日は朝から講義です。葛飾区亀有にJSNDI教育センターがありますが、この秋移転することになっています。私が担当する講習会では、今回が最後になります。確か1996年に浅草橋から移転しましたので、12年になります。こち亀の地元ともお別れです。

明日は、講義が終わった後横浜方面を探訪することになっています。予想最高気温35℃、わ~!暑そうsun

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超音波探傷レベル2 結果発表

JSNDIから超音波探傷技術者レベル2(UT2)実技試験の結果通知が届きました。2次試験(実技試験)には19名が挑戦しましたが、16名が合格、3名は残念という結果でした。レベル1の再挑戦組み3名は全員合格。UTレベル2の2次試験合格率84%、まあまあの結果でしょう。

練習用の試験体の確保など、全国の仲間の応援があって実現できた結果です。ありがたいことです。

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歯底割れを超音波で検出する方法

このブログ、個人の気まぐれで書いていますが、いろいろな方に読んでいただけているようです。非破壊検査にかかわっている人、仕事上非破壊検査に関する情報を集めている人なども立ち寄っていただけているようです。

欧米では、ブログなどを通じて技術屋同士が情報を交換したり意見を戦わせたりすることがあると聞きました。そのまねはできないにせよ、いろいろな情報を発信したり交換したりする場にこのブログもなればよいなぁ、と思っています。

Sprocket_ut 最近コメントを寄せていただいているIkegayaさんから、興味深い情報を提供いただき、この場で公開してもよいとの承諾を得ました。今日はそのひとつを紹介します。

内容はスプロケットの歯底割れを超音波の漏洩表面波を使って探傷する方法です。

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携帯電話のレントゲン写真

Cimg2453 キャンパスの芝生には、いろいろな種類の花が咲いています。よく見るとタンポポにもいろいろあるようです。もう少し写真の技術があれば、きれいな情景なのですが・・・。

放射線透過試験の専門家には写真好きの人が多いです。写真撮影と共通する部分は多いでしょう。

Cimg2456 学生がエックス線透過写真(レントゲン写真)を撮る練習をしています。また別の学生が、使わなくなった携帯電話を持ってきて、壊すなり何なり好きにしてください、と申し出てきました。

壊す前に、レントゲン写真を撮ってもらいました。

溶接部などのエックス線透過写真は、見慣れないと何がなんだかわかりません。普通の人にこれが欠陥です、と説明しても、「心霊写真」なるものを見せられて、「ここに怨念がおんねん」といわれているようなものかもしれません。

でもこういうものを撮影すると、これはなんだろうという興味がわいてきます。拡大写真は続きで・・・。

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ターボジェットエンジン 燃焼室の蛍光浸透探傷

ターボジェットエンジンJ34(Westinghouse社製)を分解して磨き、展示モデルを作るプロジェクトが進行中です。

Cimg2405_2  燃焼室(アニュラー型)が取り外されて、磨きにかかっています。その過程で割れ(Crack)らしきものがあったので、蛍光浸透探傷試験(通称ザイグロ:Zyglow)を実施してみました。

Cimg2391 割れの指示模様が出ました。熱疲労割れでしょう。

2万円台のデジタルカメラで指示模様がどの程度接写できるかやってみました。

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ケネディー宇宙センターからの手紙

Cimg2384 Kennedy Space CenterからAir Mailが届きました。

なんだろうと思ったら、卒業生からでした。内容からして、ここで公開してもよいだろうと判断して公開します。

         

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拝啓 初夏の候、いかがお過ごしでしょうか。

昨年自分が配属されている部門に、自分と同じ航空技術工学科卒のKが配属されてきました。

先生のことを聞くと、相変わらずお元気です、と言っていましたので安心しました。

突然のこの手紙ですが、自分は現在宇宙機器品質保証課に配属されており、日本でH-2Aロケットの検査業務を実施していましたが、一昨年より宇宙ステーションの日本モジュール「きぼう」の検査をケネディー宇宙センターで実施しています。

手紙を書いている今は、現地5月30日で、打上を明日に控えています。「きぼう」は、NASAによりスペースシャトルで打上げてもらうため、あとは無事成功するのを祈るのみです。

最近、先生のホームページを見つけて、懐かしく思うとともに、先生方の教えが世界中で生きていることを知っていただきたく、お手紙を差し上げました。

またいつか学校に遊びに行きたいと思いますので、そのときは宜しくお願いいたします。敬具

平成16年卒 義本知範

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うれしいですね。元気で活躍してくれていることもですが、文面に母校と後輩に対する気遣いがにじみ出ています。

星出さんのミッションが華々しく報道されていますが、何年も前からこの日のために地道に積み上げてきた技術と努力があるのですね。その現地最前線でのスタッフのなかに卒業生がいたとは・・。「きぼう」が身近に感じられます。すべての準備を終えて打上を待つばかりとなったスタッフの気持ち、どんなのでしょうね。ちょっとうらやましい。

それにしても、この手紙、5月30日の消印で届いたのが今日です。半月以上。ミッションはすでに終了していましたhappy01。AirMail30年前より遅くなっているような気がします。AirMailではない船便の手紙というのがあって、それだと米国から半月ぐらいかかったような記憶があります。

ところで、手紙をくれた義本君は、学生時代「つまようじブリッジコンテスト」で、流れを変える重要な役割をした一人でした。

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超音波分科会と桜

ちょっと前ですが、6月2日に登別温泉で開かれた、JSNDIの超音波分科会に出席してきました。

Cimg2351 会議ももちろんためになりましたが、5月忙しくて少々ばて気味の体には、湯元第一滝本の温泉は格別効きましたね。

Cimg2349 木村勝美先生の話は、超音波探傷用標準試験片STB-Gの話。1952年から開始された標準試験片つくりの当初から中心におられた方の貴重な話でした。音響異方性が少なく、減衰係数・音速のばらつきの小さい材料を求めて苦労した話は、そのまま戦後日本の鉄鋼生産技術の歴史の一端でもありました。

航空機に多用されてきている炭素繊維複合材(CFRP)の探傷について、JAXAの方と日本クラウトクレーマーの方から2件の発表がありました。ボーイング787やA380など日本製の炭素繊維を使って航空機がどんどん国内で作られていますから、探傷分野でも日本が世界をリードしてゆく条件は整っているという印象を受けました。

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超音波によるレールの保守検査

先月5月17日の北海道新聞には、こんな記事が掲載されていました。

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レール破断見逃さない

JR北海道の「レール探傷車」 札幌近郊からスタート 

線路の傷を超音波で検査するJR北海道の「レール探傷車」の本年度の出動が、 札幌近郊で始まった。道内では、昨年十二月と今年二月にレール破断が 相次いで見つかっており、担当者も細かな傷も見逃さないよう、 厳しい目でデータを見つめている。

探傷車は三年前の導入。ふだんは岩見沢レールセンターに所属し、 雪のない五月から十月の間、定められた検査スケジュールに従って道内各地に“出張”する。

前後を動力車に挟まれた探傷車の最高速度は時速四十キロ。 検査は旅客列車の運行終了後の未明に行われ、岩見沢-江別間など、 一日約二十キロメートルのペースで進められる。

水を吹きつけたレールに超音波を当てて、その跳ね返り具合で、傷の有無を判断する。
担当者が車内でモニターを見ながら確認。不審な個所があった場合は保線部署に伝えられ、 精密検査となる。

「利用者に迷惑をかけぬよう、これまで以上に厳密な目で検査を」と担当者。
列車は今後、函館、旭川と長旅を続ける。

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夜間の列車通過本数の少ない時間帯を狙っての仕事になりますから、やっている人は大変だろうと思います。レール探傷車と呼ばれる特殊車両を走行させながらレールのきずの有無を調べてゆきます。

5月30日に苫小牧市内で起きたレールの破断現場も、このレール探傷車で5月20日に調べたばかりだったと報道されています。

では、どのような探傷が行われたのでしょうか。

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レール底部からの疲労破壊による脱線事故

最近のレールの疲労破壊は頭部から亀裂が進展するケースが多いとはいえ、レール底部を起点とする場合もなくなったわけではありません。

日本でも、K.Hirakawa さんから教えていただいた、平成14年(2002年)2月2月27日に起きた大井川鉄道の脱線事故は、レール底部を起点としたレールの疲労破壊がその原因でした。鉄道事故調査報告書が公開されています。こちら

Oigawada 左の写真は鉄道事故調査報告書に掲載されている脱線事故の様子です。

Oigawa 左の図は、鉄道事故調査報告書に掲載されているレールの破面です。写真のレール底部右側の端から17mmの範囲(黒っぽく見える部分)が疲労破面です。破面に錆が見られて、長期間にわたって亀裂が徐々に進展した部分と見られています。

レール頭部と底部の左側わずかな部分(白っぽく見える部分)が最後の一撃で壊れた部分とされています。その中間は脆性的に亀裂が進展したと考えれれています。脆性的な亀裂の進展というのは、短期間に割れたということを意味します。

苫小牧市のレール破断も、底部の腐食から進展したと報道されています。

いまだ詳細は明らかではありませんが、この大井川鉄道の例が、レール破断の様子を推測する手がかりになるのかもしれません。

この事例に近いとすると、通常保守検査で超音波探傷を行う場合は、頭部から超音波ビームを当てることになりますので、この17mmの範囲の亀裂はいわば陰になるために見つかりません。

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レール溶接部の超音波探傷

JRの「レール溶接部の非破壊検査要領」には、溶接後の超音波探傷の要領が記載されています。

2MHz・公称屈折角45度の斜角探触子を使い、一探触子法と二探触子法で探傷するように規定されています。

Jrndt1 こちらの図は、「レール溶接部の非破壊検査要領」に記載された二探触子法を示す図です。底部もその対象であることがわかります。

Cimg2348 苫小牧市でレール破断後5月31日未明に実施したと思われるテルミット溶接によるレール接合の写真です。レール底部の超音波探傷の際に探触子を走査する面には、鋼が溶けてダレた跡や粒状のものが付着しています。適正な超音波探傷ができているのか疑問です。

今回のレール破断が底部の腐食が起点であったことから考えれば、底部に何らかの欠陥が存在してそこが応力集中源になれば、疲労破壊の起点になりついには破断に至ることがあることは、明らかです。

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JR室蘭線 レール破断の原因

JR室蘭線・苫小牧市内で起きたレールの破断について継続して書いています。昨年から、札幌室蘭間の千歳線・室蘭線で5件のレール破断がおきているのです。ハインリッヒの法則を持ち出すまでもなく、重大事故が起きなければ良いが、という気になります。

報道では、破断の原因について底部の腐食との発表があったとしています。

まず読売新聞

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室蘭線レール破断 底部腐食が原因か(2008年6月3日)

 苫小牧市のJR室蘭線の踏切で先月、発生したレール破断事故で、JR北海道は2日、腐食したレールに列車の荷重などで亀裂が生じ、破断に至った可能性が高いと発表した。現地でレールの破断面を調べた鉄道総合技術研究所(東京)が見解を示した。

 踏切はコンクリートブロックにレールを敷く構造だったが、コンクリ部分とレールとの間に汚泥がたまり、レール底部が腐食。通過列車の荷重、振動による力が腐食部分に集中して亀裂が生じ、破断に至ったとみられるという。

 破断したのは長さ8154メートルのロングレールで、JRでは、破断直前の5月20日にレール内の傷を探す専用車両で調査したほか、29日にも徒歩で巡回していたが、異常は確認できなかったという。JRは破断原因の調査を続けると共に、ロングレール区間にある同じ構造を持つ踏切31か所でレール底部の亀裂の有無の検査を行って、再発防止を図りたいとしている。

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続いて北海道新聞

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JR室蘭線のレール破断 原因は底部湿潤での腐食(06/03)

 【苫小牧】苫小牧市内のJR室蘭線の踏切で五月三十日未明に見つかったレール破断の原因についてJR北海道は二日、踏切内にたまった汚泥でレールが湿って底部が腐食し亀裂が発生していた可能性が高いと発表した。

 同社によると、過去発生した二十四件の破断のうち、レール底部の腐食が原因と推定されたのは初。二日までに、同様の構造を持つ道内の踏切三十一カ所で、検査を始めた。

 同社と鉄道総合技術研究所(東京)が五月三十一日、現地調査したところ、踏切内のコンクリートの車道部分で、レールが敷かれたくぼみに汚泥がたまり、ボルトで締める底部が腐食。列車の重さが加わり、ここから二十五ミリの破断が起きたと推定した。底部のため超音波検査では反応しなかったという。

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Railname どちらの記事も、レール底部の腐食から破断したといっています。読売新聞では、レール底部の腐食から亀裂が生じたとしており、北海道新聞の記事では腐食→破断、という記述になっています。

両記事とも「金属疲労」とか「疲労亀裂」とか「疲労破壊」という用語がなぜか出てきません。

底部に腐食が起きたとして、そこから一気に破断するような壊れ方は、レールの材質からして考えられません。あるとしたら、底部の腐食を基点とした疲労亀裂の進行による破壊です。なぜ「金属疲労」の用語を避けているのでしょうか。

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レールの非破壊検査 浸透探傷

苫小牧市で起きたレールの破断について、現地でレール交換後溶接された箇所を見ることができました。そこには非破壊検査をした痕跡も確認できました。

ただ、現地の様子は私の目から見ていくつか疑問が出てくるものでした。

JRの「レール溶接部の非破壊検査要領(2004年版)」(以下「レール溶接NDT要領」と略します)を見ることができました。ところが、この非破壊検査要領を読むと、疑問が解決するどころか、むしろ広がってきたのです。

この要領では、「1.はじめに」の項で、適用範囲が述べられています。

本要領は、溶接欠陥の検出を目的として、溶接施工時に行う『レール溶接部の非破壊検査(超音波探傷、磁粉探傷、浸透探傷)の方法』を示したものである

溶接施工時の非破壊検査としては、超音波・磁粉・浸透を実施するということのようです。RTはありませんね。

そこに記載されている内容と、現地の様子にはずれがあります。

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磁粉探傷装置更新

 本日職場の磁粉探傷装置5台が新しいものに入れ替えられました。JSNDI(日本非破壊検査協会)が試験用の装置として新品を設置したのです。

Cimg2278  設置と点検と検収が行われました。皆さん旧知の仲です。Tさんは、渦電流探傷試験の講師・指導員をされている方でよく亀有の教育試験センターでご一緒します。

 亀有の教育試験センターが移転することになっているので、こんど7月の講習会が亀有での最後になると聞きました。私も7月に行ったら、葛飾柴又の帝釈天に行って「近くでお世話になりました」と挨拶をしてこなければならないでしょう。なんて話をしていました。

 渦電流探傷も超音波探傷も装置がアナログ式からデジタル式に変っているだけでなく、このところ色々な進歩がありますが、磁粉探傷装置は50年たってもそう大きくは変っていないでしょう。

 私が四半世紀前に磁粉探傷の試験を受けたときの装置とこんどの新しい装置、原理はもちろんですが見た目もほとんど変りません。紫外線照射灯(ブラックライト)も、今はメタルハライドランプや紫外線LEDのものも出ているのですが、価格・耐久性などから今回も水銀灯にしたようです。

 来週からの技量認定試験2次試験から使うようですが、一つだけ従来の装置と違うところがあります。

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米国の資格

AIR MAILと赤いスタンプが押してある葉書が届きました。いまどき、外国とのやり取りはメールが便利で郵便物で送ったことも来たこともトンとありませんでした。中学生のころは「ペンパル」なんてのが流行って、私もニュージーランドとフィリピンの女の子とAIR MAILのやり取りをしたことがあります。英作文大変だった・・・なぁ。

Cimg2257 どこからだろうと見ると、米国の非破壊検査協会(ASNT the American Society for Nondestructive Testing)からでした。ASNTからは、一月に一度ぐらいのペースでメールでお知らせが届くのですがね。

内容は私が持っているASNTの資格(ACCP UT・PT Level3)の有効期限が11月に切れるので更新手続きをするように、との案内でした。ASNTが日本のJSNDIの資格との相互認証の試みをしたことがありまして、そのときに申請して取得しておいたものです。

今回は、クレジットシステムを使えば試験を受けなくても良いようです。クレジットシステムというのは、論文を書いたり研究会やシンポジウムで発表したり、委員会活動をしているとポイントとしてカウントされて、それを申請すると更新試験の代わりにできるというシステムです。私の場合は十分ポイントはありそうです。

申請書類等はWEBSITEにあるからというので、のぞいてみたら、12ページもあるものが出てきました。新規登録のときよりボリュームが増えています。

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超音波探傷技術の源流

4月23日にドイツからお客様がみえました。その中に以前から超音波探傷をめぐる交流をさせてもらっている友人とも言えるPeter Renzelさんもいました。Renzelさんに会うたびに色々なことを教えてもらっています。今回の話題のひとつは「超音波探傷の源流は」でした。

Cimg2236 Peter Renzelさん。太っ腹でしょう。

Renzelさんによれば、見方によって源流はいくつもある、とのことです。私流に解釈すれば、大河にいたる山の湧き水はいくつもあるということでしょう。それでもあえてといえば、固体中に超音波を伝搬させてきずを最初に見つけたのはロシア(当時ソ連)のSokolovといえるだろう、とのことです。Sokolovが行ったのは、連続波を使う透過法です。これは、レントゲン写真の考え方(X線の透過量の違いで内部の様子を知る)と同じ発想と考えてよいでしょう。現在の超音波探傷法は、山彦の原理を使うパルス反射法(pulse-echo method)です。

Renzelさんにいただいた「Ultrasonic Testing Material」で確認すると、1940年代で探傷に連続波を使う考えは消えてパルス反射法に置き換わりました。「Ultrasonic Testing Material」の中の記述では、パルス反射法を最初に使ったのはおそらくコウモリであろうとしています。以下、「Ultrasonic Testing Material」4th edition pp163-164からの引用・・・

 This, by far the most impotant method of  non-destructive testing of materials by ultrasonics, the pulse-echo method, was certainly first uesd by bats.

(中略)

 The first proposal to use pulse-echo techiques for material testing came in 1940 from Firestone in the USA.

 In an independent development in England, Sproule used the method in about 1942. In Germany a pulse-echo system was also developed by Kruse.

戦争という緊迫した状況下ですからね。技術交流などというのんびりした話はなしで、それぞれ別個にということでしょう。

第2次世界大戦後、ドイツで超音波探傷法を確立してゆくのはJ&H.Krautkramer博士兄弟でした。Peterによれば、Krautkramer博士兄弟が超音波探傷を研究しようとしたきっかけは、敗戦後の復興にとって鉄道レールが大丈夫かの確認が差し迫っての課題であったので、その確認に超音波が使おうと試みたこと、とのことです。

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安直な解釈

昨日磁粉探傷の原理について書き、その誤った解釈について書きました

Bluebacks 誤った解釈は、講談社のBLUE BACKSの一冊伊藤泰郎著「見えないものを見る技術」に載っていたものです。

「表面探傷の中で最も代表的なのが磁粉探傷である。試験体を電磁石によって磁化し、その表面に鉄粉を散布する。傷があると鉄粉は付着しないので、鉄粉の付着した模様によって欠陥の存在する分布がわかる。試験体でなく、鉄粉を磁化して散布しても同様である。」(P92)

非破壊検査技術者にとっては、何言ってんだ、というトンデモ文章です。下線を引いたところが核心ですが、“表面探傷の中で最も代表的なのが磁粉探傷”というのも何を根拠にしているかわかりません。

これだけでしたらこうして取り上げることはしませんが、実はこの本、私がわかる範囲でもこのほかにこうした筆者の誤った憶測でしかない記述が、いくつかあるのです。私も本を出しているので、人の本のあら捜しのようなことはしたくないのですが、正直この本はダメです。誤植や勘違いのレベルではないのです。(誤植は私の本にもたくさんあります・・・汗dash

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磁粉探傷試験の原理

磁粉探傷探傷試験は、強磁性体材料の表面に発生するきずを検出するのに優れた試験方法です。

強磁性体材料というのは、簡単に言うと磁石に付く材料のことで、ほとんどの鉄鋼材料が強磁性体です。

磁粉探傷探傷試験の原理は、磁石に砂鉄がつくのと同じです。磁石に砂鉄がつくといっても、磁石のどこにでも砂鉄がつくわけではありません。磁極周辺に砂鉄がつきます。磁極にNとSがあるのは小学校で教わるでしょう。

鉄鋼材料に砂鉄を撒いても、普通はつきません。磁化という操作をして鉄鋼材料が持っている磁石の性質を引き出してやると、砂鉄がつくようになります。

Mtp 鉄鋼材料を磁化しても磁極ができたところにしか砂鉄は付きません。棒磁石を半分に切ると切ったそれぞれに磁極が出来ます。鉄鋼材料にきずがあると、そこに小さな磁極が出来るのです。小さな磁極の近くに、細かく砕いた砂鉄の粉を近づけてやると、きずの部分だけにこの粉が付きます。

Mtj この粉にあらかじめ蛍光物質をつけておくと、紫外線照射灯で照射することできずの部分が明るく輝いて、きずのありかがわかるようになります。

これが磁粉探傷探傷試験の原理です。

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ひずみ測定レベル3

今週末、資格試験を受験します。ひずみ測定レベル3の移行試験と再認証試験です。

平成15年にスタートしたJIS Z 2305(ISO9712準拠)のライセンサーへの移行試験を受けて、その後再認証試験を受けることになります。これに受かると5年間有効の資格登録が出来ます。

非破壊検査の資格は、日本では6部門あります。そのひとつがひずみ測定です。きずを見つける他の5部門(超音波・磁粉・浸透・電磁誘導・放射線透過)とは違って、力が加わることによる変形(率)を測定する技術で、この部門があるのは世界中で日本だけです。ただ、ひずみ測定を行うことに何の法的な縛りもありませんから、この資格がなくてもひずみ測定自体は大学や企業の研究室で日常的に行われています。

レベル1からレベル3まであります。レベル1とレベル2は、主に電気抵抗ひずみゲージによるひずみ測定を扱いますが、レベル3では応力塗料や光弾性あるいはモアレなども出てきます。材料力学的な知識もより深く問われます。

昨年9月も受験可能だったのですが、超音波本の締め切りと重なっていたので受験申請はしませんでした。

この歳になって資格試験を受験するのは正直つらいものがあります。

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出会いと別れ

人の世の常とはいえ、出会いがあればそれとちょうど同じ数だけ別れなければなりません。

北海道の非破壊検査技術をリードしてきた矢崎憲治さんが亡くなられて、昨日お通夜に留萌まで行って来ました。雪が降り明かりの消えた留萌の街に降り立ったときは、物悲しい風景だなと思いました。でも、こじんまりとした葬儀でしたが、とても心にしみる会でした。

矢崎さんは、室蘭工業大学を卒業後溶接棒などの溶材を製造販売する会社に入られて、そこに検査部門を立ち上げ、会社での業務以外にも全構連の超音波部門の指導者として全国レベルで活躍された方です。

北海道機械工業会では、検査技術研究会を立ち上げてその裏方を一手に引き受けて、鉄骨部会との共催というかたちで、百数十名が集まる全国的に見ても活気ある研究会に育て上げた方です。

若いころは、各種技術講習会の講師・指導員を務められて後進の育成に努力されました。

わたしも、会社務めの時代に矢崎さんの講習を受けたことがあります。ここぞとばかりに質問を浴びせるわたしに、ひとつひとつ丁寧に答えてくれたことを思い出します。

検査部門を独立させて矢崎さんが社長をした会社が、うまくいかなくなって、留萌の鉄工所にお世話になっていたようです。留萌の地で、若い人を育て、自分の持っているノウハウと精神を伝えることに日々心を砕いていたようです。鈴木鉄工所の社長さんが葬儀委員長として挨拶をされていましたが、ひとつひとつの言葉をかみ締めるような矢崎さんの生き様の紹介でした。

野武士のような実直さで生き抜いた一技術者の一生でした。心からご冥福をお祈り申し上げます。

車で行くのは危ないかなと思って、JRで行きました。そこで・・・。

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エキスポランド事故の原因は????

今年5月に起きたエキスポランド事故について、当時の施設管理担当者の書類送検のニュースが流れています。この少し前に、エキスポランドの休園のニュースが流れていました。

おそらくこれで幕引きなのでしょう。大阪府警は、破断した車軸を専門家に鑑定に出した、とされながら、その鑑定結果については公表されていないようです。不思議です。鑑定結果がピンぼけたものであったらしい、間接的ですが、そのような話が聞こえてきています。

産経のニュースの中にこのようなくだりがありました。

「事故から5カ月以上も前の昨年11月末の時点で、車軸の亀裂は直径の約6割、外周の約6割に達していた。鑑定によると、亀裂は走行中にカーブなどで受けた負荷が原因の金属疲労で一定速度で拡大。破断時には断面のほぼ全領域に及んでいたという。『これだけ大きな亀裂であれば、探傷試験で見落とす可能性はきわめて少なく、車体から車軸を抜き取れば、目視でも十分に発見できた』。鑑定書はこう結論づけた。」

「鑑定は、車軸と同じ材質の試験片を作り「風神雷神II」のコースと同じ負荷をかける「疲労寿命試験」を実施。車軸は、約1トンの車両と乗客24人分の体重の10~20倍の重量に耐えうる強度があったが、運行開始から事故までに受けたのと同じ約530万回の負荷をかけたところ、折れる可能性があることが判明した。」

「金属疲労が一定速度で拡大」というのは理解に苦しむ表現ですが、それは置くとして、亀裂の始まりがいつからなのかが、解ったのか解らなかったのかがこの事故原因を考える際に重要なことであるはずです。

後ろの表現からすると、運行開始直後から亀裂の進展が始まった、と想定しているように読めそうです。本当にそうなのですか?

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アルキメデスと非破壊検査

アルキメデスが命じられた「王冠を壊さずに混ぜ物がしてあるかどうか調べる」というのは、非破壊検査ですね。

非破壊検査は、壊さずにということが大前提ですから、何らかの間接的な情報から判断します。既知のものとの比較が多くの場合判断基準です。たとえば、位置大きさ形状がわかっているきずからの信号と試験体から得られる信号との比較。

水をあふれさせるにしても、天秤で吊り合わせたまま水に沈めるにしても本物の金と比較する、という手法はまさに非破壊検査そのものです。

目的とする現象(この場合あふれる水の量とか天秤の傾き)が別の要因で左右されることが大きいと、非破壊検査方法としては成立しないことになります。S/N比(シグナルとノイズの比)が小さいということになるからです。そこから見て、あふれる水の量をシグナルとするという方法は前の記事で触れましたが、難しいだろうと思います。

仕事として考えた場合にいちいち同じ重さの金を用意しなければならないのはいかにも面倒です。(貧乏人の発想かな?)

このページにあるようなさおばかりを使えば、純金かどうかの非破壊検査は可能だと思います。

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コロージョン

配管内側のコロージョンです。

Erocor 外観は何の異変もなくても、内側はぼろぼろになっていることがあるのです。美浜原子力発電所の事故が記憶に新しいところです。

こういうものの検査は超音波が得意とするところです。肉厚測定といいます。板の厚さのことを肉厚というのです。だから、「減肉を測定する超音波肉厚測定器」ということになります。別に牛肉の厚さを測るわけでも、ダイエットのための器具でもありません。

最初に現場で聞いたときは違和感がありましたけれど、慣れてしまうと普通に言葉になって出てきます。こんな言い方を、一般向けの書き物に注釈抜きで書くわけにはいきません。大丈夫かなぁ、わたしの「ことば」

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透明な標準試験片

超音波探傷に使う標準試験片にSTB-A1というのがあります。装置の較正、探触子の入射点や屈折角の測定に使います。基準となるもので、探傷技術者にとっては、いわば武士の刀とでも言うべきものです。

超音波は聞こえませんし、もちろん見えません。五感では確認できないものを使って見えないきずを見つけるわけです。これを勉強したり教えたりしていると、試験片や素材の鋼が透明で中が見えたらなぁ、などという妄想は何度も浮かびました。(鋼が透明で中が見えたら、超音波探傷も放射線透過試験も必要なくなる訳で、そのそも自己矛盾ですが・・・)見えないものをみえるようにするのは「可視化」技術でしょうが、そこまでの話ではありません。 そんなことを、学生と雑談していると、透明なSTB-A1を作ってみましょう、などという変わり者の学生がたまに現れます。

Stba1もう8~9年前に卒業したK君(現在K重工航空宇宙に勤務)が作った、アクリル製の「STB-A1」です。後方にあるのが本物のSTB-A1です。

R100(左側 半径100mmの1/4円)の部分などは、ケガキ線の外側にドリル穴を開けて後はペーパーで手仕上げです。

出来上がって、正直その精度仕上げの綺麗さに驚きました。

Stb_a1_s こちらは、私が作った「超音波探傷入門」ソフトウエアの中で、STB-A1を透明化した画面です。

単位や試験とは関係のないところで、ほとんど何の役にも立たないだろうやり取りを若者としながら笑いあえる・・・教員という職業の特権だと思っています。

ところで、STB-A1を実際に製作しているのは、

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エキスポランド事故の原因は解明されたのか?

エキスポランドが営業を再開するそうです。それ自体はどうということもないのですが、ニュースを見ていると、検査担当者数人の「業務上過失致死」での送検とあわせて、この事件はこれで終わりという雰囲気です。

この事故の原因は「金属疲労」ということで片付けられています。でも・・・。

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水晶振動子の超音波探触子

ドイツにある某超音波探傷の研究所に勤めている友人(知人かな?)から、水晶を振動子として使っている超音波探触子が送られてきました。

Quartz_transduce 水晶は、キューリー兄弟が発見した圧電材料で、超音波の利用技術の始まりとなったランジュバンも水晶を使ってランジュバン型振動子を作りました。

でも現在では、超音波探傷に使う振動子材料はほとんど100%といっていいくらいPZT(ジルコンチタン酸鉛)です。

もう、かれこれ四半世紀この技術に携わっていますが、水晶振動子の探触子を見たことはありますが、仕事で使ったことはありません。

水晶を使った探触子には、試験体の金属を電極として使うためのスプリングが出ています。おそらく試験体上でこすることに耐える電極を貼り付けることが難しかったのでしょう。

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ペンタブレットで超音波探傷シミュレーション

もう9年前ですかね。WACOMのペンタブレットを使って、超音波探傷の訓練用シミュレータの開発を試みました。

Penut WACOMのペンタブレットは原理として電磁誘導を使っています。ペンの位置情報だけでなく筆圧・ペンの傾きの情報も取っています。電磁誘導ですが、巧みにやってますね。金属や磁石やコイルを近づけてみましたが、反応しません。

電磁誘導なのでボードとペンとが多少離れていても、情報が取れます。たとえば鋼の溶接部の絵もしくは写真をはさんでも大丈夫なのです。

超音波探傷入門プログラムで、パソコン上に仮想超音波探傷器を作ることには成功していましたから、ペンを改造して探触子を作りました。

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検査資格証明証の偽造

非破壊検査技術者が足りないようです。

日本非破壊検査協会のホームページに、非破壊検査技術者資格証明証の偽造についての注意が掲載されていました。協会関係者によりますと、複数件あるようです。

Ndi2たいていは検査報告書の最後に資格証明証のコピーを添付するのが慣わしですが、今のパソコンの画像処理技術を持ってすれば朝飯前です。

J IS Z 2305の資格証明証はパウチです。簡単ないたずらをしてみました。(丁寧にやれば見分けが付かないようにすることも出来ます。まして白黒のコピーならパソコンを使わなくても糊とはさみで出来てしまいます。)

日本非破壊検査協会が発行しているライセンス数(JIS Z 2305 及び移行前のNDIS 0601を含む。注:現在はJIS Z 2305に移行する過渡期間にある)は、6部門×3レベルすべてあわせて、総数で64720(2005年12月30日現在:日本非破壊検査協会「非破壊検査」Vol.55による)。そのうち試験検査方法を検討して決めることの出来るレベル3は、6部門すべて合計して6171。6万といっても、複数のライセンスを保持している人も多いですから、資格者数としては3万人程度です。ちなみに私は、全6部門のレベル3と総合管理技術者を持っています。かつては、保険として全6部門のレベル2も保持していたことがありますから、日本の非破壊検査資格だけで13資格のホルダーでした。さすがに維持費が馬鹿にならないので下位資格は流しました。

景気が少し良くなってくると、こうした悪さをする人が出てきます。発注者側も「検査報告書だけ出してくれ」などと言うことを公然と言うやからも出てきます。

私のところにも非破壊検査技術者が逼迫しているという電話が、このところかかってきます。当面足りないということだけでなく、4~5年先を見越して足りないという話です。新卒だけでなく、中途採用をしたいという話です。航空関係も鉄も山ほど仕事を抱えているそうです。

そうなってくると、検査技術者を冷遇していたところ(検査の重要性を意識していないところ)からは人は逃げていきます。そういうところの管理者は、次に何を考えるでしょう。ミートホープの田中社長バリの「知恵」を働かせる、となるのは容易に想像できます。

日本非破壊検査協会では、資格者情報の問い合わせには応じているようですから、不審に思われる方はぜひ確認をしてください。(TEL 03-5821-5101)

米国(The American Society for Nondestructive Testing (ASNT))では・・・・、

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秋田大学付属鉱業博物館(その2)

秋田大学付属鉱業博物館には、超音波に関係する展示がありました。鉱物と超音波・・・?まぁご覧ください。

Synthetic_quartz_crystal2_1 まずは人工水晶です。水晶は圧電材料の代表です。水晶の圧電性を発見したのは、J.キューリーとP.キューリーの兄弟です(1880年)。現在も水晶振動子として通信機器などに広く使われています。ソナーも医療用も金属探傷用も当初は超音波を発信するのに水晶の振動子を使っていました。

人工水晶は室蘭市にある日本製鋼所の関連会社であるファインクリスタル株式会社製造しています。

Trun 水晶の圧電効果を超音波の発信と受信に使い、実用の道を開いたのはフランスのランジュバンです。ランジュバン型振動子が展示されていました。2枚の厚い鉄片ではさむことにより、共振周波数を下げてエネルギーの高い超音波を発信することが可能になりました。第1次世界大戦でドイツの潜水艦に苦しめられていた米英仏が、その勝利を決定的にするきっかけとなったといわれています。

Langevin 現在、強力超音波を発信させているのは、ランジュバン型の改良型といえるボルト締めランジュバン振動子です。これも展示されていました。

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エキスポランド事故 ほかに亀裂が

ペアで運行されていた「雷神号」の軸に亀裂が見つかったと報道されています。

私は、以前にも書きましたが、調べればほかの軸にも疲労亀裂があるだろうと予想していました。1本だけというのは意外に少ないなという印象です。(詳細に調べたのかなぁ?)

今回見つかった亀裂のある軸と、亀裂のない軸の違いを周辺の状況を含めて現場を調べると、本当の原因が見つかるだろうと思います。

報道では杜撰な検査と叩いていますが、果たしてそうでしょうか。私は、3日間の講習で資格が与えられる「検査員」に見つけられる亀裂ではなかったのではないかと見ています。

今回見つかった亀裂は、事故の箇所と同じということです。だとすると、ナットをはずして、ねじの谷のところです。10mmを超えていて、そこが怪しいとわかっていればおそらく目視でも見つけられるかもしれません。鋼の割れはコントラストが低くて漫然と見ていたのでは大きなわれでもわからないことが多いです。

では、どのくらいの時期に、どの程度の割れがあったと予想できるでしょう。

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夜汽車の旅

秋田のホテルからです。

最近旅行の移動手段は飛行機が常識になっています。今回は都合の良い便が無かったので、夜汽車に乗りました。椅子席で寝ていけばよいや、と考えていました。10代後半から20代にかけて、汽車を宿代わりにして、鈍行夜汽車で旅行をしたものです。

かつては、夜の帳が降りてから赤い網袋に入ったみかんをおすそ分けするところから、見知らぬ人と会話が始まったものでした。時には人生を語り、時にはほのかな恋心すら生まれることもありました。夜汽車の旅の楽しさでした。今は、そんな情緒を期待することはできません。黙して移動手段に自分の体を積み込むだけです。

Hamanasu 駅でチケットを購入しようとすると、駅員さんが「横になれる席がありますけど・・・・。」おっ!気が利くじゃん。急行ハマナスのカーペット席です。

料金を聞くと、指定席料金(150円)の追加で良いとのこと、もちろん購入しました。カーペット席ということで、乗ってみると、そう昔の青函連絡船の二等客席(知っている人少ないだろうな?)のような雰囲気。青函連絡船では雑魚寝でしたが、ここでは頭の部分にカーテンがあり隣の人の寝顔を見ずにすむようになっていました。

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超音波探傷事始 航空機 航空機用エンジン

本日職場に、日本製鋼所の関連会社である日鋼検査サービス(株)の社長さんと開発担当の技術者の方が来られました。

お二人とも旧知の仲です。仕事上の話とは別に、情報交換をしたり、教えたもらったりしました。この日本製鋼所は、日本で戦後超音波探傷をフィールドで実際に適用し始めたところです。高沖さんという優れた技術者がおられたのです。高沖さんは、日鋼検査サービス(株)の初代の社長さんでもあります。日本製鋼所は特殊鋼の分野で世界に知られた企業です。

この日本製鋼所は、日本初の航空機用エンジン「室〇号」が作られたところである、ということはあまり知られていません。

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パリス則がわかるソフトウエア

パリス則(Paris Law)は、疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係がほぼ直線とみなせる領域が現れることから、式da/dN=C(ΔK)^mであらわされます。C,mは材料定数。

疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係をプロットしたグラフは、パリス則が成り立っていることを確認するのには良いのですが、疲労き裂進展の実体と重ね合わせて理解することは困難です。

そこで、パリス則を、繰り返し数とき裂長さの関係にして、両対数グラフにプロットするソフトウエアを作りました。公開します。

Paris 一昨日の記事へのコメントで述べた、き裂深さ2mmと10mmから20mmまで成長するサイクルをプロットした実行画面です。20mmまでを寿命とすると、2mmの時点と10mmの時点では残寿命はおよそ10倍1/10の関係にあることがわかります。

エキスポランドの事故では直径30mm強のねじ部で、2/3ほど疲労き裂が進展して、その後塑性崩壊をしているように見えます。

パリス則についてとソフトウエアのダウンロードは続きで・・・。

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ボルトの超音波探傷

エキスポランドでの事故を受けて、全国の同様の施設について、点検が実施されたとされています。探傷検査を実施して「安全を確認できた」として運転が開始されているようです。

きちんとした検査が実施されたと信じたいものです。「磁粉探傷、浸透探傷、超音波探傷」のどれをやるのか、それぞれの方法についても何を基準にしてどのような方法で行うのか検討をされて、徹底されているのでしょうか。

漫然と探傷をしていても、危険の芽を事前につむことは出来ない、という例を。

Ut1 全長250mm、直径20mmのクロムモリブデン鋼のボルトを、5MHz・振動子直径10mmの探触子で軸方向に超音波を伝搬させて探傷した例です。

ねじを切ってある部分は25mmあり、探触子から5mmの位置にコッターピンを入れる穴が開いています。

今回の事故で疲労破壊したねじの谷の部分に疲労割れがあったとしたら検出できるでしょうか。

コッターピンがなくても、ねじ山が反射源となり割れからのエコーを受信していてもSN比(信号と雑音の比)が小さくなり、探傷は難しくなります。それでも数mmの割れであれば、健全なボルトとの比較をすることで、検出が可能になるでしょう。

このケースではコッターピンの穴があります。5mmからの反射波(エコー)は5の倍数の距離に多重反射の信号が表れます。この穴からの多重反射がノイズレベルを上げてSN比は極端の小さくなっているのがわかるでしょうか。割れを見つけるのはさらに困難です。

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エキスポランド事故 破面のCG

破面写真を、画像処理して公開をすると、著作権法に触れることになる、ということです。ちょっとしっくりしないところもありますが、法律がそうなっているのであれば仕方ありません。破面は事故原因解明のための重要な情報です。私は、この事故の原因、そしてこのような事故を防ぐためのState of the art がどの辺にあるのか、見届けたいと思っています。

Expo2imagec5_1 破面の写真をスケッチして、それを元にCGを作って見ました。これなら、私の作品と言ってよいでしょう。

当然ですが、私の手が入っていますので正確ではありません。ミスもあるかもしれません。原本では見えにくかったビーチマークを強調しています。

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公開された破面の意味するもの

大阪府吹田市で起きたジェットコースター事故、1ヶ月経ってやっと破面が公開されました。

Crosssectional_shape

この写真はYOMIURIONLINEに掲載されているものです。

大阪府警が公開したようです。こういう写真に著作権があるのでしょうか。私は事故の再発防止という「公」に資するために公的機関が公開した(どこまでもパブリックな)映像に民間会社が著作権を主張することに疑問を抱いています。

さて、この破面についてですが、ライフワークとして鉄道車軸の疲労破壊を研究されていて、海外での公的な鑑定を行っているHirakawa氏がその見解を、このブログに寄せてくれています

片振り曲げ疲労で、疲労限近い低い応力でゆっくりと穏やかに進行した疲労破壊であることが、この破面から読める、これでよいとのことです。(Hirakawa氏は片振りとはいっていません。お詫びして訂正します。6/7)

後は、電子顕微鏡のレベルでストライエーションが観察できるのか、観察できれば亀裂伸展の時間経過が推定できる、という作業が残されているだけでしょう。

以前にも指摘しましたが、この破断箇所がなぜ破断するような繰り返しの曲げ応力が発生したのか、ここが問題ではないかといい続けえてきました。

この軸(ボギー軸というようです)は本体に圧入されています。圧入で本体にしっかり固定されていれば、破断箇所には曲げ応力の発生は考えにくい箇所なのです。

この件で、毎日新聞の記事に以下のようなものがありました。

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エキスポ事故 破断箇所の写真公開だが・・・

エキスポランド事故の破断した車軸の写真が、やっと公開されました。

Exshaft この写真は6月4日に北海道新聞のニュースサイトに掲載されていたものです(6月7日現在削除されています)。でもどうして、破面そのものの写真ではないのだろう。取材した記者も、90度回してといってほしい。その破面の様子から、多くのことがわかるのです。記者も、そのくらい勉強をして取材してほしいものです。情報の価値は半減どころではないのです。

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エキスポランド事故 壊れたのは車軸だったのか?

報道では、車軸が疲労破壊したとされています。このブログでも車軸と表現してきました。

こちらの記事で、車軸とはいえないのではないかと指摘しています。車輪ユニットとバギー車を接合するボルトではないか、年に1回の探傷検査するとされるJISの規定では、この事故で破損した箇所は対象外と読めないか、ということです。

Jet なるほど、言われてみるとそうかもしれません。私も、当初は車軸といわれているのだから軸に車輪がついていると思っていました。5月12日に軸のCGを作ったあたりから、へんだと思い、取り付け部の様子を知りたいとブログに書いてきました。この軸の取り付けの様子と機能を確信したのは、5月20日ある方からの個人メールによる情報ででした。その後、CGで「車軸」の取り付けを作り、このブログに公開してきました。その後も「車軸」という表現を使ってきました。軸は回転はしませんが、車輪ユニットにはベアリングがつけられていて、わずかに回転してアップダウンやカーブの変化を吸収しています。(画像をクリックしてください。簡単なアニメになっています)

リンク先の記事の筆者が指摘しているように、確かにJISが亀裂点検をすべき箇所である「車軸」から今回の「ボルト」は外れていると読む解釈は成立しそうです。

でも・・・・

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図面から起こした車軸のかたち

Expoimage10_2 エキスポランドの破断した車軸について、一部報道で写真が掲載されていましたが、図面からCGで再現すると、少し形が違うようです。

車軸が15年間で形状の変更があったのでしょうか。

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磁粉探傷での指示模様

エキスポランド事故で疲労破壊した車軸の非破壊検査では、最優先で行うべきは磁粉探傷です。

磁粉探傷は、強磁性体(磁石につく材料)に適用できます。試験体を磁化すると、割れのある場所から漏洩磁束が発生します。漏洩磁束が発生した場所にはNSの磁極ができていますので、鉄粉をひきつけます。この鉄粉(磁粉といいます)を人間の目に見やすくしておくと、割れのある場所がわかります。

Mt 暗い場所でブラックライト(紫外線照射灯)で照らしながら行うのが蛍光磁粉探傷です。この方法は、周囲を20ルックス以下の暗さにして行うことが必要です。このことから日中や屋外ではできないとの誤解が、時々あります。周りを暗くすれば良いのですから、暗幕をかぶればどこでもできるのです。実際、私が現場の検査屋だったころはそうやりました。

それは、蛍光磁粉と着色磁粉では、見え方(コントラスト)がぜんぜん違うからです。写真では、伝わりにくいところがありますが、実物では黒色磁粉など使う気が起きないほどの差です。

なぜ、こんなに差があるのかといいますと、

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非破壊検査実技試験 そして花

今週は、私の勤務先の私がメインとしている実習場が「日本非破壊検査協会(JSNDI)」の実技試験会場になっています。JIS(日本工業規格) Z 2305 に基づく技量認定試験です。

Jsndi 北海道地区の会場ですので、全道から受験生が集まってきます。試験官と事務方が東京から来道します。今週は浸透探傷試験と磁粉探傷試験の実技試験が実施されています。試験会場内の写真は掲載できませんので、入り口だけ。来週は超音波探傷部門です。2週間ホスト役です。

Odamaki まったく関連はありませんが、自宅の庭に咲いていた苧環(オダマキ)です。石庭風を狙って白い小石を敷いているところがありますが、その隅に咲いていました。

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エキスポランド事故 車軸の取り付け

事故で破断した車軸が、どのように本体に取り付けられていたか、力のかかり方もそれによって決まってきます。

一方向だけですが図面を見ることができましたので、CGを作ってみました。想像の部分があるのと、細かい部分は省略していることをお断りしておきます。

Expo2image1 青色の部分がバギー車本体。車両ユニットを黄緑にして区別付きやすくしています。車軸は、バギー車本体と車輪ユニットを1本でつないでいて、アップダウンやカーブでのレールのゆがみを吸収するようになっています。

Expo2image2 本体側に、車軸は圧入されています。設計上では今回破断した箇所には、大きな曲げ応力はかからないように見えます。(でも破面は曲げ疲労の特徴を示している?)

Expo2image3_1 <エキスポランドの担当者は、当初の記者会見で破断した箇所を車輪ユニット側のねじ部と間違って発表していました。しかし、報道写真の中には、現場で車輪ユニットに車軸がついているのを確認できるものがあります。壊れることを想定していなかったところが壊れた、ここに着目すべきだと思います。

この車軸の取り付けを見て、疲労破壊を心配する箇所に順番をつけるとしたら、今回破断した箇所は何番目ぐらいになるでしょうか。私だったら、この車軸周りに限っても心配なところはいくつも出てきます。どうでしょう。

外側のナットが外れる、あるいは外側のねじ部分が破断したのなら、車軸がレールに引っかかって今回の事故のように大きく傾くことはなかったように見えます。

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State of the art

本の紹介です。

Dhrw1_2 平川賢爾著「ドイツ高速鉄道脱線事故の真相」(慧文社刊)です。1998年6月3日にドイツのミューヘン・ハンブルグ間で起きたドイツ高速鉄道の脱線事故、101人の死者が出た大惨事になりました。この事故をめぐって、被害者への補償問題とは別に、ドイツ鉄道の技術者に対してその責任を問う裁判が開かれましたが、これに日本から専門鑑定員として参加した筆者が裁判の過程を明らかにすることによって、技術者の責任とは何かを問うている本です。

Dhrw2 事故の概要から、疲労破壊のメカニズムと実際、破壊力学と非破壊検査(超音波探傷)の限界まで、裁判で焦点となった点を明らかにしています。

そこで常に基準として問題にされているのが、State of the artです。日本語にすると「技術水準」です。鉄道技術者が当時のState of the artに沿う最善を尽くしたか、ここが技術者倫理であるというのです。

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エキスポランド事故 写真この1枚

エキスポランドで5月5日に起きた事故について何回か連載してきました。情報が限られる中で、推論を交えながら、いろいろなコメントをいただきながら、少しずつ事故原因のありかに近づいてきたような気がしています。

ニュースで流れた映像などを参考にするために保存していますが、この事故直後の記者会見の写真。いくつかの示唆を含んでいるように思えてなりません。(あえて掲載します)

M5214084 エキスポランドの担当者が、黒板に描いている絵、破断部が車軸の外側のねじ部分になっています。その後、実は破断したのは内側のねじ部であることが公表されるまでに、5日間かかっています。

マスコミもこの発表を鵜呑みにして、図解を掲載しました。

現場の担当者が、破断部を間違えているのです。実際に破断した車軸をこのとき見ていたのでしょうか?見ずに予断で見解を述べているのでしょうか?見ていて(左右対称ではない)車軸の方向を間違えたのでしょうか?

その意味を考えます。

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エキスポランド事故 検査員の資格

エキスポランドの事故では、JIS(日本工業規格)によって年1回の探傷検査(磁粉・浸透・超音波)が定められており、これに基づく点検を行っていなかったエキスポランド側に非難が集まりました。

News 本日の北海道新聞に右のような記事が掲載されました。国土交通省の見解として、ジェットコースターなどの遊具施設が建物扱いであったのを、乗り物として鉄道並に扱う、という趣旨です。その流れは良しとしましょう。でも、その中身は唖然とするものです。

News2 右に掲載したの記事のところです。国土交通省の方やマスコミの人は、非破壊検査員の資格認証はJISで実施されているのをご存じないのでしょうか。「JIS Z 2305 非破壊試験-技術者の資格及び認証」です。参考PDF

3日間の講習で与えられる「遊具施設検査員」にできる探傷検査として、染色浸透探傷を考えているようです。

これってどうなのでしょう。私の考えをは続きで・・・。

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エキスポランド事故 車軸のかたち

車軸の形は、どんなのだろう、それによって探傷試験を適用する際の問題点が浮かび上がります。

あまり情報はないのですが、こちらの記事に掲載されている写真を元にCGで再現して見ました。よくわからないところは、想像で補っています。

Expoimageshaft 車軸はボルト状になっており、両端をキャッスルナットで締めるようになっています。キャッスルナットは、振動によってナットが緩むのを防止するために、西洋のお城の塔のような切込みが入っていて、コッターピンで止めるようになっています。(ゆるみ止め対策もねじのことならこちらの本を参照)

今回破断したのは、内側のねじを切ってある部分の端のようです。断面急変部、本体との取り合いはよくわかりませんが、最大曲げモーメントになるところの応力集中、典型的に疲労破壊が起こりそうな場所です。

このCGで探傷検査におけるいくつかの問題が浮かび上がってきました。

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エキスポランド事故と金属疲労

エキスポランドの事故について、疲労破面の様子が明らかになりつつあります。

「折れたのはナットが付いた車軸のいちばん端の部分で、軸の方向に対し垂直に真っ二つに切れたように折れていました。警察が折れた部分の断面に光を当てるなどして調べたところ、断面の4分の3ほどに波状のしま模様が残されていることがわかりました。これは、力が繰り返し加わることで徐々に亀裂が広がる金属疲労に特徴的なもので、警察は、金属疲労が起きて車軸が折れたと断定しました。また、断面の残る4分の1ほどには表面に凹凸がみられるということです。」(NHKニュース

Fati上記の引用の最後の部分が重要です。最終破面率25%ということです。前回の記事で予想したうち高靭性材料の高サイクル疲労、と考えられます。(注:左の写真は、今回の事故の車軸のものではありません。疲労破面の参考例です。)

とすれば、次のことが言えます。

          

(1)解体して点検すれば、注意深く見ると目視でも確認できた時期があるはずです。(エキスポランドの行った目視とは、解体もせずに外側から眺めただけ?)

(2)非破壊検査をしていれば、JISに定められた3つの方法のどれを適用しても、ごく早いうちに間違いなく発見できています。(これを見つけられない非破壊検査なんて存在意義がない、とまで言い切れます)

(3)疲労亀裂はこの車軸だけであることは、ほとんど考えにくい。(ほかにもいっぱい出てきて当たり前)

超音波で模擬実験を行った映像は、続きで・・・。

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公開されない情報 ジェットコースター事故

足掛け3日にわたって、大阪府吹田市で起きたエキスポランドジェットコースターの事故が報道されています。

事故原因が金属疲労だと言われているのですが、なぜか重要な情報が公表されません。「破断面の写真」です。なぜこの情報が重要かというと、事故原因の直接の手がかりであるばかりでなく、全国の同様な施設の緊急点検の目安になるはずだからです。

車軸の疲労破壊であるならば、ある程度勉強をして経験をつんだ人であるならば、顕微鏡に頼らなくとも、マクロ観察で概要はつかめるはずです。

Fati重要な情報は疲労の起点と、疲労破面率(もしくは、最終破面率)です。右の写真(この写真は今回の事故のものではなく、軸の疲労破面の参考例です)では上方と下方に疲労の起点があることがわかります。その下の縞模様は貝殻模様(もしくはビーチマーク)と呼ばれる疲労破面の独特の模様です。(5/21 一部加筆訂正)

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エキスポランド事故と非破壊検査

大阪府吹田にあるエキスポランドで起きたジェットコースター事故、改めて非破壊検査がクローズアップされています。

Expo1 事故原因は、車軸の疲労破壊だとされています。エキスポランド側は「目視で十分と」会見をしていました。これは、疲労割れを知らない人の発言ですね。

初期の疲労割れは、人間の目視下限以下の幅です。ミクロンオーダー。少し成長しても同じ材料ですから、コントラストが小さい。鏡面仕上げでもしていなければ、たいていは目視できません。(アルミの疲労割れは鋼に比べると見えやすい)

Fatigue 目視で疲労割れが見えて、それでもまだ大丈夫な材料は、靭性の相当大きな材料です。それは軟らかい材料で強度が低い材料になるのです。疲労破面の写真を公開してほしいです。材料選択の誤りかもしれないのです。

非破壊検査についてです。

スチールの車軸ならば、非破壊検査の優先順位は次の通りです・・・・。

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2MHzの斜角探傷

このブログの話題は、あまり一般的ではないかもしれません。今日のは、特に狭いかもしれません。ほとんど自分自身の備忘録です。

溶接部を探傷するのには、横波を伝搬させる斜角探傷を使います。よく使うのは、5MHzで公称屈折角70度の探触子です。

Sv 2MHzの探触子(STB屈折角:69.0度 振動子寸法:10×10mm方形 振動子材料:ジルコンチタン酸鉛)を使うと妙なエコーが出てきます。その正体を確かめるために、標準試験片STB-A2にある直径2mm深さ2mmの穴を探触子側において、コーナーからのエコーが出ないように斜め45度方向から狙いました。

Sv2 100mmぐらいから探触子を近づけたときのエコー高さの軌跡が、右の図の青い線です。面白いなぁ。ジェットコースターのように上下しています。近距離音場のような音圧分布に見えます。

試験体の内部を伝搬した音ではなくて、表面を伝搬した漏洩表面波です。

公称屈折角70度2MHzの斜角探傷では、表面に反射元があればそれからのエコーが出てくる可能性があります。探傷すべき内部と範囲が重なる場合は、判断が難しいことになってしまいます。

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超音波ビームソフトの検証

超音波のビームを表示するソフトについて、ケンブリッジ大学の先生と学生さんには評価してもらえたようです。

本来波動方程式から説き起こすところを、単純化した「ホイヘンスの原理」と「重ね合わせの理」だけでシンプルな計算をしています。ビーム形状をインタラクティブに学ぶことを目的にして、表示スピードを30秒以内にするのが開発上の目標でした。こんなのでよいのかと思いましたが、よくわかるし使えるということのようです。

Utbeam ビームの形状は,、振動子の直径(D)/波長(λ)で決まります。同じ条件でシュリーレン法で撮影された超音波ビームの写真と、「Ultrasonic Beam」で描画した写真を、検証例として送りました。多分先方は、そうした写真は持っているものと想像します。

学生さんの研究に役立ててもらえそうです。ソフトへのリクエストも来ています。この間実は悩んでいたところなのです。やれるかどうか自信はありませんが、まぁチャレンジしてみます。

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日テレ番組の安易 「エコーの開発」物語

日本テレビ系列の「未来創造堂」で、胎児の超音波診断装置「エコー」の開発物語をやっていました。

悪い予感が当たりました。技術の開発物語を取り上げるのに、何が問題であったのかについての「うそ」はすべてを台無しにします。

振動子から発せられる超音波の反射波(エコー)を、横軸(時間経過)と縦軸(音圧)として波形表示させる「Aスコープ」から、人体の内部が直感的にわかる断面画像を得ることが、はじめてこのとき行われたかのようなストーリーになっています。しかし、超音波による人体の断面画像を得る装置は、1954年にアメリカのJ・ワイルドが開発に成功しています。ワイルドは15MHzを使っていたため、減衰が大きく表層部しかか見えないものでした。

1950年には、現在も使われている5MHzの周波数で、和賀井らが超音波断面画像が得られる装置を作っています。(事前の研究はこちらに少し書いています。)

以前にも書きましたが、和賀井たちがなぜ5MHzだったかというと、和賀井の友人が石川島造船にいて、その協力を得て鋼の溶接部を探傷する装置を使って研究をしていたからでした。(偶然の妙)

Aloka この物語は、1962年から65年にかけての話です。和賀井はこの物語の主人公竹内と同じ順天堂大学ですし、装置を開発したのは現在のアロカ(株)ですから、このアイデアは明らかに既知だったのです。

胎児診断には、羊水中に浮かぶ胎児から得られる超音波信号が単純ではなかったところに難しさがあったはずです。音速が変化するところで直進せずに屈折して曲がることや、音響インピーダンスが大きく変わらないことから境界からのエコーが小さい、といった点です。竹内久彌と重山貞夫らは、超音波を胎児診断に適用するというアイデアの元に、その困難を解決して、現在普通に行われる胎児の超音波診断につながる礎を築いたのです。

開発者に対する敬意は、その人が解決した課題そのものを想起することが出発点だと思うのです。

すごそうに見せる(番組制作者が描いたストーリーの)ために、先人の業績までその人にあるように描くのは、私は失礼だと思います。

私は、マスコミのこのような安直な「科学技術」に対するかかわりを、「ニセ科学」より以上に腹立たしく思います。担当した制作者は取材をしたのだから、知らないはずがないのです。

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超音波技術の最前線

私のところで行っている技術教育では、基本をしっかり大切にすることを心がけています。基本というのは、最新技術からは少し遅れたところになります。しかし、日々進展する最新技術も教えておく必要もあります。

そこは人脈で企業の協力をいただきます。本日、フェイズド・アレイ超音波探傷とTOFD(Time Of Flight Diffraction )の講義とデモンストレーションをクラウトクレーマー・ジャパン社に行ってもらいます。昨夕段取りをして、夜懇親と打ち合わせをしてきました。

Pa2 フェイズド・アレイです。医療分野で行われていることと原理的には同じです。医療分野に比べると探傷分野へのフェイズド・アレイの適用は少し遅れています。相手が硬いことと、のモード変換がおきるところが大きな違いです。しかし、コンピュータ技術の急速な進歩に伴って、探傷の様相も大きく変化していくでしょう。

Pa この装置でも、基本表示(Aスコープ)が同時に表示されています。画像処理された結果だけでなく、ソースとなる波形から判断することが求められます。

講師は颯爽として美しいM女史です。普段の授業とは、一味違ったものになるでしょう。

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Googleで定義を検索

もうよく知られていることなのかもしれませんが、Googleで言葉の定義を検索できることを知りました。

たとえば、「define:turbofan」と検索枠に入力をして検索をかけると、Web上にある定義を示してくれます。日本語には、まだ対応し切れていないようです。

Ulttrasonic_beam_in_water 早速「超音波」の定義を調べてみましょう。

「define:ultrasonic」で検索をかけると、このようになります。クリック

「A sound frequency that's too high for humans to hear」とか

「Referring to sound waves with frequencies higher than those at the upper limit of unimpaired human hearing, usually between 16 and 20 KHz.」

が出てきます。「聞くことを目的としない音」という定義は出てきません。ドイツにいる超音波の専門家に間接的に聞いてもらったところでも、そんな定義は聞いたことが無い、とのことでした。ちなみにドイツでは、可聴音の限界周波数は16kHzだそうです。

ところが日本では、特に今世紀になって出版されている「超音波」本に「聞くことを目的としない音」という定義が多くなってきています。そのような定義をしていない本のほうが少なくなってきています。少し驚いています。

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超音波ビームを表示するソフト

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超音波を浴びせることで物体は破壊できるのか?

昨日、「コンピュータが思いがけず描く絵」に彪霧さんから次のようなコメントをいただきました。

コメント****************

はじめまして。
超音波を浴びせることで物体は破壊できるのか?
と思い、「超音波」で検索してここに辿り着きました。
「超音波で物体を破壊する」――世のアニメ・マンガ・特撮モノに多く存在する現象であり、その原理は「物質の固有振動数と同じ周波数の超音波を浴びせることにより対象を破壊する」と説明されます。
が、そんなことは可能なのでしょうか?
そんなことが起こるなら、現実世界でも既に(兵器として)実用化されていそうなものです…。
ド素人の私の手には負えなくなってきたので詳しい方のご意見を頂きたいと思い、書き込みました。SUBALさんはどう思われますか?

*******************

以下、私なりに考えたことです。

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「超音波診断法事始」(その1)

1ヶ月前に注文していた本がようやく届いて、読んでいます。和賀井敏夫著「超音波診断法事始」(日本プランニングセンター)です。

Wagai これが想像以上に面白い。和賀井氏は、日本で超音波による人体の診断法を開発してきた方です。NHKの「プロジェクトX」でも取り上げられていましたね。

超音波による診断法は、第2次世界大戦後ほぼ同時期に米国・ドイツ・オーストラリアの学者も開発に着手していました。成果が上がるのも少し日本より早いために、超音波診断法の創始者は、世界的にはそれらの国の人だといわれています。

しかし、現在医療分野で使われている超音波(連続波ではなくてパルス波、透過法ではなく反射法)と周波数帯域を最初から使い、現在につながる成果を上げたのは日本のチームでした。

それがなぜかというと・・・・

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超音波ビーム カラースケールとグレイスケール

超音波ビームを表示するソフトを少し変えました。

Ubeamgs1必要があって、グレイスケールで表示するようにしました。白黒印刷用にグレイスケールの画像を取るだけのつもりでしたが、作ってみると意外に気に入りました。

このソフト自体、プログラミングの中で、カラースケールを使えるようになってうれしくて作ったようなところもありました。グレイスケールですと諧調が1/4の256になって狭くなるのです。でも、そんな感じがしません。

シュリーレン法の写真のように見えますし、うるさくなくてシンプルでよいです。

ダウンロードできるようにしました。

「UBeam.zip」をダウンロード

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タービンノズルの熱疲労割れ

Fpi_turbine_nozzle J47ターボジェットエンジンのタービンノズルに生じた熱疲労割れです。蛍光浸透探傷検査(Fluorescent Penetrant Inspection)で検出しています。(画像をクリックしてください)

J47tbtc 紫外線照射灯(black light)で照射しています。蛍光浸透探傷検査は、航空業界ではよくザイグロ検査と言われることがありますが、ZYGLOはMagnaflux社の商品名で、正式にはこの呼び方はしません。

箱型の車をボンゴというようなものです。(ちょっと古すぎ?)

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全溶接船の脆性破壊事故

昨日の記事で紹介した船が真っ二つになった写真は、米国の戦時標準船(リバティー船)のSchenectady号(T-2タンカー)です。

多くの書籍・教科書に掲載されている歴史的な写真です。こちらのサイトを参照してください。

Libertyships 日・独に対抗するために米国が作った大量生産の溶接船。約2700隻のうち1000隻に脆性破壊が起き、そのうち200隻が沈没か全損という、壮絶な破壊事故事例の山となった船のひとつです。
真偽のほどは確かめていませんが、日本の製鋼と溶接の技術が優れていたために、このような脆性破壊事故が起こらず、そのことが破壊力学への関心を薄れさせたひとつの要因、という話を聞いたことがあります。

それにしても、その後のコメット機の事故やF111の事故など、事故後「責任者の糾弾」というよりも事故原因の解明と新たな学問体系を作り上げていく姿勢は感心します。

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丹羽登氏が

JSNDIの機関誌新年号が職場のデスクの上においてありました。

その中に先日紹介した丹羽登氏の訃報が掲載されていました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

会話はしたことはありませんでしたが、白髪の柔和な紳士でした。

昨晩は、久々に降雪がありましたが、結晶を撮影する余裕がありませんでした。残念。次の機会に。

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超音波の定義(2)

JIS Z 8106:2000 「音響用語」を手に入れました。」(当初8106を誤って2300と書いていました。訂正しました。)

「超音波音 可聴音の上限周波数(およそ16kHz)以上の音響振動」

超音波ではなく超音波音です。対応する英語も、「JIS Z 2300」が「超音波:Ultrasonic wave」に対して「JIS Z 8106」では「超音波音:Ultrasound」です。

非破壊検査の分野では超音波はUltrasonic waveですが、医学の超音波検査ではUltrasoundです。

えっ!なにが違うのという感じです。同じStressを機械工学では「応力」というのに対して土木工学では「応力度」というのに事情が似ているのでしょうか?

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超音波の定義

超音波について『聞くことを目的としない音』が、公的な定義としてあるのか否か調べていますが、いまのところ見当たりません。

Niwa1 しかし、丹羽登著「超音波計測」(昭晃堂)に左のような記述があるのがわかりました。

超音波を使った計測のバイブルのように扱われている本です。筆者の丹羽登氏は、元東大教授で日本非破壊検査協会(JSNDI)の創始者の一人であり、元会長でもあります。

でもやはり言わなければなりません。「丹羽先生、間違っています。」

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公園の超音波ブランコ

必要があって改めて「超音波とは何か」を調べています。なにをいまさら、という感じですが、調べてみると結構驚きます。

こういうものはまずJIS(日本工業規格)での定義から・・・。

「超音波 周波数が20kHz以上の音波」(JIS Z 2300)

あっさりとしたものです。私もこの理解でした。20kHz程度が人間の耳で聞くことのできる限界。音波という物質中を伝搬する振動を、周波数で区別して「超音波」「可聴音」「低周波音」と呼ぶ、と理解していました。

Sig ところがこの定義は狭義であって、広義の定義では『超音波とは聞くことを目的としない音』というのがあちらこちらのあることに気づきました。たとえばこちらこちら。WEB上にあるだけではなく、技術を解説した文献にも同様な記述がありました。

えっ!「聞くことを目的としない音」ならば可聴音領域の周波数でも「超音波」??それはないだろうと思うのです。

窓から2m先に首都高速がある東京の某ホテルの4階の部屋、あそこで夜通し聞かされた騒音、あれは超音波ですか?トラックの運転手も道路公団のお役人もホテル側も、もちろん宿泊客である私も「聞くことを目的とした音」では絶対にありませんでした。

で、もう少し突っ込み。超音波の利用技術は広範に進んでいるといわれています。その中の「超音波カッター」や「超音波歯ブラシ」、これらはどう見ても波として伝搬しているわけではなく、20kHZ以上の振動を与えているだけです。それらの製品の効果を云々するものではありません。でもこれも「超音波」でしょうか。

Koen 周波数が低くても「聞くことが目的でなければ」超音波、振動だけでも超音波、とすれば公園のブランコも立派な「超音波ブランコ」になりませんか?

明らかに「ウルトラ」のインフレーションが起きています。「超」は語感が良いですから、商売上ネーミングに使いたくなるのはわかリます。でも技術や科学に携わる者は、それに追随してはいけないと思うのです。

私はウルトラマンの世代ではなく、幻探偵・鉄人28号・鉄腕アトムの世代です。

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ロケットエンジンLE7

出張から帰ってきました。石川島播磨重工航空宇宙本部瑞穂工場と三菱重工名古屋誘導推進システム製作所を訪問してきました。

Sky 興味深い話はいっぱいあるのですが、ここで書けることは限られます。面白いものもたくさん見てきましたが、写真撮影は禁止でしたのでありません。機上から撮影した1枚です。

どちらの工場でも、私が歩いているとあちらこちらから懐かしい顔が近づいてきました。短い会話や眼差し中に、仕事や今の生活に対するそれぞれの覚悟が伝わってきて久しぶりにいい旅でした。

各職場で非破壊検査を選択してがんばっている卒業生にたくさん会えたのも嬉しかったです。IHIで超音波をやっているS君、忙しそうだったけれど、すれ違い際に元気な笑顔と会釈。MHIでは、ジェットエンジンやロケットエンジンの超音波探傷をしているIくんとは少し長く話せました。語り口のいきのよさが気持ちよかったです。

現場であったH君は蛍光浸透探傷検査の担当だそうで、飄々とLE7の検査をしていました。HⅡAロケットの打ち上げが成功した直後でしたが、すでに次や次の次が準備されていました。

元気がよみがえってきました。

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超音波による虚像

クマさんによるこのコメントを受けて。

64e2m18w_ref_1 フェイズドアレイを始めとして、超音波探傷の結果を分かりやすい断面表示にする技術は開発されいます。

Usk でもまだ主流は基本表示(Aスコープ)での探傷です。

医学の世界での超音波検査では早くから画像化して画像診断が行われています。でもクマさんが言われるように、これもちょっと見た目では分かりませんよね。

画像化することは、広域的に直感的に判断するのに有利です。あまり勉強をしていない素人でも分かりやすくなるようにも見えます。

Sidelobe1 こちらのページにありますように、医学での超音波診断でも虚像が出ます。サイドローブによるアーチファクトというのが良く出るもののようです。金属ではエッジの回折波も出てきます。

医学の「超音波検査」の教科書を読むと、基本の勉強(例えば超音波のビームについて)が重要だが、おろそかにされがち、と書いてあります。

素人にも分かりやすくするために、虚像を表示画像にでないように処理することも可能でしょう。しかし、そのことによって必要な情報が削除される危険が出てきます。勉強をして訓練をつめば、虚像がむしろ正確な判断の助けになるケースもあります。

私は、超音波探傷の画像化は素人に分かるようにという方向ではなく、訓練を受けたプロの判断を助ける方向になるべきだと考えています。現実には、一知半解でワガママな施主を説得しやすい画像化に向かうんだろうなぁ。

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「応力拡大係数・・」ソフトの注釈

3月に「応力拡大係数と破壊靭性値を理解するソフト」公開していました。特殊な分野なので、見る人もほとんどいないだろうと思っていました。

しかし、「応力拡大係数」をGoogleで検索すると、2番目に現れて、このブログの記事の中では黄金比の記事に続いて訪れてくれる方も多いようです。

ほとんど自分のメモのようなソフトウエアですので、何の解説も注釈もつけていませんでした。「注釈を入れておいたほうが良いかもしれない」とのアドバイスもいただきましたので、少し書きます。

1.これでなにが分かるのか

応力拡大係数というのが、き裂先端近傍の応力場(応力の分布の激しさ)を表しているのだということです。部材にき裂があると強度は低下する、ということは多くを説明しなくても直感的に理解できることでしょう。では、どの程度になるのかというと、応力だけでなくてき裂の長さが関係しそうだ、ということも容易に想像できます。

Sfi3 き裂の存在を無視して求めらられる応力とき裂のサイズによって決まるき裂先端近傍の応力場を、イメージとして表示できるようにしてあります。この応力場の激しさ(これを係数として簡潔に表現したのが応力拡大係数)の程度によって、破壊するかしないかが分かるということです。

Sif2 左の図で、赤い曲線は応力拡大係数の限界値です。この線を越えると、き裂が急速に進展して破壊に至るということです。画面の上方に、応力場をカラースケールで図示しています。あたかも線香花火の火の激しさのようです。この線上では、き裂のサイズも応力も異なりますが、応力場の激しさは同じになります。

なんだそれだけのことかと感じた方、そうですごめんなさいそれだけです。このことをクリヤーにしたかったのです。

Sfi4この応力場の表示は厳密解とはずれがあリます。どこがずれるかというと、き裂の最先端とき裂から遠く離れたところ。左の図では、xがゼロに近いかaに比較して大きい範囲では大きくずれます。応力拡大係数が破壊靭性値になる前に壊れる場合も起きるのです。

  

                                     

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超音波探傷の先端

卒業生が訪ねてくると、いろいろな情報を教えてもらえます。昨日も、非破壊検査機器メーカー(GEインスペクションテクノロジー)に勤める卒業生がやってきました。

ここ数ヶ月でもドイツ・米国と忙しく飛び回っているようです。フェイズドアレイの超音波探傷器の新製品を持ってきて見せてくれました。

フェイズドアレイというのは、超音波を発信する振動子を小さく分けて、それぞれ振動させるタイミングを細かく変えることで位相制御して、超音波の伝搬の仕方を目的に応じて変えていく新しい技術です。

Pa1 これまで装置1台が数千万円していたのですが、今度の新製品は数百万円のオーダーになるそうです。

現状の超音波探傷のひとつの難点は、表示の分かりにくさです。横軸が時間=距離を表し、縦軸が音圧を表す基本表示(Aスコープ)を理解するにははある程度勉強が必要です。

駆け出しのころ、超音波探傷をやっているところを1時間見ていましたが、なにをやっているのかさっぱりわからなかった思い出があります。

Pa3フェイズドアレイを使った探傷器の一つの機能は断面表示させることです。 まだ、素人が見てすぐに分かる断面表示にはなっていません。超音波の伝搬・反射・回折などの知識があると、なるほどと面白い発見がいくつかありました。

この探傷器にも基本表示が横に出るようになっていました。ここ相当の間、これをなくすわけにはいかないでしょう。

コンピュータ技術の発達に伴って、非破壊検査技術も変化していくようです。

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超音波ビームが解るソフトを公開

超音波は、ビーム状に広がりながら伝搬することが知られています。ビームの形状は、振動子の寸法と波長によって決まります

Ultrasonic_beam 近距離音場と遠距離音場、指向性を理解することを目的としたソフトを作りました。

超音波探傷レベル2技術者の教育のために使うことを想定しています。学習者がストレスを感じない程度のスピードで描画することを第一優先にしました。

そのために、近距離音場について、そのかたち(相対的な音圧の分布)についてはほぼ満足のいくものですが、音圧の値については厳密性が犠牲になっています。

まだまだ改良点がありそうですが、この時点でフリーソフトとして公開します。ご意見等いただければ嬉しいです。

振動子の寸法、超音波の周波数、伝搬させる物質を変えて超音波ビームのかたちがどのようになるかを試してみてください。

「UBeam.zip」をダウンロード

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浸透探傷検査の実際

Ptmiyoshi 非破壊検査の領域で、待ち望んでいた本が発刊になりました。書名は、「浸透探傷検査の実際」(アグネ技術センター)。著者は長年原子力発電所などの検査技術の向上に取り組んでこられ、(社)日本非破壊検査協会の元会長でもある三好滋氏です。

浸透探傷検査は、強磁性体である鋼以外の金属(オーステナイト系のステンレス、アルミニウム合金、チタニウム合金、耐熱合金)の表面に開口したきず初期の疲労割れなどを検出するのに有効な方法です。

毛細管現象を使います。

はけとウエスと洗浄剤・たわしやブラシなど、親しみやすい用具を使う方法もあるために、「簡単な検査」という誤解をする人もいます。

実際には、経験と手わざと判断力が最も要求される検査方法です。中でも、浸透指示を観察してそれが何ものかを判断解釈するには、幅広い知識とともに経験の蓄積がものをいってきます。

実際の検査現場で検査技術者は、きずを検出して基準に従って分類するだけの仕事をしている場合が多いでしょう。「原因調査」はやられない場合がありますし、やる場合でも現場の検査技術者に知らされないことのほうが多いのです。また、「原因調査」をする人は、現場で欠陥が見つけられる様子を知らないこともあります。これでは、年数を重ねて多くの現場を踏んでも、経験は技術として蓄積されてゆきません。

三好氏は、専門である冶金学の知識をベースにして、数多くの現場事例を集積してこられて、講習会ではその一端を披露することはありました。

私は、年に数回お目にかかることがありますので、一般の技術者が参考にできるように出版してください、とお願いをしてきました。「こういうものは文章化するのは難しいのだよ」と言われていました。今回、170枚を超える写真とともに筆者の長年の研究成果がまとめられています。

検査技術者はもちろん、構造物の安全にかかわっている方に、手の届く範囲に本書を置くことをお勧めします。

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磁気を使う非破壊検査

昨日の記事で、紫外線に当てると紫外線を可視光線に変えて放射する蛍光物質がお札のインクに使われている、という話を書きました。暗闇にそこだけが光りますから、とても目立ちます。

この性質は、見えないもの見えにくいものを見つけることに使えます。何らかの方法で、探したいけれど眼に見えないものの近くにだけ、蛍光物質が集まるようにすればよいわけです。

非破壊試験のひとつである蛍光磁粉を使う磁粉探傷試験を紹介します。次の写真は、その実施例です。ここでは、鋼製の歯車にある割れを見つけます。この歯車には、数箇所割れが入っていますが、われの幅が非常に狭いのと色の違いが無いので、肉眼ではよくわかりません。

Mt調べる鋼製の歯車に、電流を通すための銅棒を刺して、電極の間に挟みます。電流の周りには、磁界が生じます。磁界の中では、鋼製のものは磁化されます。磁化というのは磁石になる、ということです。

Mt1 蛍光物質で包んだ鉄粉を水に分散させた検査液を、静かにかけます。

鉄粉といっても、実際には水の中でも錆びないように、磁石に吸引される酸化鉄が使われています。

Mt3 部品に割れがあると、割れ近くに磁極(N極とS極)ができるます。検査液を静かに流してやると、鉄粉はしだいに磁極にひきつけられて吸着します。紫外線照射灯(ブラックライト)で照らしていると、割れの近くが光り始めます。

Br2_2 航空機では、ほとんど鋼は使われていません。しかし脚(ランディングギヤ)はアルミニウム合金に置き換えることはできないために、ニッケル・クロム・モリブデン鋼が使われています。右の写真は、大型旅客機のランディングギヤ部品に生じた熱疲労割れを、磁粉探傷試験で検出したものです。

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紫外線でニセ札鑑定

Cimg0403 明かりを落として1万円札を紫外線照射灯で照らすと、印鑑の部分が黄色に光ります。また、福沢諭吉さんの右背後ほか数箇所が光ります。もしそうならなければ、偽札です。

インクに蛍光物質が入っています。

Spec 人間の眼に見える可視光線は、波長が400~800nmの範囲にある電磁波です。400nmより少し波長の短い電磁波は、紫外線と呼ばれて、人間の眼には見えません。

蛍光物質は、紫外線を受けると波長を長くして可視光線の範囲に変えて反射します。暗い環境では、そこだけが怪しく光ることになります。

例えば、お札をスキャナーで画像として取り込んで精巧に印刷したとしても、紫外線照射灯(ブラックライト)ひとつでニセモノであることを見破れます。

お札の印刷技術は、偽札を作ろうとする「技術」に常に先行していなければならない運命にあります。

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JAXA(4) 航空機用新素材研究

JAXAの「複合材技術開発センター」に行ってきました。先ほどNHK教育の番組「サイエンスZERO」を見ていたら、眞鍋かをりが訪問してレポートしていましたね。

炭素繊維複合材(CFRP)が航空機材料として多く使われるようになってきています。次世代旅客機であるボーイング787ではほとんどCFRPです。

Jaxa8ここのセンターでは、様々な研究を行っているようですが、メインは、CFRPの強度に関するデータベースを作ることだそうです。

Jaxa10 引張り試験をしているところです。CFRPは温度や湿度によって強度が大きく変化します。この試験機では、後方にあるボックスが出てくることで、温度は-70~+150℃、湿度は30~95%、の範囲で環境を変化させて試験ができます。

破断した試験片です。試験片は長方形の板状で、チャックではさむところには、紙やすりで巻くようにしてありました。金属の引張り試験のように断面積の小さい部分を作らないのですね。

Jaxa12 複合材ですから、繊維方向をどのように組み合わせるかによって当然壊れ方も違ってくるでしょうが、この写真では、最大せん断応力の面で壊れていますね。この写真だけで1時間の授業ができそうです。

Jaxa11 CFRPで作った翼構造のモデルです。

軽くて丈夫、成型も難しくない、良いことだらけにみえるCFRPもこれから多用されていくことによって、思わぬことが原因で壊れることがあるかもしれません。あまり知られていませんが、9.11テロの2ヵ月後、ニューヨークの住宅街に墜落したAmerican Airlines Flight 587 の事故は、史上はじめて複合材の破壊が起点となった旅客機事故でした。事故原因の解明もその後の対策も、もちろん設計でも、信頼できる材料のデータベースが不可欠です。

他の見学場所に比べて、どう見ても地味でしたが、ここが一番興味深かったという学生もいて、それがなんだか嬉しかったですね。

私としては、CFRPの非破壊検査は超音波がメインになってきますから、その研究も行われていると聞いていたので、それが見れなかったのが残念でした。

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JAL123便御巣鷹山墜落事故から21年

ジャンボジェット旅客機が墜落して、520人が犠牲となった事故から今日で21年です。

21年前の夏、私は北海道石油共同備蓄基地のはじめてのタンク開放(T-8)工事が大失敗して、その後始末を文字どうり不眠不休で取り組んで、へとへとになってやっと終わったところでした。24時間の現場仕事のあと8時間休んでそれから36時間の連続作業・・・それが終わりではなく地獄の1丁目でした。そのときそれぞれの立場で力をつくした人たちには、変な友情のようなものが生まれました。その後、タンク開放工事の革新を成し遂げるエネルギーになりました。

非破壊検査にかかわってきましたから、JAL123便の事故とその原因については関心を持ってきました。事故調の報告書の不徹底さから、巷には原因に関する「諸説」が流されています。怪しい珍説もたくさんあります。

今年発刊された1冊の本を紹介します。

寺田博之著「わかりやすい構造破壊の防止技術-破壊力学の基礎から学ぶ」(養賢堂)です。筆者である寺田氏は、元航空宇宙技術研究所(NAL)業務部長で、航空機構造破壊の専門家です。ボーイングの修理ミスが実際に破壊事故につながるかを、世界で最初に計算で明らかにした方です。事故調の委員の中には、この計算をできる人はいなかったそうです。

この本の中を注意深く詠むと、数箇所に分散して123便の事故について記述されています。この事故の破壊力学による解析結果を、最前線の研究者が明らかにしている、という点だけでも本書を読む価値があります。

何の知識のない人にとって「わかりやすい」かどうかというと、そうではありません。ただ、破壊力学の現状を実際の現場で、ごまかすことなく明らかにしているという点で「わかりやすい」と思います。

寺田氏は、この本に関する私からの質問に実に丁寧に答えていただきました。破壊力学をどのように勉強していくか、方向は分かってきました。

ただ、現状の破壊力学がき裂のある部材を、現場の技術者が実際の構造部材を前にして評価していくというところまで成熟はしていない、ということも明らかになりました。123便でのき裂の進展とその破壊に関する計算が、材料は航空機材料としてはよく使われるものであり、荷重条件としてもそう複雑でもないにもかかわらず、寺田氏クラスの研究者にしかできないという点に、破壊力学の現在があると思います。寺田氏のこの本の執筆意図は、このような現状に穴を開けたい、というところにあるのだと思います。

失敗から学び、再び繰り返さない、地道な男たちの奮闘のひとつがここにあります。

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超音波探傷入門

超音波探傷をはじめとした非破壊検査が本業です。

技術者教育を模索する中で、はじめて超音波探傷を学ぶ人のためにソフトウエアを作リました。(社)日本非破壊検査協会から「超音波探傷入門」というテキスト本とともに発売されています。

Book超音波探傷に必要な基礎知識を、CG・アニメーションを使って、クリックしながら双方向で学べるようにしています。

また、垂直探傷や斜角探傷をパソコン上のバーチャル探傷器を使って体験できるようになっています。

Ut51航空機の材料に複合材が使われるようになって超音波探傷の重要性が増しています。発電所などでも損傷許容設計の考え方を採用するようになって、ここでも超音波が活躍します。

検査技術者になる人だけでなく、構造の安全にかかわる人、関心がある人は、超音波探傷について概要を知っていてほしいと思います。

詳しくはこちらに

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NDI 石井賞

日本非破壊検査協会から「石井賞」をいただきました。

「石井賞」というのは、元東京工業大学教授石井勇五郎先生の発案で、非破壊検査技術の創意工夫・発展に功績のあった人に与えている賞です。

そういう賞があるのは知っていましたが、まさか自分がもらえるとは思っていませんでした。

Ishiiaw 素直に嬉しいです。技術の分野にかかわっているものとして、その分野で認めていただけたことに感慨深いものがあります。いただいた純金のメダルは、生涯の宝物です。

一人の失業者として、有効求人倍率0.24でろくな仕事がなくて困っていたとき、苫小牧市の職業安定所のカードに書いてあった「非破壊検査技術者」の文字を見て「????? なんだろう?」と思ったときから、ちょうど25年になります。失業者からその分野に紛れ込んだ「変な奴」も、暖かく迎え入れてくれている日本非破壊検査協会(JSNDI)の諸先輩と仲間に感謝します。

非破壊検査に携わっている卒業生諸君。頑張っているといい事もありそうだぜ。

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応力拡大係数と破壊靱性値を理解するソフト

き裂のある部材がどの程度危ないのかを判断するために役に立つ係数として「応力拡大係数」があります。線形破壊力学のキー概念です。簡単な形状でとりあえず計算するだけなら、シンプルな式で表すことができるのでさほど難しくはありません。でも、いったい「応力拡大係数」って何者?と疑問を発すると、もやもやとして分からなくなります。ここは「私は」と主語を入れておかなければならないところです。

参考文献を読んでも分からないことがあると、私はよくノートに自分なりの理解を書いてみて(書いている過程で頭の中がが整理されることがある)改めて文献を読んだり、人に聞いたりして理解を深めることをやります。

Sif_1 最近は、ノート代わりにパソコン上で動作するソフトウエアを作ることがあります。うまくはまると、ノートを作ることに比べてはるかにダイナミックに「分かった!」となることがあります。抽象的な論理だけではどうしても理解できない頭脳構造のようで、遠回りをするしかないのです。

「応力拡大係数」を理解するためのソフトを、そんなわけで作りました。これですべて分かったのか、というとそうはいきませんでした。ひとつの壁は突き抜けることができましたが、その先に疑問という名の石がゴロゴロ転がっていることに気づいたというところです。

何人かの方に見てもらいましたが、「フリーソフトとして公開しないのか」という問い合わせをいただきましたので、御批判を前進の糧とする覚悟で公開することにしました。

破壊力学のテキスト(小林英男著「破壊力学」(共立出版)の第4章等)を読みながら、ソフトを使ってみてください。

破壊力学 Book 破壊力学

著者:小林 英男
販売元:共立出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

VB6で作っていますので、OSはWindowsに限られます。実行(EXE)ファイルをダウンロードできるようにしています。ごく小さい確率ですが、VBのランタイムがないために動作しないことがあります。その場合は申し訳ありません、どこかでVBのランタイムを手に入れてください。別のパソコンで実行してみる、という方法が一番早いかもしれません。

追記(0612/16)簡単な解説と注釈をこちらに書きました

○LZHで圧縮したファイル

「FractureMech.lzh」をダウンロード

解凍ツールはこちらから。

○ZIPで圧縮したファイル

「FractureMech.zip」をダウンロード

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非破壊検査入門DVD

Ndi 日本非破壊検査協会から「非破壊検査入門」というDVDが発売になりました。非破壊検査というのは、ものを壊さずに部品や構造体にある目にみえない有害なきずを検出する技術です。超音波・X線・磁気・電磁誘導・毛細管現象など使えそうな物理現象を総動員します。「安心・安全」を支える技術として、今後重要性を増していくと思います。

目次

第一部 (総論) 10分

 非破壊検査の定義と重要性、試験方法の選択、「技術者、機材、試験手順」の確認

第二部 (各論) 48分

 1 目視試験(VT)

 2 磁粉探傷試験(MT)

 3 浸透探傷試験(PT)

 4 渦電流試験(ET)

 5 放射線透過試験(RT)

 6 超音波探傷試験(UT)

 7 アコースティク・エミッション試験(AET)

 8 その他の試験(地中レーダー・赤外線サーモグラフィー・漏れ試験)

 9 ひずみ測定

 10 コンクリート構造物の非破壊試験

それぞれに、原理・現場での適用例などをCGや動画で紹介しています。

私は編集委員として、超音波探傷部門を担当しました。ANA原動機センターに協力していただいたジェットエンジンの検査では教え子が登場しています。

このDVD、文部科学省選定の教材になっていますが、「文部科学省選定(工業高校・青年向・成人向)」という表示になっています。「成人向」となると、何かやばそうなニュアンスがありますが、子どもが見ても「劣情」をもよおすことはありませんので、よろしく(笑い)。

日本非破壊検査協会の案内と購入の申し込みは、こちらまで。  

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超音波のかたち

超音波ビーム形状を表示するソフトについて「北海道機械工業会 第26回検査技術研究会」で発表してきました。概ね評判は良かったけれど、やはり近距離音場については議論になりました。難しいところだけれど、フェイズドアレイによる超音波探傷の教材を作っていくことを考えると、まじめに考えないといかんかな。

振動子径の違いによるビーム形状と、周波数の違いによるビーム形状の図を掲載します。 いずれも媒質は鋼を想定しています。

Frq

Trsize

JSWの田中氏の発表の中にあった、端部エコー法で捉えられる限界の割れ開口幅の話は、とても興味深いものでした。

今日は収穫が多かった。

追記:こちらでソフトを公開しました。(12/8)

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超音波ビーム形状を表示するソフト

 超音波は、車のヘッドライトのように、ビーム状に広がって進みます。

ビームの形状は音源である振動子の寸法と波長によってきまります。超音波探傷をする際に、超音波のビームがどのようになっているのか、直感的にイメージできるように、色々と条件を変えてみることのできるソフトを作りました。近距離音場・遠距離音場・指向角など超音波音場の概念をビジュアルに学ぶことができます。

Utbeam_3 図はその実行画面です。振動子寸法・周波数・伝搬する物質を変えて、1368通りのビーム形状を確認することができます。

苦労したのは、操作者にとってストレスのないスピードで描画すること。

4年前のパソコンで15~20秒で描画できるようにしました。

3月の研究会で発表します。

このソフトこちらで公開しました。(12/9)

超音波探傷入門ソフト ←以前に作ったソフト

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